レビュー
投稿日2021.03.28
刻一刻と迫る少女たちの死
入り口に並べられているのは監禁された少女たちを模した人形。
助けを求めるもの、疑心暗鬼になり怯えるもの、協力を申し出るもの、5階建ての洋館に閉じ込められた8人の少女は、さまざまな提案を主人公に持ちかける。
本記事で紹介する『クローズドサークルからの脱出』は、制限時間内に1人でも多くの少女を救い、奇妙な空間の謎を解く脱出ゲーム。
国家安全維持法の施行とそれに反発する市民の抗議活動。
7つの大罪になぞらえた奇妙な仕掛けなど、ストーリー展開からも目が離せないぞ。
ゲームの見どころ
●その一歩が命取り!? 死が迫る緊迫の謎解き
●命を捧げ変化する5つのマルチエンディング
その一歩が命取り!? 死が迫る緊迫の謎解き
着信を伝えるバイブレーション、手元のスマホには“Brotherhood”という名と“社会の敵と戦うあなたへ”と書かれたメッセージ。
日付は2019年10月24日、時を刻む針の音が鳴り響く洋館で主人公は8人の少女を模した人形を目の当たりにする。
囚われている少女たちを救い洋館から脱出するのがおもな目的だが、部屋を移動するたびに時間が経過。制限時間内に1人でも多く救うには、どうやっても周回プレイ&最短を攻める知識と経験が必要だ。
毎回フラグ立てが必要な謎解きもあれば不要なものも存在する。
その関係性を記憶して最短ルートを探していくのも本作も醍醐味だろう。
8人の中に犯人がいるかもしれない
疑心暗鬼にさせる会話に困惑していく中、スマホには1人また1人と死亡者の通知が……。
全員を救うことが必ずしも正しいことなのか、さまざまな憶測が脳裏をよぎるスリリングな謎解きを楽しめたぞ。
命を捧げ変化する5つのマルチエンディング
本作には“時間切れ”や“国家”など、その結末を象徴する5つのエンディングと、“再会”や“約束”など少女たちの生死によって分岐する8人の実績。その他、多くのコレクション要素が用意されている。
おそらく本作を見た多くのユーザーは『やばたにえん』を連想するはずだ。
しかし、こちらはグロテスクな表現は控えめ。難易度も中程度なので比較的遊びやすい内容だと感じた。
トゥルーエンドを迎えるためにはどんな条件が必要なのか。
各所に仕込まれているストーリーの断片をつなぎ合わせ、少女たちの身に何が起こっているのかも紐解いていこう。
P.N.深津庵
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