『逆転オセロニア』いちこ(お泊まりスクープ)/世界のザキヤマが独断と偏見で選ぶ推し駒`s 【FILE215】
2024-07-13 19:00
2022-10-11 19:09 投稿
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逆転オセロニア
ドーモ、世界のザキヤマです。
今回は、2022年10月9日に開催された、“オセロニアンの戦 2022”の北海道地区予選の様子をお届けしていきます。
“オセロニアンの戦 2022”は、同年12月17日に行われる『逆転オセロニア』最強のプレイヤーを決める大会で、オフラインイベントとしての“戦”はじつに3年越しの開催となります。
本稿では、その初回の予選となった北海道会場の様子をお伝えします。
会場となったのは、札幌駅周辺のACU。参加者は67名、予選の対戦数は“8”となりました。
初回会場ということもあり、僕自身も大会の所感をお伝えすべく予選に出場してみました。
形式としては2019年と同様のスイスドロー方式。対戦相手のレートにより勝敗のポイントが増減する形ですね。なお、出場の〆切りを過ぎると参加できなくなってしまうので時間厳守です。
そこからマッチングシステムへの登録がありますが、スムーズに進むとすぐ開始可能な状態になるので、お手洗い・喫煙などの離席はシステムに登録したらご注意を。スタッフさんのアナウンスに都度耳を傾けておきましょう。
また、実際の対戦時に間違えやすいこともあり改めて説明はされますが、使用デッキを“シーズン専用”に変更することもお忘れなく。
出場者はオフラインイベントが今回初めてという人もいれば、先日開催の札幌キャラバンにも参加したリアイベ常連までさまざま。
参加者の一員としては、開催を3年待っていたこともあり素直に楽しかったですね。序盤こそピリっとした“戦”特有の空気感でしたが、やはり久々のリアイベということも大きかったのか、対戦数が進むと会場が暖まり和気あいあいとした雰囲気に。
こちらは「ひさびさにハールート&マールート使ってみるか」という何となくをキッカケに、「いろいろな状況に対応できそう」と日和ったわけですが、火力不足に陥る状況も頻発。
また、周年ザフキエルは手癖で入れていましたが、コンボに神2枚条件があることをすっかり失念。つなげる際に魔駒の多さから不発し「はーん……、君コンボ出ないんか! なるほどねえ!」とか声に出して取り繕ってしまい、わりと恥ずかしかったです。
結果としては4勝4敗で壇上には届かず(うち1勝は、参加者奇数による不戦勝なので実質3勝)。対戦いただいた方々ありがとうございました!
ちなみに、少なくとも僕がマッチングした方々は全員デッキリーダーが違っており、想像以上にさまざまな戦いかたができる環境のようです。もちろんデッキ間の有利不利はありますが、ルール的にかなり平らになっているのかな、という体感でした。
見事予選を勝ち抜き、地区大会決勝トーナメントに駒を進めたのは、以下の4名。
1位 ツッキー選手
2位 坊選手
3位 hide選手
4位 夜叉@天帝選手
ツッキー選手 VS hide選手
先攻:ツッキー選手
後攻:hide選手
ツッキー選手はぬらりひょんトップの魔デッキ、hide選手はヴィーナストップの代償デッキ。ツッキー選手は初手から特殊罠や防御など、代償デッキを相手に優位を取りやすい駒が揃っている状態です。
ツッキー選手は4ターン目にマイティのコンボを周年ヴァイセでつなぎ、hide選手は盤面を取る動き。6手目、ツッキー選手は特殊罠のリリティエを打ち特殊ダメージを牽制。これに対してhide選手は、返された際に被ダメージを軽減できる闘化ザフキエルを選択します。
しかしHP差が開いていることもあり、最終的にはhide選手の使ったリエットでリリティエが発動。特殊ダメージを返したことでツッキー選手が初戦を勝利しました。
