レビュー
投稿日2021.03.06

命がけのバカンスをエンジョイ
大西洋を航行するクルーズ船・ホープ号。
優雅なひとときを満喫する乗客たちは何者かのチカラに導かれてホープ号ごと異空間に迷い込んでしまう。
本記事で紹介するApple Arcadeの『Dread Nautical』は、個性が際立つ4人のキャラクターが変貌した船内を探索。奇妙な世界からの帰還を目指すローグライクホラーだ。
魔物と戦うターン制のバトルや生存者を探し仲間に引き入れていく交渉術。ちょっとクセのある本作の魅力を紹介していく。
ゲームの見どころ
●最大2名の生存者と戦うターンバトル
●ランダム生成される船内と多彩な素材
最大2名の生存者と戦うターンバトル
大西洋を航行中のホープ号が結界のようなものを接触。稲光を放ちながらその大きな船体が忽然と消失してしまう。
“バミューダトライアングル”
最初に脳裏をよぎるのはこのワードだ。
大西洋のプエルトリコ、フロリダ半島とバミューダ諸島を結ぶ三角形の海域であり、飛行機や船が消えてしまうといった噂がいまなお囁かれる伝説のスポットである。
本作で選べる主要なキャラクターは全部で4人。アーティストとベテラン刑事、元ヤクザやゲーマーとどれも個性的だ。
遠隔系にボーナスは付くベテラン刑事、斬撃系にボーナスが付くが遠隔になペナルティが発生する元ヤクザなど、個々のスキルを参考に自分の分身“サバイバー”を選択しよう。
変貌した船内で目覚めてからの1日1日を各ステージに見立て、提示されたミッションを達成していくのが主な流れ。
進みたい場所をタップで選んで、攻撃の間合いに入ったらターンバトルが始まるといったわかりやすい展開だ。
各キャラクターが持っている行動ポイントを参考に、攻撃や後退などのアクションを選択。消耗品である武器の残数を考慮しながら最善の策を練る。
制約の多い環境だからこその緊張感も魅力的なポイントだ。
ランダム生成される船内と多彩な素材
消耗品の武具はもちろん、それを修復するための各種素材を集められるのが船内探索の醍醐味。
ランダム生成される船内は複雑に入り組み、魔物たちとのバトルは避けられない。
そのためにも欠かせないのが、素材運びにも役立つ生存者の救出だ。
1人当たりのインベントリには制限があるが、生存者(同行者)を増やせばそれだけ1度のチャレンジで回収できる素材の量も増えていく。
壊れかけの武具はロビーのクラフト台で修復可能。同じ並びに“解体”するコマンドがあるので、うっかり押さないように注意しよう。
また、生存者の救出やその後のストーリーパートで度々登場する選択肢も重要。その結果によって評価が下され、うまくいけばロビーに来てくれるのだ。
ローカライズは曖昧だが“されているだけありがたい”。
もともとはPC系のゲームだったこともあるが、スマホの小さな画面だと移動先の選択やちさなテキストなど、仕方がないと思いつつも不自由に感じる点もある。
生きて元の世界に帰還できるのか。
噂のバミューダトライアングルで巻き起こる奇妙な体験をぜひ楽しんでもらいたい。
P.N.深津庵
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