レビュー
投稿日2020.06.27

人間性を問われる究極の選択
前触れもなく始まったのはゾンビが徘徊する最悪の事態。
窮地に立たされた主人公のジェームスはゾンビ化が迫る姪っ子のため、兄デリックに迫られ貴重な特効薬の入手を計画する。
本記事で紹介する『The Two Ways』は、特効薬をめぐる数々のシチュエーションを究極の2択で突き進んでいくアドベンチャーだ。
ゲームの見どころ
●何が正しいのか自問自答する終末期の生きかた
●救いのない体験版と可能性が広がる製品版
何が正しいのか自問自答する終末期の生きかた
ある日の晩、警察にゾンビ化した女性が徘徊していると通報が入る。
その現場には対象を“お母さん”と呼び発砲を拒む小さな女の子、デリックの娘アビゲイルの姿があった。
いまにも襲われそうなアビゲイルを救うには、いますぐ背後の母親を撃たなければならない。
冒頭から迫られる究極の選択に本作への興味がいっきに高まっていく。
本作は主人公のジェームス、その兄のデリックと姪のアビゲイル、3人を中心に描かれるショートストーリー。
最悪の事態が迫り混乱する兄は理性を失い、希少な特効薬を持つ近隣の住人を襲うことを計画する。
一方、当事者であるアビゲイルはとても冷静。自分のことよりも他者を思いやるやさしい子ども。ジェームスはそんなふたりのあいだに立たされ選択を迫られる。
奪い取った特効薬を投与されたアビゲイルにその経緯を隠さず伝えるのか。
その持ち主とは和解できたのかなど、さまざまな状況からストーリーは分岐していき、思いがけないさらなる事態を引き寄せる。
本作は分岐マップを使った周回プレイが可能。納得のできる結末はどこにあるのか、1時間もかからずすべてを解放できるので、興味がある人はチャレンジしてもらいたい。
救いのない体験版と可能性が広がる製品版
今回この記事で取り扱っているのは製品版。iOSは120円、Androidなら100円とお買い得な価格設定だ。
あえて製品版を取り上げいる理由はただひとつ。
体験版では選択肢を選べないだけでなく、最悪の結末で終わってしまうからである。
キャラクター名がシーンによって微妙に変化したり、不思議なセリフ回しや誤訳が多く困惑するが、それでも製品版をプレイしてよかったと実感している。
この値段ならハズしても問題ない、そう考えられる人は最初から製品版で彼らの生き様を見届けてほしい!!
P.N.深津庵
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