Forgotten Hill Mementoesの概要

架空の丘で起こる奇妙なマルチストーリー

忘れ去られた丘“フォーガットンヒル”にはいくつかの屋敷があり、それぞれに人々の記憶が刻まれている。

微笑ましい家族の団らんや恋人と将来を語り合った思い出など、明るいものならよかったのだが、そこにあったのはどれも目を疑う凄惨な記憶だった。

本記事で紹介する『Forgotten Hill Mementoes』は、これまで『Forgotten Hill：Surgery』や『Forgotten Hill：Fall』といったホラーゲームを手がけてきたデベロッパー、Manuela Contiの最新作。

人々の記憶が詰まった屋敷を巡り、それぞれの事件を追体験していく謎解きゲームだ。

不気味なビジュアルが恐怖心をあおる禁断の儀式

アメリカ合衆国の中西部、その北東に位置するオハイオ州のどこかにあるフォーガットンヒルという架空の丘。

ここには立派な屋敷が数件あるのだが、そのすべてが訳あり物件という心霊スポット的な場所だった。

怪しい実験室で女を刺殺、遺体を埋めているようなショッキングなシーンから始まる屋敷。

黒魔術に必要なものを集めるよう依頼され、屋敷の中で不可解な出来事に遭遇する男。

妻を失い、娘と移り住んだ先で女の霊に魅了され、現世に蘇らせる方法があるという言葉に翻弄されていく夫など、いずれも過激な演出が各所に盛りこまれている。

忘れ去られた丘と呼ばれているのは人間が悪しき過去に背を向け蓋をした結果であり、丘はそのすべてを忘れることなく屋敷に刻みこんでいる。

プレイヤーはそうした屋敷を巡り、当事者の目線でその結末に向かって謎を解いていくというわけだ。

リアルでグロテスクな描写こそないが、独特なビジュアルで描かれる恐怖シーンは脳裏に焼き付く不気味なものばかり。

何が起こるのかまったく先の読めない展開に、最後までドキドキしっぱなしだったぞ!!

言語不要!!　目に映るヒントで紐解く謎解き

本作はローカライズされておらず、選択できる言語にも限りがあるので、英語が苦手な人には少々ハードルが高く感じるだろう。

しかし、謎解き自体はすべてビジュアルで表現されているので、キャラクターの会話がいっさい理解できなくても問題ないのだ。

筆者自身も英語は苦手で知っている単語を片言のように連ねるくらいしかできない。

それでも謎解きに困ることもなく、さらにビジュアルによる演出がとても丁寧ということもあり、会話を適当に読み流しても何が起こっているのかもある程度把握できた。

ローカライズされていないからと、手放すにはもったいない。

とてもよくできたゲームなので、とくにホラー系が大好きなプレイヤーには勇気を出してチャレンジしてもらいたい作品だぞ!!

P.N.深津庵
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