意外と元ネタにつながりアリ!リヴァイアサン&バハムート【しゃれこうべが語る元ネタの世界 第31回】

2020-05-20 12:00 投稿

作者が女性で驚いたと言えば『最遊記』か『ハガ錬』か!

っかァ~~、『トリック』見終わってしまったァ~!!

ってことで、相も変わらず引きこもり生活邁進中ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか!

今週も変わらず始まりますよ、“元ネタの世界”!

今回は各種ゲームでおなじみのリヴァイアサンバハムートについてお話ししていこうかと思います。

そいじゃサクっと本編、スタートォ~。

【目次】
・大海原のリヴァイアサンさん
・バハムートと言えば、ドラゴン……?
・バハムートとベヒーモスと
・次回は怪物退治のお話を!

大海原のリヴァイアサンさん

まず取り上げますは、リヴァイアサン。召喚獣だったりボス的なポジションだったりで、ゲームへの登場頻度はわりと高め、なイメージ……?

読み方によってはレヴィアタン、などとも呼ばれますが、毎度画像をお借りしている『乖離性MA』では両方登場しています(レヴィアタンのほうはレヴィアという名ですが)。

20200518_リヴァイアサン&バハムート (1)

リヴァイアサンと言えばイングランドの哲学者、かの有名なトマス・ホッブズの著作『リヴァイアサン』……、の元ネタにもなっている怪物ですね!

各種ゲームでも海龍のような姿で表されるように、リヴァイアサンは旧約聖書に登場した海の獣で、対となる陸の獣・ベヒーモスとともに、神による世界創造の5日目に創造されたクリーチャーです。

ウロコに覆われたその身体は剣も槍も受け付けず、“最高の獣”と呼ばれるベヒーモスと並び、最強クラスの怪物として君臨したとかしないとか。

20200518_リヴァイアサン&バハムート (2)

が、いわゆる最後の審判の日にはリヴァイアサンとベヒーモスは互いに争い合い、相討ち、あるいは神に討たれることでその命を終えます。

そして、最後の審判によって選ばれた人々が並ぶ食卓には、リヴァイアサンとベヒーモスの肉が並んだそうな。

正直リヴァイアサンもベヒーモスも肉が硬くて食えたもんじゃなさそうですが、某『ダンジョン飯』的に考えればめちゃ美味な可能性も……?

20200518_リヴァイアサン&バハムート (3)

と、最強クラスなわりに最期は食用になってしまう海獣・リヴァイアサンですが、最初はつがいで作られたという説もあります。

ところが、「こんな獣が繁殖したらえらいこっちゃ」と焦った神様がオスのほうを間引き、後にはメスのリヴァイアサンだけが残った、なんて言われていますね~。神様まあまあ雑。

ちなみに、リヴァイアサンはワニやクジラが元になっているとされており、リヴァイアサンという名はヘブライ語だとクジラを意味するそうですね~!

ってことで、リヴァイアサンに関してはゲームでの表現と元ネタはそこまで離れていないのですが、一方でバハムートはと言いますと……?

バハムートと言えば、ドラゴン……?

バハムート……、それは空を統べる龍の王……。

で は な い 。

『ファイナルファンタジー』シリーズや『ダンジョンズ&ドラゴンズ』やらの影響でドラゴンのイメージが強いバハムートですが、元ネタは中世イスラムに伝わる巨大な魚だったりするのです。

20200518_リヴァイアサン&バハムート (4)

ドラゴンと思いきや魚……、とガックシきてしまうところですが、魚と言ってもただの魚ではありません。もうとにかくデカい

その大きさは、世界中の海水を集めてバハムートの鼻の穴に入れても、さながら砂漠に置いたケシの実ひと粒程度にしかならない、と言われるほど!(分かりやすいんだか、分かりにくいんだか、ですが……)

そんなにデカかったらどこに存在できるのか、という感じですが、バハムートは世界を支える魚、世界魚として考えられており、人間たちが暮らす世界の外側にいたようですね~。

当時の世界観を説明します。

人々の暮らす大地の上には7つの天国があり、大地の下には6つの冥府が、冥府の下にはそれらを支える天使たちがおり、その下にはルビーの山が、そのまた下には山を支える牡牛・クジャタが、そしてまたまたその下で、バハムートが諸々を支えている。

○○を倒した△△よりも強い××を……、みたいなインフレ祭りになっていてなんのこっちゃですが、つまり図解するとこういうことですね!

