『アイドルマスター シンデレラガールズ』10周年記念で特別読み切りが掲載された『WILD WIND GIRL』を改めて紹介してみる【アイマス日記第108回】

2021-11-09 21:41 投稿

バンダイナムコエンターテインメントが展開する『アイドルマスター』シリーズ関連の話題を取り上げる『アイマス日記』をお届け。
担当:東響希

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“アイドル”をテーマにしながらも、少年誌らしい友情物語と成長ストーリーが熱い作品

『アイドルマスター シンデレラガールズ』の10周年を記念し、『WILD WIND GIRL』の特別読み切りが、現在発売中の月刊少年チャンピオン12月号にて掲載されている。“プロデューサー”諸兄には今更語る必要もないかもしれないが、こちらは2016年から2017年まで連載されていた『アイドルマスター シンデレラガールズ』のスピンオフで、“向井拓海”を主人公とした作品だ。

 
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毎年の定番となっている年末特別配信『ゆくM@S くるM@S』の2015年放送にて衝撃の発表となり、2016年5月号より連載がスタートした。
主人公の“向井拓海”は暴走族の特攻隊長という設定で、少年誌のヤンキー系漫画にはピッタリの人選である。ちなみに、こちらはアニメとは直接つながっておらず、『アイドルマスター シンデレラガールズ』のアイドルたちは登場するものの、事務所の設定などについては違ったものになっている。

現役の暴走族だった“向井拓海”がひょんなことからスカウトされ、アイドルとしてデビューして活躍していく王道感のあるストーリー。様々な困難に直面しながらも、努力と根性、そして仲間やライバルたちとの友情で乗り切っていくという熱い展開で、アイドル作品でありながらも少年漫画としても楽しめる作品である。
最初は半分騙されたかのような形で始めたアイドルだったが、仲間たちとの触れ合いや熱いパフォーマンスを見て、やるからにはアイドルの頂点を目指す“向井拓海”。そして、その“向井拓海”の姿を見て、またアイドルを目指す存在が生まれてくるという新たな物語の予感が描かれていく展開もワクワクさせる。

主人公は“向井拓海”だが、相棒として活躍することになる“藤本里奈”も重要な存在だ。ちょっとおバカなキャラで、見た目と独特なギャル語を使うノリの軽そうな印象とは裏腹に、仲間思いで優しい一面や、見た目から誤解されるコンプレックスや様々な悩みと向き合って“向井拓海”との友情を深める様子が描かれる。本作でキャラクターが深く掘り下げられたことで、彼女のファンになった“プロデューサー”も多いのではないだろうか。

本作のもう一人の主人公ともいえるのが、“プロデューサー”である。金髪にサングラス、ド派手なスーツという厳つい出で立ちで煙草を吹かしているという、どう見てもカタギには見えないキャラクター。しかし、“向井拓海”を見出しプロデュースしていく中で、表向きでは喧嘩仲間のような衝突も見せるが、しっかりとフォローする様子が見れる。“向井拓海”と出会うことによって“プロデューサー”としてのやりがいを見出し、成長をしていることが彼の上司の口からも語られている。

セクハラ問題や、暴走族時代に敵対関係にあった不良たちによるライブ会場への殴り込みなど、ヤンキー漫画的な展開もストーリーを盛り上げるスパイスになっている。また、普段からギャグ要素的に“プロデューサー”を殴り飛ばしたりする様子もあったりと、『アイドルマスター』の作品の中ではバイオレンスなテイストが多いのも特徴だ。

『アイドルマスター シンデレラガールズ』という部分と切り離しても完成度が高く、不良少女がアイドルに転身して成り上がっていくスポ根漫画として十二分に楽しめる名作。まだ未読という“プロデューサー”がいたら、まずはオススメしたい作品である。

©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

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