レビュー
投稿日2022.04.19

神話好きならより楽しめる格ゲー風アクション!
アソビモより2022年4月20日配信予定の新作スマホ向けアプリ『N-INNOCENCE-(エヌ・イノセンス)』。
本作は、北欧、日本、ギリシャなどさまざまな神話をテーマにした格闘アクションRPGだ。
本記事では、先行プレイで確認できた本作の概要と所感を紹介していく。
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SF世界×神話世界での冒険
本作は複数の神話をテーマにした作品だが、主人公や主人公に関連するメインどころのキャラクターはオリジナルだ。
主人公(=プレイヤー)が見知らぬ世界で目覚めた瞬間に殺されそうになる、という急展開で物語は幕を開ける。
▲主人公を危険な存在として排除しにかかる少女・ネイと星形の機械・エル。
▲そこにニアという名の少女が現れ、主人公を助けてくれる。
本人に自覚はないものの、主人公は世界の運命に介入し改変する力を持った“変革者(アルター)”という存在であり、その能力ゆえにネイに命を狙われることになってしまう。
主人公は神々を召喚する力を手にしており、これによってトールをはじめとする3柱の神を呼び出し、その場を何とか切り抜けることに成功する。
▲順番にトール、スサノオ、ゼウス。それぞれ北欧、日本、ギリシャ神話の神だ。
ニアと、彼女をサポートするユニット・トラにより、彼女たちの拠点・カダスにかくまわれた主人公。
地球とは異なる位相に存在する異空間・スキームにいると説明された主人公は、ニアたちと協力しさまざまな世界を巡って地球に帰る手がかりを探すことになる。
▲神々が多数登場するものの、ニアなどのオリジナル要素をはじめSF色が強い。
今回プレイした範囲では、第1章で北欧(ゲルマン)神話、第2章で日本神話の世界に飛び込み、英雄や神々と協力、あるいは敵対しながら物語が展開。
第3章以降はまだ開放されていなかったが、順当にいけばゼウスなどが登場するギリシャ神話が舞台となりそうだ。
▲第1章ではジークフリートやブリュンヒルデのほか、複数のヴァルキュリア(ワルキューレ)が登場。
▲第2章の日本神話の世界では、背景も和風SFといった雰囲気に。
神話をモチーフにした作品は昔から数多く存在するが、本作で注目したいのはややマニアックな神や逸話もピックアップしているところだろう。
北欧神話からはヴァルキュリアたちがロスヴァイセ、グリムゲルデといった固有の名を持つ存在として登場し、日本神話からはアメノタヂカラオなど、メジャーと言えなくもないがややマニアックな神も登場する。
▲ムッキムキのアメノタヂカラオ。神話ではアマテラスが天岩戸(あめのいわと)に隠れてしまった際に登場。岩戸の前で神々がお祭り騒ぎをし、様子を見ようとしたアマテラスを岩戸から引っ張り出すという力業を担当した。
また、神々に装備させることのできる神装には神話のワンシーンなどを題材にしたものが多いのだが、個人的に目を引かれたのが、トールが花嫁衣裳を着る場面が描かれた“花嫁偽装は誰が為に”のイラストだ。
本作ではトールが女性になっているので違和感がないが、神話におけるトールは男神。
しかし男神のトールが花嫁姿になるエピソードは実際に存在し、このイラストはおそらくそれを模したものと思われる。
▲神話ではトールが自慢の武器・ミョルニルを盗まれた際、女装して敵地に侵入することになる。
もちろん神話の知識がなくても単純に楽しめるが、このように神話を読んだことがあると細かいところで感心させられる部分があり、また違った楽しみかたができる作品だ。
細かいエピソードなどが再現されている一方で、トールとロキがともにオーディンの子になっているなど、本作独自のアレンジが加わった部分もある。
また、第1章、第2章ともにストーリーは第26節まで用意されており、ストーリー面のボリュームもなかなかのもの。
神話をモチーフとした作品が好きな人は要注目のタイトルと言えるだろう。
バトルはさながら格闘ゲーム!