先攻:hide選手
後攻:ツッキー選手
hide選手はアレストップのリペアデッキ、ツッキー選手は加速毒のシエンティアトップの神デッキ。
多種多様な罠を駆使するhide選手に対し、ツッキー選手はアレスのリペアを封じるべく6ターン目にルキアを使用。HPは拮抗状態ながら、ツッキー選手が長期戦前提で高火力キャラが少ない編成ということもあり、罠が効果的に刺さりにくい状況が続きます。
hide選手がアレスを使用したのは9ターン目。ツッキー選手は回復しつつ、イザベラでhide選手のマディス・マディンを回収する落ち着いた立ち回りを披露。最後はヴァイセでイザベラのコンボを発動したことが決め手となり、ツッキー選手が決勝に駒を進めました。
坊選手 VS 夜叉@天帝選手
先攻:坊選手
後攻:夜叉@天帝選手
坊選手はルシファートップ、夜叉@天帝選手はぬらりひょんと、お互い長期戦を視野に入れた魔デッキ。坊選手はコンボ封じのグノーが控えていることもあってか、ルシファーを早々にC打ちしていきます。
夜叉@天帝選手はコンボが強力なリッチでのX打ちを選択。対する坊選手は囲まずにリィニーで回避していきます。坊選手の手には展開を有利に運べる手駒ロックが2枚控えていたものの、火力的にはややきびしいと思われる布陣。ここで坊選手は特殊罠のサヤカを使用しますが、夜叉@天帝選手は構わず周年ヴァイセのコンボをつなげていきます。
しかし罠ダメージを加味してもHP差が開いており、最後は夜叉@天帝選手がイグナーツでフィニッシュし、初戦を制しました。
先攻:夜叉@天帝選手
後攻:坊選手
夜叉@天帝選手は闘化マルドゥークをリーダーとした神デッキ。坊選手は正月蘭陵王トップの神殴りデッキ。
マルドゥークをはじめとしたダメージフィールドは、9月に新登場したもののテクニカルさゆえか広く使われているとは言えず、夜叉@天帝選手のデッキメイクに会場からは歓声が上がりました。
夜叉@天帝選手はコンボを受けることを前提に、ダメージフィールドを活かした立ち回りを選択。対する坊選手は、金色フギン&ムニンとフェリタ&プティが早々に控えている状況です。
夜叉@天帝選手は防御の闘化アンナプールナ、リポーズの水光姫で神殴りを警戒。坊選手はアイドル・エンデガでコンボラインを確定していきますが、夜叉@天帝選手は闘化ウンディーネのフォースも合わせ、4枚返しでの大ダメージも封じていく鉄壁の構え。
こうしてダメージフィールドと防御を的確に活かし、夜叉@天帝選手が2連先取で勝利し、決勝に進みました。
夜叉@天帝選手 VS ツッキー選手
先攻:夜叉@天帝選手
後攻:ツッキー選手
夜叉@天帝選手はぬらりひょんの魔デッキ、ツッキー選手はコンバートデッキ。
ツッキー選手は初手からS駒が2枚揃っているものの、いずれも序盤Xからのコンボを活かせない組み合わせ。強すぎる引きが徒となった形でした。これに対して夜叉@天帝選手はサヤカをC打ち。
さらにツッキー選手はHP50%以下で使えるラリエルをドロー。やむなくプロキオンを打ちますが、これでサヤカが発動し9000越えのダメージを返されてしまうことに。
ツッキー選手は攻めの手を緩めずHP的には拮抗していきますが、導線を作れる盤面でなく、夜叉@天帝選手がウィブサニアの火力も活かし勝利しました。
先攻:夜叉@天帝選手
後攻:ツッキー選手
夜叉@天帝選手は闘化マルドゥークのダメージフィールドデッキ。ツッキー選手はぬらりひょんトップの魔デッキ。
ツッキー選手は、夜叉@天帝選手のなり打ちに対し、サヤカを下に当てていくことを選択。続けてファビオのコンボも活かし、HPをリードしていきます。
ここで夜叉@天帝選手の手駒に、サブ編成にはリスクも伴うチャージ特殊の宇髄天元が到来し、会場は騒然。しかしツッキー選手は温存していた防御のシェムケリーで被ダメージを警戒していきますが、夜叉@天帝選手は宇髄天元のコンボも活かすべく、フルチャージではなかったものの辺に設置。
