レビュー
投稿日2021.02.20
異音鳴り響く薄気味悪い空間
鳴り響くサイレンと点灯する赤と青のパトライト。真っ暗闇の中、何かに怯える女性の息遣いに迫るブレーキ音は、悲鳴をかき消しフェードアウトしていく。
本記事で紹介する『A Stranger Place』は、キーパーと呼ばれる単眼の怪人に捕まらないよう奇妙な洋館を探索。
夢か現実かもわからない世界からの脱出を試みるホラーアクションだ。
ゲームの見どころ
●耳を澄ませ隠れながら謎を解く恐怖の館
●必要なアイテムの所在と用途を知る機能
耳を澄ませ隠れながら謎を解く恐怖の館
エレベーターの中で覚醒する主人公。それが悲鳴の主なのかもわからないまま、本編の幕が上がる。
その冒頭、作家で詩人のウラジーミル・ナボコフの“なぜ、死がもっとも人生で大きな驚きになり得ないのか”というような一文を引用。
生と死、主人公がどちらの世界に立たされているのか、とても興味が湧いてくる演出だ。
単眼の怪人“キーパー”に見つからないよう身を潜め、多数あるアイテムを使って逃げ道を探っていくのが本作の主目的。
所持できるアイテムはつねに1個、見つかればロッカーに隠れるしかない。
限られた環境下での謎解きは不自由だがとても緊張感がある。
また、本作には3段階の難易度とキーパーに襲われることなく謎解きに専念できる“GHOST”が用意されている。
どうしてもキーパーを回避できないという人はもちろん、“GHOST”でアイテムの所在と使い道を学び、それから本番に挑むのもいいだろう。
必要なアイテムの所在と用途を知る機能
2020年12月現在、本作はローカライズ化されておらず、何をすべきなのか把握しにくいことも多い。
そこで注目したいのが画面右上にある虫眼鏡のアイコンだ。
虫眼鏡のアイコンを選択すると出てくるのが全アイテムの一覧だ。
そこから任意のものを選択。画面下に並ぶ“どこにあるのか”、“どんな用途なのか”、“何が必要なのか”という3つの項項目を介して必要な情報を得られる。
アイテムだけでなく対象となるオブジェクトもサーチ可能。行き詰まったときはこれを使えば解決するだろう。
ただ1つ、GHOSTモードの場合、状況を問わずくり返し動画広告が再生される。
追われる心配はないがシーンを選ばず突然中断されてしまうのは残念なポイント。せっかくの雰囲気が台無し、少しタイミングを考えてほしいところだ。
P.N.深津庵
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