本作のバトルは、2D格闘ゲームに近い見た目(グラフィックは3D)のアクションゲームになっている。
格闘ゲームに近いと言っても操作はいたってシンプルで、ドラッグ操作で移動、タップや長押しなどで攻撃を行う。
シンプルに連打するだけでもある程度は戦えるし、オートモードも用意されているので、アクションに慣れていない人でもスムーズに遊べるだろう。
▲グラフィックは2Dアニメ風の3D。2.5Dといった雰囲気だ。
▲戦闘には3人ひと組のパーティーで挑み、メンバーを切り換えながら戦う。なお、HPや後述する必殺技に使用するゲージは全員で共有している。
▲トドメを刺した瞬間が複数のカメラアングルで映し出される。この演出は3Dならではだ。
本作の戦闘で重要なのは、敵に与えるダメージが増加する“バースト”と戦闘メンバーを切り換える“スイッチ”だ。
敵にはHPゲージのほかにバーストゲージが存在し、こちらは攻撃をヒットさせるごとに蓄積する。ゲージが最大になると敵がバースト状態に変化し、HPを削りやすくなるという仕組みだ。バースト状態中に味方をスイッチ(交代)すると、スイッチと同時に攻撃を仕掛けるスイッチコンボが発動。スイッチコンボを上手くつなげればバースト状態の持続時間も伸び、より効率よくダメージを与えることが可能だ。
▲バーストからのスイッチコンボでつぎつぎにキャラを切り換えて一気に攻め立てるのが気持ちいい。敵や操作キャラには属性があり、属性相性によりバーストダメージが増加する。
▲長押ししてから離すなど、通常の攻撃とは異なる操作で発動する“ユニーク・アーツ”も存在。こちらは操作や効果がキャラクターによって異なる。
敵にダメージを与えていくとSPゲージが増加していき、ゲージが一定以上溜まると超必殺技の“神威(しんい)”が発動可能になる。
神威による攻撃は単純に威力が高いうえに、発動中はキャラクターが無敵になるため、敵の攻撃をかわしつつカウンターを決める手段ともなる。単純にヒットさせても威力は高いが、バースト状態で決めればかなりの大ダメージが狙える。
ボス戦などではバーストからのスイッチコンボ、そして締めくくりに神威を決める流れでHPを削っていくのがよさそうだ。
▲キャラクターのアイコンを上にスワイプするとアニメーションとともに神威が発動。SPゲージは最大で神威3発ぶんまで貯めることができる。
なお、戦闘に参加するのは3キャラだが、クエスト開始時にはサポートキャラを選択し、パーティーは合計で4人となる。
4人目のメンバーのアイコンは画面右下に表示され、タップすると画面内に登場してアシストスキルを発動する。
▲アシストスキルを行うキャラはダメージを受けないので、敵の攻撃に割り込んで動きを止めるのにも有効。
▲メンバーを入れ換えればサポートキャラを使用キャラにすることも可能。自分が持っていないキャラクターも操作できるのはうれしい。
育成の基本はレベル上げ
本作の育成要素はアバター(キャラクター)と神装の2種類。
アバター育成は素材を使ったレベル上げが基本となり、レベルアップによりHPとATK(攻撃力)が上昇する。
レベル上げ素材は素材回収クエストの訓練所で集め、レベル上限を引き上げる進化のための素材はメインクエストの各章クリアー後に開放されるフリークエストで集めることになる。
▲レベルアップ素材や訓練所のクエストは属性ごとに分かれている。
また、ガチャで同キャラを入手したときなどに獲得できるメモリーを使用すればキャラのレアリティが上昇し、パラメーターや各種スキル、バースト状態の持続時間が強化される。
育成に関してはオーソドックスなので、とくに迷うようなこともないだろう。
▲MQ(ゲーム内通貨)を使えば各種スキルを個別に強化することもできる。
装備品にあたる神装はHPとATKの上昇、神装スキルにより能力をサポートするものだ。
神装はほかの神装を消費することでレベルを上げられ、同一の神装を消費することでレベルの上限と神装スキルの効果を引き上げることができる。
▲誰に何を装備させるかはHPとATKの数値だけでなく、神装スキルの内容も考えるといいだろう。神装のイラストが神話らしい重厚なタッチのものからアニメテイストのものまで幅広いのもポイントだ。
アクションは手軽に、ストーリーはガッツリ!
神話をモチーフにしたストーリーと軽快なアクションを楽しめる『N-INNOCENCE-(エヌ・イノセンス)』。
メインクエストや素材回収クエストのほかにも、キャラクターごとのストーリーややり込みコンテンツとなるであろう、残りHPを引き継いで連続で戦う“深淵”や強力なボスと戦い、獲得したポイントでランクが決定する“幻鏡”なども用意されている。
アクション操作は手軽ながら、やり込みの面でもしっかり楽しめそうだ。
▲序盤はレベルアップが続いてクエスト挑戦に必要なAPがどんどん手に入るほか、デイリーミッションの報酬でもAPは豊富に入手可能。好きなだけ遊べる。
紹介中にも述べた通り、メインクエストのストーリーもボリュームがあり、読み物としてもガッツリ堪能できる作品だ。
ビジュアルや世界設定、アクション性のいずれかが気になったらぜひプレイしてみてほしい。