レビュー
投稿日2020.04.05

強欲な社長が仕掛ける恐ろしい計画
アニメ製作会社ジョーイ・ドリュー・スタジオにアニメーター兼キャラクターデザイナーとして勤めていた主人公ヘンリーは、とある事情をきっかけに辞職。
その30年後、親友であり代表を務めていたジョーイの“見せたいものがあるからスタジオに来てほしい”という手紙に導かれ古巣を訪れることになる。
本記事で紹介する『Bendy and the Ink Machine』は、インクから生まれた不気味な怪物たちが徘徊する制作会社を舞台に、ジョーイの仕掛けた“見せないもの”の正体に迫っていく3Dホラーゲーム。
2020年2月にリリースされ本サイトでも紹介したスピンオフ作品『Boris and the Dark Survival』の元となる本作。
愛らしくも恐ろしいカートゥーンの世界、その始まりを体験しよう。
ゲームの見どころ
●レトロ調で親しみやすい空間に漂う不気味な気配
●全5チャプター構成で展開する恐怖の謎解き
レトロ調で親しみやすい空間に漂う不気味な気配
親友であり代表のジョーイからの招待状を受け、30年ぶりに職場を訪れるヘンリーは、社屋の一角で謎の巨大装置“インクマシン”を発見。それを起動させるところから物語はスタートする。
セピアな色調で描かれた落ち着きのある世界と、レトロなカートゥーンキャラクターたち。居心地のいい空間が徐々に変貌していく展開は必見だ。
インクを原材料にキャラクターを具現化させるインクマシン。
それこそがジョーイの見せたかったものであり、ヘンリーはその怪物たちの驚異に対処しながら旧友を追っていく。
点在するアーカイブは物語の背景を知る手がかり。ベンディやヒロイン枠のアリス・エンジェルなど、この制作スタジオで生み出されたアニメ“ベンディ・カートゥーン”のキャラクターたちに関する情報を集めていこう。
チャプター2以降からはインクマシンによって生み出された怪物、“インクベンディ”や“サーチャー”たちも登場。武器を使って排除していくアクションはシンプルながらも抜群の緊張感があり、いっきにホラー要素が高まっていく。
最初は背景の一部としか感じなかったパイプから溢れ出るインクも恐怖の象徴に早変わり。
目に映るすべてのものが疑わしく思えてくる空間の中で、ジョーイが見せたいと願った真の目的に迫っていこう。
全5チャプター構成で展開する恐怖の謎解き
制作スタジオの名残りを感じさせる数々の資料やワークスペース。
しかし、そこで働いていたであろうものたちの姿はいっさいない。
その真相はもちろん、インクマシンが開発された経緯やそこから生み出されるものたちの恐ろしい仕組みが5つのチャプターを介して徐々に解明されていく。
また、特定の順番で楽器に触れたりアイテムを集め設置するなど、各チャプターでは数々の謎解きが登場する。
目で見て直感的にわかる記号的なもの、アーカイブに隠されたメッセージから紐解くものなど、謎解きのバリエーションも豊富。難しい仕掛けはあまりないのだが、そこら中から漂う不気味な気配が平常心を奪い混乱を招いていく。
なお、本作はもともと2017年2月からパソコンを中心に第1章から順にリリース。第5章をもって完結した多くのプレイヤーが知るホラーゲームである。
存在は知っていたがプレイできる環境がなかった人はぜひ、スマホで遊べるいまこそチャレンジしてもらいたい!!
P.N.深津庵
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