20200518_リヴァイアサン&バハムート (5)

図で見てもさっっっぱり!!

ですが、つまり世界はめちゃくちゃ広かったわけです。

人間たちからするとバハムートは規格外も規格外なサイズということですね~。

それだけ大きいとなると、もはや魚であっても龍であっても大した違いはない、かも?

ちなみにですが、バハムートの下にはが広がっており、その下にはが、そしてそれよりも下は人知の及ばない領域が広がっている、とされています。

果たしてその闇エリアまでが人知の及ぶ領域なのか、というのがはげしく疑問ではありますが、サイズ感のヤバさだけはハッキリとわかるバハムート。

しかしこの世界魚・バハムートもいろいろねじれた結果生まれたものらしく……?

バハムートとベヒーモスと

バハムートが中世イスラムに伝わる世界魚、というのは前段で述べた通りですが、それのさらなる元ネタと見られているのが、リヴァイアサンのくだりでもチラっと出てきた陸の獣・ベヒーモス!

こちらは牛、あるいはカバをモチーフにした獣と言われています。最初はモチーフとなった動物と同程度か数倍程度だったのが、時代を経るにつれて誇大化が進み、超巨大ビーストになったとか何とか。

20200518_リヴァイアサン&バハムート (6)

陸の獣がどうして魚になるのか、というのは当然の疑問ですが、こちらはどうもアラビア圏に伝わった際に名前と属性の入れ替わりが生じてしまったらしいのです。

ベヒーモスの名がバハムートとなったものの、リヴァイアサンが持つ海の属性を得てしまった、ということですね!

そして、ベヒーモスとリヴァイアサンが対の存在として考えられるように、バハムートとセットになるのが、牡牛のクジャタ。

このクジャタも名前はリヴァイアサン(レヴィアタン)から、牛(陸の獣)という属性はベヒーモスからと、バハムート同様に名前と属性の入れ替わりが発生していたんですね~。

20200518_リヴァイアサン&バハムート (8)

ちなみにクジャタさん、牛と言うとまともな外見に思えるのですが、その目、耳、鼻、口、足は4000セット、あるいは40000セットあるとかで、こちらもけっこうSAN値直葬な姿だったりしますよ!

いやぁ、昔の人が考えるクリーチャーは本当にイカレ……もといイカしたビジュアルが多いですよねェ……!

次回は怪物退治のお話を!

ってことで、今回はリヴァイアサン&バハムートの超メジャーモンスターズをご紹介しました!

バハムートがドラゴンじゃないと知ったときの衝撃は本当にサプラ~イズでしたね、えぇ……。

さて、次回は怪物……、を退治した人物について語っていく、予定!

ドラゴンスレイヤーとか、ロマンですよねぇ……。

したらば、アタシャ届きたてホヤホヤのiPad proで遊びながら来週に備えさせていただきますよ! 来月のカード請求がツライ!!

文/しゃれこうべ村田(@SRSWiterM

参考文献

ボルヘス,L,J(2015)『幻獣辞典』(柳瀬尚紀訳) 河出書房新社
ローズ,キャロル(2014)『シリーズ・ファンタジー百科 世界の怪物・神獣事典[普及版]』(松村一男訳) 現書房
アラン,トニー(2009)『ヴィジュアル版 世界幻想動物百科』(上原ゆうこ訳) 現書房
草野巧(1997)『DICTIONARY OF THE MONSTER 幻想動物事典』 新紀元社

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