シキヨクの概要

恐怖と笑いが入り交じる進化系アドベンチャー

占い師としてテレビ番組にも多く出演した夢魅美々子（ゆめみみみこ）は、霊が作り出す世界を“夢”と呼び、人々から災いを遠ざけるため、「人は知りすぎてはいけない」と、くり返し訴えていた。

しかし、不慮の事故で彼女は霊感を持つふたりの子どもを残してこの世を去ってしまうのだ。

本記事で紹介する『シキヨク』は、電ファミコンゲームマガジンアプリ『ゲーマガ』やブラウザ（公式サイト参照）でプレイできる怪奇探偵ホラーであり、日常侵食ホラーとして注目を集めた『つぐのひ』を手がけたImCyan（アイムシアン）によるシリーズ最新作。

霊が作り出す夢に入ることができる兄のテル、その夢から戻る能力を持つ妹のルナ。“赤い糸の呪い”に縛られるふたりを中心に描かれる奇妙なストーリーに注目だ!!

日常に潜む恐怖の真相に迫る短編ストーリー

本作は登場人物や時系列こそつながってはいるが、基本的に1話完結で楽しめる短編もの。2018年02月05日に待望の第8話が公開されたばかりの怪奇探偵ホラーゲームだ。

■ブラウザ版はこちら

テルが通う学校には“フラレたら死ぬ”という奇妙な噂があった。

その発端は、木谷キヤ子という女子高生が失恋のショックから投身自殺をしてしまったことに始まる。

しかもその現場が校舎の屋上ということもあり、生徒のあいだでも話題になっていたのだ。

本作にはテキストを読み進めていくノベルパートと、横スクロールで噂の現場を探索するパートがあり、選択肢に応じてストーリーが変化していく。

毎話いろいろな噂をきっかけに霊と向き合うテルに対し、兄妹以上の好意な感情が見え隠れする妹のルナは、協力的でありつつもどこか気の抜けない駆け引きを持ちかける。

自称“怪奇探偵”であるふたりの不思議な関係性とテンポのいい会話にドンドン引き込まれていくのだ。

学生だったテルは第1話での出来ごとをきっかけにホストクラブ“D.R.E.A.M.S”で働くことになる。

そこで出会うオーナーや先輩、上客といった新たな登場人物を中心にストーリーが展開。

双子の姉が霊になって現れると相談を持ちかける客や、陰部をハサミで切られて殺されてしまう事件、呪いのお面などさまざまな恐怖と向き合っていく。

母が兄妹に残した能力が見せる世界とは何なのか。“知りすぎてしまった者たち”を救うため、奮闘するふたりの活躍に注目していこう!!

不意打ちのように展開するコメディ要素

多くの話題を集めた日常侵食ホラー『つぐのひ』の開発者であり、記事中でも怪奇探偵ホラーであることを強調してきた本作だが、じつは目の離せないもうひとつの魅力が随所に仕込まれている。

それが、シュールで淡々と進んでいくコメディ要素だ。

夢の世界に入っていく兄との連絡手段にルナは糸電話を用意するのだが、テルはそれがどうしても恥ずかしく人前で使うのをためらう。

そんな様子を目の当たりにして「え、嘘でしょ、なにそれ?」と言いたげに絡む女子高生とのシーンは必見だ。

当然、ホストクラブのメンバーはノリも抜群で、プレイしているのがホラーゲームであることを忘れて笑ってしまったぞ。

なお、本作をスマホでプレイする場合、入口である『ゲーマガ』が縦持ちのため、そのままの状態でゲームを始めてしまう人もいるだろう。

しかし、それではゲーム画面がとても小さく迫力もいまいち。そこで覚えておいてほしいのが、横持ちにすれば記事のようにフル画面でプレイできるということだ。

待望の第8話では不気味な怪奇現象が夢魅家を侵食、影でうごめく陰謀とともにテルも知らなかった過去や“シキヨク”の秘密が明かされていく。

『つぐのひ』シリーズのファンはもちろん、最近スマホ系のホラーゲーム不足を嘆いていた人も満足できるクオリティなので、ぜひプレイしてもらいたい!!

P.N.深津庵
※深津庵のTwitterはこちら

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