【新作】旅立ちまでの猶予は24時間!! 死と向き合う人々の葛藤を描くビジュアルノベル『ネクロバリスタ』
2020-08-15 11:00 投稿
この記事に関連するゲーム ゲーム詳細
ネクロバリスタ
彼岸と此岸の境に存在するカフェ
もう1つの世界に旅立つ死者が訪れる“ターミナル”という名のカフェは、彼岸と此岸の中間に位置する停留所。
おいしいコーヒーを飲みながら優雅な音楽に耳を傾け、最後の24時間を過ごしていく特別な空間だ。
本記事で紹介する『ネクロバリスタ』は生と死、その意味と新たな出発に向けてもがき苦しむ人々を追うビジュアルノベル。
己の存在が消えゆく恐怖、死に対する恐れを抱く人々が最後に何を知るのか。
しずかに流れる時の中で希望を求め歩を進めていく、そんなかけがえない唯一無二の旅を始めよう。
ゲームの見どころ
●死して生きる目的を知る24時間のカフェ体験
●会話の断片を集め切り開くもうサブストーリー
死して生きる目的を知る24時間のカフェ体験
死者の魂が旅路の途中で訪れる“ターミナル”と呼ばれるカフェが本作の舞台。
そこの現オーナーであり主人公のマディは、死者のキシャンに“いまいる9人の客のうち4・5人が死者”であることを告げる。
しかしそれを詮索することは禁止、そこを訪れた魂が“次の世界”に進むまでの24時間を有意義に過ごすためのサポートをカフェは担っているのだ。
本作をプレイして強く感じたのは死が終わりではなく、次に進むための中間点“第一歩”だということだ。
死者が集まるカフェと聞けばホラー要素が脳裏をよぎるが、そうした要素もいっさいないおしゃれで居心地のいいカフェそのもの。
不安を抱き訪れる者たちの心をほぐしていくマディの厳しくもユーモアのある接客は、死に対する概念そのものを変えていくおもしろい要素だ。
また、キシャンという男性の訪問から始まる本作は、彼を中心にターミナルを訪れる何人かの登場人物を交えて進行していく。
とても賑やかで他愛もない数々の出来ごとは、本当に猶予が24時間しかないのかと疑問に感じるほどのボリューム。
肉体を失い魂すらどうなるのかわからないキシャンは、その短くも長い時間の中で1つの答えにたどり着く。
誰もが1度は考える死後の世界、肉体を離れた魂はどこにいくのか。
これは、すべての人間が共感できるほどシンプルな概念ではない。
だからこそこの世界に、そして旅立つものたちが最後に何を感じ次の1歩を踏み出すのかに興味が湧いてくるのだ。
会話の断片を集め切り開くもうサブストーリー
本作には会話の中で登場した重要なワード(黄色文字)を各パートの最後に集計。厳選したものをポイントとして集め、その組み合わせてサブストーリーを開放することができる。
たとえばイカロスには“知識”、ミキサーなら“植物”、しもべだと“キシャン”といった具合に、特定の意味が付与されているワードをポイントとして獲得。
各パートをつなぐインターバルで駅や図書室などのスポットを探索し、カギのかかったオブジェクトを解くと、それにちなんだサブストーリーが語られるのだ。
今回、本作をクリアーするまでにかかった時間は約4時間。タップすれば会話を飛ばせるが、それだと彼らのしぐさや演出まで飛ばしてしまう。
それが惜しくてゆっくりと言葉の意味を考え、手を止めながらプレイすることを選んだ。
死者とカフェ(お酒もある)、とても不思議な組み合わせだが、コーヒーが大好きな筆者は“最期にここで1杯っていうのもいいな”と素直に感じられたのはマディたちのおかげだろう。
また、若いころに感じていた死に対する想いは歳を重ねるごとに変化。向き合う機会が増えたいま、このタイミングで本作に出会えたことは筆者にとって大きな励みになっている。
なお、本作はApple ArcadeのほかPC(Steam/GOC)でもリリース。今後、プレイステーション4版とNintendo Switch版にも広がっていく。
この不思議な24時間の旅、1人でも多くの方に体験してもらいたい。
P.N.深津庵
※深津庵のTwitterはこちら
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