続けてツッキー選手は、エンデガでハルをつなげ、夜叉@天帝選手のHPは800以下に。この時点でHP差が10000近く開いており、夜叉@天帝選手はほかの駒を見せないためか代償での負けを選択。勝負は3戦目に持ち込まれました。
先攻:ツッキー選手
後攻:夜叉@天帝選手
ツッキー選手は正月蘭陵王の神殴り、夜叉@天帝選手は花鳥風月の竜デッキ。
ツッキー選手は手駒のフェリタ&プティによるバフも手伝い好調な攻めを展開。対する夜叉@天帝選手は新春ティルートをXに打ちつつ、花鳥風月の回復も活かして立ち回っていきます。
終盤、ツッキー選手はアラジンとバフコンボで大ダメージを与えるも、夜叉@天帝選手のHPを僅かに残してしまうことに。どう転ぶかわからない展開でしたが、夜叉@天帝選手も3枚返しでもツッキー選手のHPを削り切れない状況に。
こうしてつぎのターンにツッキー選手がフィニッシュし、北海道会場を制することになりました。
またイベントの最後には、先日40歳を迎えたプロデューサーのけいじぇいさんへ、参加者有志からのバースデープレゼントも。サプライズに対しけいじぇいさんは、北海道にちなんで「寒いけどあったけえ……」とコメント。オフラインイベントならではのほっこりする光景でした。
北海道予選を制した、ツッキー選手(文中:ツッキー)にお話をうかがいました。
【ツッキー選手:プロフィール】
予選戦績:8戦7勝
ランク:360
クラス:プラチナマスター
公式戦歴:25958勝
プレイ歴:1786日
※取材当時
――北海道トーナメント、優勝おめでとうございます! 今日の手応えはいかがでしたか?
ツッキー シーズンマッチやカップ戦をバリバリやっているわけじゃなかったので、その点で不安はありました。でも、「自分が勝てると思わなきゃ勝てない」ので、そこは切り替えて「自分は強い!」という意気込みでいきました。
──ツッキーさんは全国出場のもはや常連という印象ですが、ふだんシーズンマッチはそこまでやられていないと。
ツッキー プラチナマスターです(笑)。対人はほとんどフレンドマッチですね。元々、仲がいい人たちと対戦するのが好きということもあります。“戦”の練習も“戦コロシアム”などは使わず、もっぱらフリーバトルでしたね。
──そのうえで公式戦歴が25958勝というのは相当と思いますが、フレンドマッチはどれくらいプレイされたのでしょうか?
ツッキー そちらだけでも10000戦くらいはしているかと。
──筋金入りだ……! それでは予選のお話なのですが、8戦7勝のうち、1敗を喫したのはどういったお相手とデッキだったのでしょうか。
ツッキー 壇上にも行かれたhide選手のアレスデッキですね。僕は暗黒だったので相性はよかったのですが、お相手も上手だったうえ、逆鱗駒や貫通を引けず。
──と言ってもそれ以外は全勝されているのは流石のひと言です。予選ではほかにどんなデッキを使っていましたか?
ツッキー 暗黒以外ですと、ぬらりひょん、耐久を軸にしていました。1個にデッキを絞ってしまうと、もし自分と戦った人から何を使うかバレてしまう可能性もあるので。
──徹底していますね……! それでは決勝でのお話なのですが、夜叉@天帝選手の闘化マルドゥークのダメージフィールドデッキが、かなり個性的だったなと感じまして。対面した率直な感想をお聞かせいただきたく。
ツッキー マルドゥークは相性がいいデッキがとくに多いタイプではないと思いますが、逆に相性を取られるデッキも少ないと思います。ジャンケンで言えば、チョキの要素もパーの要素も少しずつ交えているような。そういう意味だと、選択としてアリかなと思います。
──夜叉@天帝選手は駒チョイスもかなり個性的でしたね。とくにチャージのほうの宇髄天元をドローした時は会場が大盛り上がりで。あれは読めましたか?
