『逆転オセロニア』最強AI/世界のザキヤマが独断と偏見で選ぶ推し駒`s 【FILE138】

2022-08-27 19:00 投稿

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逆転オセロニア

CEDEC 2022でついにヴェールを脱いだ“本当に強い対戦AI”

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ドーモ、世界のザキヤマです。

今回はちょっと番外編でゲーム内未実装の要素についてなのですが、先日こんなイベントがありまして。

“CEDEC”は、毎年開催している開発者向けカンファレンス。座組としてはTGS(東京ゲームショウ)のように一般ユーザーも対象に入れた発表会というより、専門的な部分にも踏み込むセッション群となっています。

『オセロニア』では近年、プロデューサーのけいじぇいさんが登壇されていましたが、今年は趣向を変えて対戦AIについてのセッションを実施。

そして実際にその強さを可視化する対戦相手として、僕にお声がかかった次第です。まずは、こんな楽しそうな(実際すごく楽しかった)機会を与えていただきありがとうございました! この場を借りてDeNA様に御礼申しあげます。

リポート記事はわりと堅めな内容だったので、こちらのブログでは僕個人が“最強AI”と対戦して感じたことなどを、補足的に紹介していこうと思います。

最強……ねえ……

「オセロニアAIチーム開発の対戦AI vs 世界のザキヤマさんを動画収録し、ご感想をいただきたい」。

当初お話をいただいた時は、正直なんのことだかちょっと理解が追いつきませんでした。ほとんど表に出ない僕にご依頼いただいたことは素直にありがたいのですが、『オセロニア』でAIと言えば、みなさん何を思い浮かべるでしょうか。

まあアレですよね。プレイヤーならだれでも一度は戦ったことがあるであろう、通信切れの代打ちや、コロシアムなどで2連続で負けるとマッチングする、何かとこちらに配慮してくれる謎のプレイヤーさん(たち)です。

※AIは“オススメ編成”と“オセロニアン道場”では採用されています

もちろんこうした企画をいただく以上、一定のお約束があることは理解しているつもりです。「最終的にはこっちが負け越してAI強い!」となることは流石に想像が付きます。

ただ、それでもやっぱり長いこと『オセロニア』をやっていると、どうしても半信半疑になっちゃうんですよね。「いやー、AIかー。謎のプレイヤーさん(たち)の延長では?」と。

だって考えてもみてくださいよ。わりと頻繁にアップデートされる駒と環境、人によって異なる打ち筋、手駒周り、そしてHP管理。たしかに開発のプロが本気で手掛けたAIは相当なものなのでしょうが、デッキや相手に合わせた臨機応変な戦いかたは人間独自のものでは?

なので、「確実に強くはあるんだろうけど、そこそこ善戦できるでしょ。3対2、悪くても2対3はイケそう」というのが事前の素直な感想でした。

笑っちゃうほど強いんですが!

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コテンパンにやられました。「なんとかなるでしょ」とイキっていた時点である意味出落ちだったのですが、それにしても想像以上。本当に強かったです。僕は間違ってもトップレベルの実力ではありませんが、「代打ちの延長線上」という甘い考えはすぐに打ち壊されましたね。なお、こちらの唯一の勝ち星は、引きが上振れたS駒連打でした。

実際に対戦しないと体感しにくいと思うのですが、忖度抜き、冗談抜きで強いです。

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▲レギュレーションはこんな形でした。

特筆すべき強さとしては、とにかく打つ手に迷いがないんですよね、AIさん。

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たとえばこの状況、C2のトゥールラのコンボを連続でキメられて負けたわけですが、そもそもこのマスを選択するのって、わりと昔の定石という体感なんですよね。

もちろん、結果を見ればコンボを有効に活かし切ったAIさんが正解でしたし、ちゃんとダメージ計算ができる人であれば防ぐ手もあったでしょう。こちらの認識も甘かったですし、後から見返せば「いや、コンボ警戒しろよ!」としかなりません。

ただ、まず先入観として「ここにトゥールラ打つか!?」という驚きのほうが大きかったんですよ。有り体に言えば動揺したわけです。

セッションからの引用ですが、このAIは上位プレイヤーの対戦ログも参照しつつ、“自分VS自分”をとんでもない数でこなし、学習をくり返しているとのこと。こう書くと“棋譜を熱心に研究している人間”に近い部分もあるのでしょうが、途方もない戦数を想像するだに、果てしなく遠いと言わざるを得ません。

