レビュー
投稿日2017.09.17
忌まわしき慣わしが招いた恐怖体験
ワケあって3年もニート生活を送っていた主人公。
買い出しのために原付きで真夜中の峠を走っていると、通い慣れた場所に覚えのない電話ボックスがあることに気づく。
物珍しさからそれを撮影して友だちに送信したのだが、そこには忌まわしきものが写り込んでいた……。
本記事で紹介する『ワタシノモノ』は、多数あるエンディングを辿りながら物語の真相に迫っていく、リアルな背景と恐怖を倍増させるサラウンドで描くホラーアドベンチャーゲームだ。
●忍び寄る恐怖を肌で感じられる巧みな演出
●真実の扉を開くために欠かせないセーブ機能
忍び寄る恐怖を肌で感じられる巧みな演出
とある日の真夜中、いつも通る峠の少し開けた場所に白色灯の光りが煌々と輝く電話ボックスがあった。
主人公のこういちは、その光景をスマホで撮影して友だちのけいたに送信するも、まっくろで何も映っていないと返事が帰ってくる。
それと時を同じくして、こういちのスマホには“山田あやの”と記された謎の着信履歴があることに気づく。
冒頭ではいっさい怖いシーンが登場しないが、刻々と進むストーリーにより、取り返しのつかない事態が始まっているのだという恐怖が十分伝わってくるのだ。
その翌日、こういちは自分が通った峠付近でひき逃げがあり、“山田あやの”という女性の遺体が発見されたというニュースを耳にする。
彼女の顔はバイクと思われるもので轢かれ、ぐしゃぐしゃになっていることから、警察は殺人事件として操作を進めているという。
これをきっかけに、こういちの身に数々の奇妙な現象が襲いかかってくる……。
本作の多くはテキストを読み進めていくノベルスタイルで、物語の流れを左右する重要なポイントで選択肢が登場する。
最初は真っ黒で何も映っていなかった写真に浮かびあがる“山田あやの”の顔、そして真夜中の山中に現れる少女の影。
逃げ込んだ集落でこういちは1枚の写真を見つけ、そこに記されていた忌まわしき慣わしと過去を知る。
忍び寄る恐怖に立ち向かい、正しい選択肢を辿りながら物語の真相に近づいていくテンポのいいストーリー展開と、突然聞こえてくる不気味な声には、ホラーゲームに慣れている著者でも思わず驚いてしまったぞ!!
真実の扉を開くために欠かせないセーブ機能
本作はマルチエンディングのため、失敗をくり返しながら正しい選択肢を探していく周回プレイが予想される。
そこで役に立つのが好きなタイミングで実行できるセーブ機能だ。
また、メッセージ速度を早めれば、万が一セーブを怠っていても一気に巻き返すこともできるだろう。
ショートストーリーながら恐怖を感じさせる演出が多く、何気ないシーンでも背景の片隅に何か映っているような錯覚を起こす実写を交えた仕掛けにも注目しながら楽しんでもらいたい!!
P.N.深津庵
※深津庵のTwitterはこちら
動画でも新作紹介しています
気に入ったものがあったら更新
角満&中目黒のこれ、知ってる?
毎日更新午前7時に更新中
編集長!これ、どうでしょう!?