レビュー
投稿日2018.04.20

中毒性高し!
2018年4月19日、セガゲームスよりサッカークラブ経営シミュレーションゲーム『プロサッカークラブをつくろう! ロード・トゥ・ワールド』が配信開始された。本記事では、そのプレイインプレッションをお届けしよう。
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確実に積み重なっていく喜び
『サカつく』は日本でサッカークラブ経営シミュレーションというジャンルを確立し、シリーズを重ねてきた歴史のあるタイトル。その人気を支える魅力の源泉は、やはりついついプレイを進めてしまう中毒性の高さだろう。アクションゲームのように短時間集中して勝利やクリアーといったカタルシスを得るタイプでのゲームはなく、コツコツを積み重ねて時間をかけた結果、大きな成果を得ているという体験が気持ちいいタイプだ。
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もちろん本作でもこの中毒性は継承されているが、これを生み出している大きな要因のひとつはプレイのシンプルさだろう。ゲーム中でプレイヤーはクラブ経営、ゼネラルマネージャー、そして監督業と、さまざまな役割をこなしていくことになる。一見すると複雑に思えるが、実はこれらをこなすのに必要なことはゲーム内時間を進める=試合を消化していく、という要素にほとんど集約されている。
試合をして入場料で資金、加えて選手の経験値や強化アイテムを稼ぐ。ひと月に1回のスカウトリストの更新などなど。やれることは多いがやることはシンプルだ。
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このルーティーンを軸に、資金が貯まったら施設を拡充したり、スカウトリストにいい選手が出てきたら獲得を検討、強化アイテムが揃ったら選手を強化するといった感じでゲームサイクルに起伏を持たせている。そしてこれらの要素を自分のペースでできるのがいい点なのだが、着実に成果がありやればやるほどクラブが成長していくため「もうちょっとだけ進めようかな」となり、これを繰り返しているうちにあっというまに時間が過ぎているということになる。
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目指せ代表監督
さて、クラブ育成のためにプレイを進めていくわけだが、その目的はというと、リーグ戦で成績を残してディビジョンを上げていく、カップ戦に勝つ、アリーナでの対人戦に勝つ、などさまざま。そのなかでも本作でとくに注目したいのはナショナルチームの監督になるという目標だろう。クラブで実績を積んでいくと代表監督のオファーが来るのだが、これまでのシリーズ作品と大きく違う点がふたつある。
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ひとつは世界各国の代表監督になれるという点。もうひとつは代表監督としての成果が次回に引き継がれていくという点だ。これまではその場限りのスポット的なイベントだった代表監督だが、本作では代表チームを強くしていき、世界大会での優勝を目指すという目標もあるのだ。“ロード・トゥ・ワールド”のひとつの到達点として、ぜひ目指したいところだ。
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敷居は低目で懐は深い
『サカつく』はクラブ経営シミュレーションだが、その中心はやはりチーム作り。この部分についても軽く触れておこう。まず、フォーメションや戦術、作戦などがちょっとメンドクサイ、わからないなんていう人は、おまかせ編成で基本問題ない。クラブのベテラン久保竜彦選手の存在も心強く、サッカーが詳しくない人でも安心だ。また、所属するディビジョンで優勝できるチームなら、つぎのディビジョンに昇格してもいきなりボコボコにされるということはない。このあたりのバランス、導線はしっかり作られていて、誰でも楽しめる敷居の低さになっている。
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反対に、細部までこだわってチーム作りをしたいという人は、フォーメションや戦術、作戦、役割、監督の選定から獲得する選手まで、自分のやりたいようにできる。また、選手のレア度も“進化”というシステムによって誰でも最高レアまで上げられるため、とことんこだわっていける。なんでもかんでもカスタマイズできるというわけではもちろんないが、自由度は高い。ライトにもコアにも遊べる懐の深さはあるといっていいだろう。
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細かい話をしだすとキリがなくなるので、簡単ではあるがインプレッションはここまで。すでにプレイしている人は感じていると思うが、かなりハマれる1本に仕上がっているという感想だ。
プロデューサーを務める山田理一郎氏曰く「『サカつく』らしい『サカつく』を作る」ことを目指したという『サカつく RTW』だが、その狙いは見事に表現されていると感じる。また、これは予想どおりと言うか、スマホというハードと『サカつく』との相性の良さも証明されたと思う。やはりいつでもどこでも手軽にプレイできるというのは素晴らしい。
『サカつく』ファン、サッカーファン、シミュレーションゲーム好き、アクション系がちょっと苦手という人。幅広い層にオススメできる本作。『サカつく』を知らないという人にもぜひプレイしてみてもらいたい。