【スマホとゲーム機どっちで遊ぶ?#66】価格と操作性に差!運と構築で戦うローグライト『Voice of Cards ドラゴンの島』

2023-05-07 13:00 投稿

カードゲームではないがカードで遊ぶ

スマートフォン・タブレットと別機種で配信されている作品を比較していく企画の第66回。

今回扱うのは、キャラクターや背景などをすべてカードで表現したRPG『Voice of Cards ドラゴンの島』(以下、『ドラゴンの島』)。

比較に使用したのはiOS版とニンテンドースイッチ版。ゲーム紹介ではiOS版の画像を使用していく。

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【価格】
iOS:1900円(税込)
Android:1900円(税込)
プレイステーション4:3520円(税込)
ニンテンドースイッチ:3520円(税込)
PC(Steam):3520円(税込)

『ドラゴンの島』とは
・『NieR』シリーズを手掛けたヨコオタロウ氏が贈るRPG
・キャラクターやマップなどをカードで表現
・システム自体はクラシカルなRPGに独自の要素を取り入れたもの

スマホ版と他機種版の違い
・スマホ版は他機種版に比べて半額近い値段
・ゲーム内容に差はないが、スマホ版はカメラ操作が移動に化けることがある
・他機種版同士で比べるとスイッチ版よりPS版のほうがロードが速い

カードと声で彩られたファンタジー

『ドラゴンの島』の島は、ゲーム内の多くをカードで表現しているのが特徴のRPGだ。

キャラクターのセリフやナレーションなどはゲームマスターを務める声優の安元洋貴さんによって読み上げられ、TRPGのような雰囲気でゲームが進行していく。

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▲キャラクターからセリフにナレーション、マップにいたるまでがカードで表現されている。

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▲ヨコオタロウ氏の作品ということもあり、ひとクセあるテキストが随所で登場する。

演出面ではカードが前面に出ている本作だが、いわゆるカードゲームというわけではない。システム的にはクラシカルなRPGと言えるだろう。

カードで表現されたマップは、未探索の部分が裏返ったカードで示され、移動していくことで隣接したカードが表向きになり地形などが判明していく。

キャラクターが歩くタイプのRPGと違うのは、一度表にしたカードであれば離れていても1回の移動でたどり着けるというところだ。

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▲移動先が山などの進入できない地形だった場合は弾かれて元の位置に戻る。

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▲ダンジョンでは視界が制限され、スクロールできる範囲が限定される。これによって必然的に移動回数が増え、エンカウントの可能性も高くなる。

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▲フィールドやダンジョン内では移動した際にランダムイベントが発生することもある。

バトルに関してはターン制のコマンドバトルだが、いわゆるMPにあたる要素はジェムという独自のかたちで表現されている。

ジェムは味方キャラクターにターンが回ってくるたびにひとつずつ追加され、最大10個まで貯めることができる。

強力なスキルほど多くのジェムを消費するので、どこで温存し誰のスキルにつぎ込むかという判断が生まれてくる。

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▲カードの右下に記されたマークの数だけジェムを消費する。ジェムが数字ではなく実際の宝石で示されるのもTRPGを思わせる演出だ。

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▲キャラクターはレベルアップに従ってスキルを習得していくので、ゲームを進めるほどジェムの使い道も増えていく。

フィールドを探索し、街で情報や装備を集め、ダンジョンを探索してボスを倒すというRPGらしいゲームが楽しめる作品となっており、カードによる表現も含めて独特の雰囲気が味わえる。

本編はカードゲームではないものの、街ではミニゲームとしてカードゲームを遊ぶこともでき、こちらも遊び出すと熱中してしまう内容になっている。

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▲ミニゲームは同じ数字、あるいは連続した3つの数字を揃えて得点を競うものとなっており、一見ポーカーに似ているようでかなり異なるゲーム性が楽しめる。なお、このモードはマルチプレイでも楽しめる。

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▲ミニゲームに勝利するとゲームのビジュアルを変更できるコンポーネントなどが獲得できる。コンポーネントはDLCになっているものもある。

また、条件を満たすと道中で出会うNPCや討伐したモンスターなどのカードが手に入り、それぞれに関するフレーバーテキストも読めるようになる。

ほかの作品に比べるとマイルドになっているが、ヨコオ氏の作品らしいテキストが楽しめる一作だ。

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▲包丁を手にした女性のテキスト。表は毎日のように料理を作っていても夫にどやされる、というかわいそうな内容だが……。

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▲裏返してみると夫が消えて大量の肉料理が並べられるという、何かを察してしまえる内容になっている。

価格設定と操作性に差アリ!

本作のスマホ版と他機種版で異なるのは、まず価格設定の部分だ。

スマホ版が1900円(税込)なのに対し、他機種版はいずれも3520円(税込)となっており、ゲーム内容には差がないので値段面ではスマホ版がお買い得と言える。

スマホ版はマップ移動の際に移動先をタップするほか、フリック操作によっても1マスずつ移動できるのだが、カメラを動かすスワイプ操作がフリックに化けてしまうことがあり、意図しない移動をしてしまうこともあった。

しかしスイッチ版も左スティックで移動しようとした際に斜めのつもりが縦、横方向に移動してしまうことがあるなど、移動操作に関してはどちらもやや気になる部分があるといったところだ。

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▲他機種版は左スティックでカメラ操作を行えるので、この方法で移動先を指定すればミスはない。が、毎回カメラを動かすのは若干手間と言えば手間。なお、スイッチ版はタッチ操作も可能だ。

他機種版同士の違いで言えば、PC版は本体のスペックによるものの、スイッチ版とPS版ではPS版のほうがややロード時間が短くなっている。

スマホ版も極端に長いということはないが、ゲーム開始時のロード中や一部の場面で処理落ちしているように見えることもあった(戦闘中などは問題なく動くので、プレイに支障をきたすようなものではない)。

値段面でスマホ版がオススメ!

『ドラゴンの島』のスマホ版と他機種版における最大の違いは価格の差。正規価格は約1600円の差と大きく、ゲーム内容に差がないことを考えるとこの違いは大きい。

カメラ操作が移動に化けてしまう問題も、スワイプ操作をゆっくり行えば防げるものであり、ほかの部分についてもタッチ操作が不便に感じるようなことはなかった。

カードを使った画面演出もあり、グラフィック面での違いもとくにはないので、腰を据えて遊びたいなどのこだわりがなければスマホ版で遊ぶのがオススメだ。

どの機種でも体験版が配信されているので、まずはそちらで操作性などを確認するのもいいだろう。

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▲武器屋などを示すテキストのサイズが小さいので画面の小ささが気になる可能性もあるが、絵柄である程度見分けられることと、テキストによる判別がそこまで重要ではないことを考えれば些細な問題だろう。

なお、『Voice of Cards』は今回取り上げた『ドラゴンの島』以外に、速水奨さんがゲームマスターを務める『Voice of Cards できそこないの巫女』、石川由依さんがゲームマスターを務める『Voice of Cards 囚われの魔物』も発売している。

いずれもシナリオやシステムが若干異なるので、それぞれを確認してゲームマスターの声やゲーム内容で気になったものを遊んでみよう。

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