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『逆転オセロニア』コミュニティ作りの秘訣とは?“【コロナ禍】オンラインでのコミュニティマネジメント実践例”リポート【CEDEC 2021】

2021-08-27 00:00 投稿

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逆転オセロニア

『逆転オセロニア』に学ぶマネジメント実践例

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2021年8月26日に開催された、開発者向けカンファレンス“CEDEC 2021”にて、セッション“【コロナ禍】オンラインでのコミュニティマネジメント実践例”が行われた。

本セッションでは、DeNAが配信するスマートフォンアプリ『逆転オセロニア』のプロデューサーである香城卓氏が登壇。

コロナ禍で制限がかかった時勢におけるコミュニティのマネジメントと、2022年のトレンド予想が語られた。

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【講演者】
香城卓 氏
株式会社ディー・エヌ・エー
ゲーム事業部
『逆転オセロニア』プロデューサー

1982年 石川県生まれ。中央大学卒。2011年2月に株式会社DeNA入社。
Mobageプラットフォームでのソーシャルゲーム運用・開発を経て、2014年より『逆転オセロニア』を企画・開発。“けいじぇい”の愛称で、同タイトルのプロデューサーに従事。

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冒頭では、オセロがベースの対戦アプリ『逆転オセロニア』を紹介。

現在は3000万ダウンロードを達成した本作だが、リリースから11ヵ月は下這いの状態が続いた。しかし以降は盛り返し、爆発的に成長したという経緯がある。

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これにはプロモーションも影響しているものの、その裏側では全国各地でファンミーティングを積極的に開催し、ファン同士をつなげることに始終した背景がある。

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香城氏は、コミュニティ拡大の施策として、かつては年30本以上開催していたオフラインイベント“オセロニアンの宴”を中心に取り上げた。これらのイベントはコミュニティの成熟に大きく寄与した実績がある。

しかし、現在はコロナ禍。2020年内の開催延期から、今日に至るまで一度もリアルイベントは実施されていない。これはオフラインにも重きを置いてきた本作にとって、極めて手痛いことだった。

ユーザー間のつながりによって保たれていたモチベーション低下が避けられない部分もあり、かといってイベントを開催したとしても、県を跨ぐといったようなセンシティブな要素も絡んできてしまう。

そこで本作は、リアルイベントの代替にはならなくても、『オセロニア』らしさを損なわない形でのオンライン化に挑戦していくこととなる。

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香城氏は、このための主軸を“安心と安全”にあるとし、“オセロニアン(『オセロニア』のユーザー)しかいない”、“オーディエンスにならない”、“自然とコミュニケーションが生まれる”という、3つの“安心感”をピックアップ。

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『オセロニア』は課金要素があるソーシャルの対戦ゲームだ。切り口として“安心と安全”を提供することは難しそうに思えるが、実際のところ、リアルイベントにはメインとして想定されるゲーマーの男性だけでなく、女性や小さな子どもも足を運んでいた。

その理由のひとつに、イベントを多くの人の目に付くような大型商業施設などで実施してこなかったことが挙げられる。だれもが『オセロニア』という共通体験を持つクローズドな場だからこそ、来場者は安心感を覚えやすいというのがその理由だ。

また、『オセロニア』のオフラインイベントは、大規模な音楽ライブのように何千人も訪れるものではなく、多くても400人以下のものに限られていた。そのためショー要素よりも交流の場としての意味合いが強く、双方向でのコミュニケーション作りのキッカケにもなっていた。

「これはある種の半強制的な側面もあるが」と香城氏は前置きしつつも、「だからこそシステム的な安心感につながっている」と語った。

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“オセロニアンダブルス”は2対2で戦うオンライン大会で、その年NO.1コンビを決めるというものだ。

しかしそもそもの前提として、「チームを組まないタイプのオンライン対戦ゲームには、ふたつの問題点がある」と同氏は切り出す。

まずは、ひとりで参加することによる孤独。もうひとつは、ある種の不正との戦い。たとえば1対1のボードゲームにおいて、片方には相談者がおり、片方にはいないことはもちろんフェアではない。とはいえオンライン上での実施である以上、これを検知することもできない。

香城氏は“オセロニアンダブルス”を、「タッグ出場の形式とし、相談自体を許容する」ことで、前述した問題の解決を一挙に図った。

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また、大会進行にはZoomを使用。コロナ禍において、日常で多くの人がふれてきた可能性が高いという理由での採用であり、これも安心・安全に寄与しているとした。とはいえ、運営・進行はユーザー任せではなく、実際にスタッフを動員し、人力によるビデオ通話でのケアも徹底したという。

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“オセロニアンフェスタ”は、“オセロニアンの宴”をオンラインに落とし込んだイベント。

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リアルイベントをオンラインで実施するうえで、真っ先に思いつきやすいのは、「YouTube上でファンミーティングのような内容を配信する」ことだが、香城氏はこの試作を「開催側と視聴者でとてつもない溝ができる」と断言。

“オセロニアンフェスタ”はこれとは真逆の枠組として、「演者である公式プレイヤーがユーザーのMirrativ配信を視聴し、いっしょに盛り上げる」という施策を採用。

同氏は「結果として母艦となるYouTube配信は回らない」としつつも、「コミュニティマネジメントとしては、公式サイドではなく配信者さんの数字が伸びるほうに価値がある」と語った。

 

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続けては、公式による発信媒体として“新着オセロニア!LIVE”を取り上げ、ユーザーの視聴スタイルに変化が起きてきることに言及。

