レビュー
投稿日2020.10.17

生きて戻る道標を探す
小さな船に乗って流れ着いたのは奇妙な生物たちが生息する廃墟。
青い衣装を身にまとうエンバーは、美しい荒野の中から抜け出すための道標を求め、多くの屍と生者たちのチカラを借りて壮大な旅に出る。
本記事で紹介する『The Last Campfire』は、悩めるものたちの声に耳を傾け、数々の謎を解き明かしていくアドベンチャーゲームであり、1800京個以上の惑星と銀河を旅する『No Mans Sky』を手掛けたHello Gamesの最新作だ。
ゲームの見どころ
●神秘的な空間に広がる多彩な謎解き
●思わず見入る愛らしいキャラクター
神秘的な空間に広がる多彩な謎解き
主人公エンバーがたどりついたのは、光と闇が入り交じる美しくもどこか不気味な廃墟。
それを包み込む荒野に点在する装置を解き、故郷に帰る道を探していくのが本作の特徴だ。
廃墟とそれを包む荒野には光を失ったたくさん同族がいる。
心ここにあらず、意識のない彼らに触れると謎解きステージに移行。それを解読し光を取り戻すことでエンバーに新たな道が開かれていく。
パズルのピースを動かす簡単なものから複雑な装置の解読まで、幻想的な世界観にマッチした数々の謎解きを楽しむことができる。
本作にヒント機能がないが多くの場合、謎解きステージには重要なヒントが隠されている。
丸い石を動かすステージでは最初からある2段重ねの石。回転する像があるステージなら1体だけ正面を向いてるなど、プレイヤーがすべきことを示しているのだ。
迷ってしまったときは1度リスタート。ステージ構成を隅々まで確認してみることをヒントはもちろん、この不思議な世界の魅力を発見することができるだろう。
思わず見入る愛らしいキャラクター
最初に出会う屍にやさしく手を差し伸べたり、光を失った同族たちとの交流など、エンバーの仕草はどれも愛らしく見入ってしまう。
言葉と行動、ふたつの表現で感情を現す演出も本作のとても魅力的なポイントだ。
一見すると表情がわかりにくいキャラクターだが、一挙手一投足から喜怒哀楽さまざまなことを感じとることができる。
光を取り戻した同族は何を語り、何を求めるのか。
個性的なキャラクターとの交流を通じてエンバーの身に起こっていることを解き明かしていこう。
P.N.深津庵
※深津庵のTwitterはこちら