レビュー
投稿日2020.03.28

愛らしくも危険な少女の願い
見せたいものがあると誘い入れた男がイーゼルに立て掛けたのは、青い髪飾りをつけた少女を描いた1枚の絵画。
未完のままこの世を去った画家について説明するその男もまた、早々にしかも眼前で命を絶ってしまう。
本記事で紹介する『まつろぱれっと』は、1つでも誤れば命を奪われる極限状態の中で、未完成の絵画に描かれた奇妙な少女の願いを叶え、完成を目指していくホラーアドベンチャーだ。
ゲームの見どころ
●間違えたら即死!! 気難しい絵画と過ごす恐怖の7日間
●奇抜過ぎてフルコンプ欲が湧く多彩なバッドエンド
間違えたら即死!! 気難しい絵画と過ごす恐怖の7日間
呪いの絵画についてひと通りの説明したバイヤーの男はその場で絶命。キャンパスに描かれた少女に魅入られたプレイヤーは画廊に監禁され、少女の要求通りにキャンパスを彩ることを強制される。
見た目こそ愛らしい少女だが驚くほどに気難しい性格。ご機嫌を伺いながら怒らせることなく7日間を過ごさなければならない。
少女は1日に1つ、キャンパスに描いてほしいテーマを提示。
プレイヤーは画廊のどこかにある必要なモチーフを探し出し、それをスワイプでキャンパスに運んで着色していく。
最初はモチーフが1つなのでわかりやすいが、日を重ねていくごとに数が増加。着色を含め誤った選択をしてしまうと、少女は機嫌を損ねてプレイヤーの命を奪ってしまう。
そこで役立つのが先人の知恵、過去の犠牲者たちが残した記録だ。
モチーフを描く位置や着色はもちろん、ときには指定する順番を誤るだけで機嫌を損ねる。
ほどよい緊張感を保ちながら複雑になっていくテーマと組み合わせは、謎解き感覚でどんどんおもしろくなっていく。
犠牲者たちの記録を参考に彼らが見届けることができなかった明日を目指していこう。
奇抜過ぎてフルコンプ欲が湧く多彩なバッドエンド
少女の機嫌を損ねた瞬間に殺されてしまう油断のできない本作。
理不尽で残虐な設定ではあるのだが、その方法がとても奇抜で笑ってしまうパターンが多く最後まで目が離せない。
また、殺害シーンは展示室に登録されるだけでなく、未解除のエンドファイルに触れると、“どうやって迎えるか”のヒントを得ることもできる。
さらに、“前日譚”という項目には過去の犠牲者に関するエピソードが収録。
ヒント同様、動画広告を再生するとアンロックできる簡単なものなので、ぜひそちらもチェックしてもらいたい。
P.N.深津庵
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