レビュー
投稿日2020.12.06

必ず訪れる死からの逃走劇
マンションかそれともホテルか、番号の書かれた部屋が並ぶ出口のない無限回廊。
そんな異空間をさまよう男の背後からは、血だらけのサラリーマンを連想させる不気味なノイズが……。
本記事で紹介する『Missing Mark Prelude』は、どこまでも追いかけてくる奇妙なノイズに捕まることなく、1秒でも長く逃げ続けるノンストップアクションゲーム。
そして本作にはもう1本、同名だがまったく異なるゲームの存在がある。
この無限回廊で何が起こっているのか、2つの世界を合わせて紹介していく。
ゲームの見どころ
●立ち止まることが怖くなる終わりなき追走
●想像力が膨らむ断然オススメの有料版
立ち止まることが怖くなる終わりなき追走
17と書かれた木製のドア、その奥から現れたのは血まみれの男性。
メガネにネクタイ、サラリーマンを連想させるその人物は、ノイズを発しながら主人公マークをどこまでも追いかけてくる。
『Missing Mark Prelude』の目的は詳細不明の人物からどこまでも逃げ回り、生存できた時間を競うホラー成分高めのアクションゲームだ。
進みたい方向にタップでキャラクターを導き、タンスらしき家具に身を潜めて血まみれの男をやり過ごす。
不気味な効果音は接近を知らせる1つの目安だが、距離感を把握することむずかしい。
基本的に追いかけっこなのでUターンは避けつつ探索することが重要だ。
問題は隠れられる家具を判別しにくく、必ずしも後方からとは限らない点だ。
プレイヤーが各部屋を転々とできるように血まみれの男も迂回できるらしく、思いがけない角度から襲撃されることが何度もあった。
いずれも見極めが難しく少しでも迷えば命取り。
視野も狭くて走りにくい状況下での追いかけっこは、ちょっと理不尽だけどスリリングでクセになるだろう。
想像力が膨らむ断然オススメの有料版
先述した『Missing Mark Prelude』は無料版。
本作には『Missing Mark』という有料版(iOS・120円/Android・100円)が存在する。
これは単なる完全版というわけでない。
捕まるまで逃げるしかできなかった無料版に対して、有料版ではストーリーや新たな脅威、鳴り響く音響装置を止めるといったギミック要素が備わっているのだ。
また、有料版にはゲームオーバー時の生存時間表記はない。
おそらくこれは、複数ある音響装置をすべて止めるとか、脅威そのものを排除するなど、何かしらクリアーするための仕掛けがあるのではないだろうか。
多くの異なる点から無料版は生存時間を競うチャレンジモードであり、本編は有料版という印象を筆者は受けた。
いずれにしてもクセのあるゲームなので万人にオススメはしにくいが、プレイするなら断然有料版を推したい。
P.N.深津庵
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