ツッキー 「何入ってんだろう?」とずっと思ってました(笑)。ただとりあえず、「特殊カットは残しておこう」と決めていたので、ピンポイントでぶつけられたのはよかったですね。
──ツッキーさんは、決勝1戦目ではコンバートを選択しましたよね。ただ、初手から引きが上振れすぎて逆にきびしそうという印象でした。夜叉@天帝選手の罠に対してまだ発動できないラリエルを残し、罠ダメージ覚悟でプロキオンを使われましたが、どういった判断だったのでしょうか?
ツッキー あの時の手駒だけでなく、2~3手先を考えた結果ですね。まず、発動しないラリエルを使うと1ターン遅れることになります。そして、その後に特殊駒を使っても結局はダメージが返ってきてしまうでしょう。お相手が使っていたぬらりひょんデッキは、後半は防御を置きつつダメージアップした毒で攻撃するイメージなのですが、展開を早めてしまえば相手が防御駒を引ける確率が減りますし、毒ダメージも上がり切りません。
──とはいえ、プロキオンで与えた以上の特殊ダメージが返ってくるのはかなり痛手な気がします。
ツッキー それでラリエルを残したんですよ。特殊ダメージが返ってきてこちらのHPが半分を切れば、ラリエルでまた畳み掛けられますから。
──たしかに罠では大ダメージを受けることになりましたが、結果的にHP差はかなり詰まっていました。聞けばものすごく理に叶った選択でしたが、頭でわかってもなかなかできなそうですね……!
ツッキー 僕としてはこのゲーム「いかに手札を腐らせないか」がいちばん大事だと思っています。
──なるほどなあ……。ちなみに今年のルールや禁止駒などを受け、デッキメイクで意識したポイントがあれば教えてください。
ツッキー 今回はいろいろなデッキタイプがいると思ったので、とにかく安定して勝てることを心がけました。僕は特殊罠を2枚入れることが好きなのですが、これでどんなデッキ相手にも立ち回れると思っています。
──(暗黒相手には特殊罠ムダになるのでは?)予選はおもに3デッキで回していたと仰っていましたね。
ツッキー 予選で負けていいのって1~2回くらいじゃないですか。なんなら1回も負けないくらいの気持ちでやらなきゃと思いますが、それでも8回戦ったら、自分のほうが引きが圧倒的に負けている試合というのも、1~2回は絶対あると思うんですよ。
──こちらが下振れて相手が上振れたら、どうしようもない部分は出てきますよね。
ツッキー そういった試合をどうやって勝つのか? そのカギを握るのが罠だと思っていて。もし相手の引きがどれだけ強くても、返すことができますからね。
──たとえば、それこそ暗黒竜などには特殊罠は効果がありませんが、対面するかもしれないという確率は、どれくらいの読みだったのでしょうか?
ツッキー 暗黒竜を相手にした場合は当然腐ります。まあ、特殊罠を入れているデッキに関しては毒のぬらりひょんで、どっちにしても不利だったので気にしてなかったですね。
──そうなってしまったら割り切ると。
ツッキー いえ、そうではなく。
──どういうことでしょう?
ツッキー メインデッキを3つ用意していたというのは先ほど言った通りです。そして、「暗黒竜を使ってきそうな相手だったら」違うデッキをぶつける、という形だったんです。
──「暗黒竜を使ってきそう」な相手……。顔見知りだけにマッチングするわけではないので、いわゆる「知人の性格から読む」とはまた違ったベクトルと思いますが、どういった点から判断されるのでしょうか?
ツッキー 相手の勝数、雰囲気、顔付きなど材料はいろいろあるのですが、詳細は企業秘密でお願いします(笑)。ただ読みの確度としてはかなり高いと自負しています。
──「相手が暗黒を使ってくるかどうか」をわかるなら、それを軸にデッキを選べますものね。特殊罠2枚への信頼度がようやく実感できました……! それでは、東京の決勝戦に向けて意気込みをよろしくお願いいたします!
ツッキー 全国には多くの大会で出場できていますが、まだ優勝は手にしていません。悔いの残る大会にしかならないので、やっぱり優勝を目指したいですね。
あとは今日の予選、「北海道の代表になりたい!」という思いで出場された方がかなり多い印象でした。これで自分がトップを取れれば「まあ、優勝者に負けたからしょうがない」と感じてもらえるように、そういった人たちのぶんも勝ちたいな、と思っています。
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