レビュー
投稿日2018.02.19
漢字が魅せる深みのある色彩美
紅海老茶や樺、鳩羽や柑子などの言葉からみなさんはどんな色を想像するだろう。
日本にはさまざまな色を漢字で表す文化があるが、読み仮名はもちろん、最近では理解している人は少数だと思われる。
本記事で紹介する『Irohapon』は、そうした伝統的な日本の色名とそれを表す漢字を3択で学べるクイズ形式のアプリだ。
●毎日少しずつチャレンジできる美しき色の世界
●読み仮名を学びその意味を知りたくなる仕掛け
毎日少しずつチャレンジできる美しき色の世界
本作の基本は提示される漢字と3色の見本を参考に、正しいものをタップで選択するシンプルなもの。
間違ってもペナルティはなく、7問前後のお題を終えると“明日も挑戦しましょう”の言葉とともに1プレイが終了する手軽さがとてもいい。
そして、冒頭でも触れた通り本作最大の魅力は漢字で表している色名と、その読み仮名を学べる点だ。
たとえば紅海老茶は“BENIEBICHA べにえびちゃ”、樺は“KABA かば”といった感じで仮名はもちろんローマ字表記も添えてあるので、海外の方にも名称と色を紐付けて伝えることもできる。
色を連想させる漢字が含まれている簡単なものから「それは地名では?」とツッコミたくなるものまで色名のバリエーションは豊富。
ときには提示される3色が似たようなものばかりでどれも正解に見えてくるものなど、気の抜けない駆け引きが楽しめるのも魅力だ。
ふだん見慣れている鮮やかな色にどんな名前があるのか、本作を通じて古から日本に伝わる漢字と色の奥深い世界をじっくり浸ってもらいたい!!
読み仮名を学びその意味を知りたくなる仕掛け
“蘇芳”や“代赭”などお題の中には読み仮名があっても色を連想しにくい不思議なものも多く存在する。
しかし、本作は回答後に出題された3色すべての色名が開示されるので、“蘇芳”が黒みを帯びた赤色、“代赭”は褐色のある赤色だと見分ける能力が自然と身に付いてくいくのだ。
こうした学びをくり返すことで「どうしてこんな色名がついたんだろう?」と、その由来に興味が湧いてくるのだが、本作にはそれを解説する機能が存在しない。
正直、簡単な1文でかまわないから添えてほしいところだが、そこはフリーアプリなので贅沢ってもの。
気づけばネットで色名を検索して諸説ある由来やどんな色を混ぜ合わせれば完成するのかといった情報を収集している自分がそこにいたのだ。
これはあくまでも余談であり個人の判断だが、そんな探究心が刺激されたのは紛れもなく本作のおかげである。
本記事を読んで少しでも興味がわいた人はぜひ、本作をプレイするのはもちろん、筆者のようにその由来についても調べてみてもらいたい!!
P.N.深津庵
※深津庵のTwitterはこちら
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角満&中目黒のこれ、知ってる?
毎日更新午前7時に更新中
編集長!これ、どうでしょう!?