ちなみにマッチングによってはよく見る進行になることもあったのですが、その際の駒選びも的確でした。本当にイヤなところにイヤな駒を置くんですよね(笑)。こちらが仕掛けたいタイミングで的確に罠や防御を使ってきた時点で、AIと戦っているのか上手な人と戦っているのか、本当にわけがわからなくなりました。

あと個人的な意識面ですが、盤面や駒選択に対する考えかたがちょっと変わりました。AIはあくまで徹底してダメージ効率がよい方向に舵を切っているハズなので、一見するとトレンドに沿わない手を打つこともありますが、じゃあ自分がトレンドと思っているものはなんなのか。

『オセロニア』におけるトレンドとは、あくまで自分の経験則と、多くのプレイヤーの共通見解(と、それこそ僕が主観で捉えている)ものに過ぎず、ある意味でこれに縛られている側面は多分にあるのではないかと。

これに伴い、普段の対戦でも「ここでこの駒を使うのは怖い/もったいない」なんて思う状況はないでしょうか。これ、感情に起因する部分もあるんですよね。

自分の手駒と彼我ダメージを正確に把握できればこのあたりは軽減されるのでしょうが、感情による“ゆらぎ”を完全に排除することは、僕だったらかなり難しそうです。

ただ思い返せば過去の公式大会などで優勝を手にしたチームやプレイヤーの方々は、往々にしてこのあたりのタガがいい意味で外れていたような気もしています。

もちろん大会は人間同士なので読み合いから生じる感情の動きもあったと思いますが、あくまで勝利に至る道筋を徹底し、これをジャマする要素は極力そぎ落としていた、とでも言いますか……。

今回のAIさんは、“トップレベルの強さ”というふれこみでしたが、これはトッププレイヤーの特徴でもある、「セオリーに引きずられない柔軟な盤面運び」と、「その場の感情に流されない的確な駒チョイス」をも合わせ持っていたと、人間サイドからするとそう思うわけです。

なお、『オセロニア』はみなさんご存じの通り、初手はどこから開始しても盤面に変化はありません。人によって好みはあると思いますが、あくまでそれだけですよね。

そして、人間は初手をD5(右下)から始めることが、全員ではないにせよかなりの数を占めるそうです。なんとなくわかりやすいですからね、僕もそのタイプです。ただ、AIは学習を重ねるにつれて人間と異なる手を「使いたがる」傾向にあり、初手をD5以外から始めるようになった、とのこと。

「どこから開始しても同じなのに、好みらしきものを出してくる」。なんともおもしろいですし、ちょっとワクワクしてきませんか? こういった現象が実際に観測されていると、「おかしい……! こいつに感情はないハズなのに……!」という、じつにSFチックな不思議な気分にも陥ります。

ゲーム内実装で、遊びの幅がさらに広がりそう!

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ちなみに今回登場したAIですが、まだまだ強さは発展途上とのこと。「これ以上強くなったらどうなるんだ……」と、怖くもあり楽しみでもあります。

なお、このAIはあくまで研究の一環と成果であり、『オセロニア』内にこれと似たものが実装されるかは明言されていません。

なのであくまでひとりのプレイヤーとしての感想ではありますが、この強さのAIがゲーム内に登場したら「絶対におもしろいことになる!」と確信しています。

真っ先に思いつくのは、いまの人間では辿り着かないような新しい戦法を、AIから逆に教えてもらうというもの。これは実際に自分が味わったことが大きいのですが、もしくり返し対戦させてもらえるのであれば、いろいろなものを吸収させてもらえそうです。安直ではありますが、たとえば愛称とキャラ絵も付与されるならば、より親しみが沸きそうな雰囲気もありますね。

あとはシーズンマッチなどですとポイントが関係しちゃうので微妙かもですが、何かのコロシアムでレアキャラ的にランダムで徘徊していて、ごく稀にマッチングするとか。話題性もあると思いますし、SNSで勝った負けたと盛り上がるのも楽しそうです。

というわけでどのような形であれ、ゲーム内実装は切にお待ちしております。何より文章だけでは伝わりにくいと思うので、みなさんにも僕と同じようにAIさんの圧倒的な実力を味わっていただきたい、というのもあります(笑)。それではまた!

▼対戦の様子はこちら(※研究開発中のものでゲーム内には実装されていません

【“世界のザキヤマが独断と偏見で選ぶ推し駒`s ”のまとめはこちら】

文/世界のザキヤマ(@zakiyamaofworld

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逆転オセロニア

対応機種iOS/Android
価格無料(アプリ内課金あり)
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ジャンルRPG/テーブルゲーム
メーカーDeNA
公式サイトhttps://www.othellonia.com/
公式Twitterhttps://twitter.com/Othellonia_info
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