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YouTubeのライブ配信には多くのコメントが寄せられることもあるが、実際のコメントするユーザーは小数で、その大半は視聴に始終している、言わばサイレントマジョリティだ。

コメントの流れによっては論争めいたものに発展することもあるが、これはただ視聴している側としては決して気分のよいものではない。

しかし近年は、YouTubeをミラーリングし、クローズドなコミュニティで視聴するトレンドもあると香城氏は紹介。仲間内だけで見ることで、よりよいコミュニケーションをしやすいということだ。

もっとも、情報を発信する運営サイドからすれば、これはYouTubeの同時接続数=数字につながらないスタイルではある。同氏はこれを認識しつつも、「それでも心地よさの提供のほうが重要」とし、「コンテンツのクオリティはもちろん無視できないが、それ以前に画面の向こう側に安心と安全を届けることに行き着いた」と本項を締めくくった。

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2022年のコミュニティトレンド5大予想!

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続けて香城氏は、“2022年のコミュニティトレンド5大予想!”と銘打ち、以下の5つの予想を紹介した。

1、コミュニティもクローズド化が加速する
2、大コンテキスト時代が到来する
3、スタープレイヤーではなくコミュニティリーダーが求められる
4、ゲームデザインからコミュニティデザインの時代へ
5、コミュニティマネジメントはナラティブの時代へ

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クローズドの流れについては前項でもふれていたが、香城氏はこれをより掘り下げる。2020年代になり急速にトラフィックを集めたのはZoomやDiscordだったが、これらはいわゆるオープンな性質ではない。

その普及の要因に「オープンなSNSなどと異なり、コミュニケーションにおける不快な要素を除去できるカスタマイズ性」があると指摘。

たとえば、TwitterのタイムラインやYouTubeのコメント欄にはさまざまな意志が氾濫しているがゆえ、見る側にとって必ずしも心地よい空間でないこともあり得る。これを回避する流れが加速すれば、コミュニティ自体がより内側に収束する可能性もあるということだ。

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コンテキストとは文脈の意。これを人に当てはめると、これまで歩んできた背景、つまり「その人の過去はどうだったのか」ということになる。

もちろんソーシャルゲーム運営に対し、その興味の矛先が向くことも十分にあり得る。「隠したものが見つかれば叩かれる。だからこそ、公正・オープンにやっていかなくてはならない」と同氏は主張する。

加えて、「2021年の東京五輪で一気に流れが変わった」と指摘。詳細には言及しなかったが、今年の五輪において関係者の過去の不祥事が明るみに出て、表舞台を去ったいくつかの事例は、その背景が問題視されたからこそ、というのは間違いないだろう。

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この場合のスタープレイヤーとは、卓越したゲームテクニックを持つプレイヤー、人気のある動画配信者を指す。香城氏は、「こうした存在はもちろん大切だが、これから先、クローズドなコミュニティの時代に向かって行くにあたり、コミュニティリーダーの資質が重要」と述べた。

同氏はこの資質を、「小さい配信の中で中心にいる人たち。視聴者にとって居心地のよい空間を提供できる、または視聴者を楽しませることが自分にとっての喜びでもあるタイプ」と定義。有り体に言えば、「飲み会の幹事のような立ち位置」だという。

また、これらのコミュニティリーダーは、公式配信などで視聴者として盛り上げ役を担ってくれることもあり、そうしたユーザーの価値がより高まっていくと予想した。

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ゲームデザインがリッチで洗練されていても、プレイ人口が奮わない、ないしユーザー発信が少ないケースが、今後はより増えていく可能性が高いという。

それを回避するためには、コミュニティの形成と、そのコミュニティがゲーム内をどうやって回遊するのかといったビジョンが必要不可欠とのこと。

「敢えて言葉を選ばずに言えば、日本がもう一度リスペクトを集めるゲーム大国になれるチャンスは、コミュニティデザインの向こうにあるのではないか。クオリティ・物量・予算で勝負する時代ではなくなるかもしれない」と香城氏は語る。

いくらリソースをかけても、ユーザー体験のよさはどこかの地点で軟化する可能性がある。だからこそ、日本特有の心遣いを活かしたようなコミュニティデザインが、つぎの時代のヒントになるのではないか、と同氏は予想した。

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ナラティブはストーリーに近い意味合いだが、ここでは現実世界における物語性のこと。ソーシャルゲームを例にすれば「どういった挑戦をしていくのか」という、世の中を舞台にしたストーリーのことであり、これにはタイトルにふれているユーザーも参加し、見届けていくことになる。

同氏は『オセロニア』において、近年もっともストーリー性が高かったものとして、5周年イベントのフィナーレを飾った映像を紹介。

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内容自体は、本作を象徴するキャラクターである“ニケ”の新たな形態が実装されるというもの。

ただし、『オセロニア』はここでストーリーを見事に紡いでいく。このPVは、コロナ禍でリアルイベントが実施できず、互いに会えなくなったユーザーたちにエールを送るという、強いメッセージ性を感じさせるものに仕上がっていたのだ。コミュニティのマネジメント、ナラティブ=ストーリー性を大切に扱ってきた、『オセロニア』ならではの事例と言えるだろう。

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「ユーザー・運営とともに物語を共有することが、今後のコミュニティマネジメントのアプローチとして重要になるのではないか」とし、本セッションは締めくくられた。

▼5周年イベント 参考動画

逆転オセロニア

対応機種iOS/Android
価格無料(アプリ内課金あり)
このゲームの詳細を見る
ジャンルRPG/テーブルゲーム
メーカーDeNA
公式サイトhttps://www.othellonia.com/
配信日配信中
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