雷神・”トール”武器を失くした挙句に女装する羽目になるの巻【しゃれこうべが語る元ネタの世界 第20回】

2020-03-04 12:00 投稿

ライフ・イズ・ラナルータ

あの大会も中止、このイベントも中止、週末の外出予定がことごとくキャンセル&キャンセル!

これじゃあ暇を持て余す……、と思いきやゲーム三昧で生活が完全に昼夜逆転しちゃいますよね~!!

『十三機兵防衛圏』をクリアーして『P5S』をプレイ中、これが終わったら『侍道外伝 KATANAKAMI』や~!!

編集U「ダメ人間にゲームを持たせるとこれだから……」

んまぁそれはさておき!

今週も始まりましてよ! “元ネタの世界”!

今回ご紹介しまするは、北欧神話のトールとロキのお話!

北欧神話の全体的なお話は過去回で触れていますので、そちらもよろしゅう!(どっちから読んでも問題ありませんが!)

んでは、さっそく今回のお話にいきまっしょい!

【目次】
・雷神とトリックスター
・雷神さん×花嫁衣装
・ぶらっど☆うぇでぃんぐ
・次回は引き続き……?

雷神とトリックスター

トールとロキ、古くからゲームなどで登場することも多いメジャーどころもメジャーどころ!

北欧神話は何気にこのふたりが冒険するエピソードがけっこう多いんですよね~!

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20200303_トール嫁入り (8)

トールは雷雨を象徴する雷神、ロキは神話世界をしっちゃかめっちゃかするトリックスターなわけですが!

雷雨と言うときびしい自然、みたいなイメージもありますが、一方で恵みの雨的なありがたみも含んでいたようで、トールは人々の生活を守護する神としても人気だったとか!

そのトールが持つ必殺の武器と言えば、投げれば必中のチートハンマーことミョルニル!

今回のお話は、気が付いたらミョルニルがなくなっていたというとんでもない状況から幕を開けます!

編集U「武器なくしちゃうか~……」

もちろんトールがうっかりどこかに置き忘れたってな訳ではなく、神々と敵対する巨人族の手によるものですがね!

いざ、開幕!

雷神さん×花嫁衣装

ある日のこと、ロキは自分のもとを訪れたトールの声で目を覚まします。

「聞いてくれロキ、大事件だ。私のミョルニルが盗まれてしまった」

ふたりはミョルニルを探すべく、女神・フレイヤの持つ鷹の羽衣を借りに出かけます。

この羽衣は、身にまとうことで自分の姿を鷹に変じ、大空を自由に舞うことができたのです。

事情を聞いたフレイヤは、快く羽衣を貸し出してくれました。

20200303_トール嫁入り (1)

さて、トールから羽衣を手渡されたロキは鷹にその姿を変え、遠く、巨人たちの住まうヨートゥン・ヘイム、その北の海岸へと飛び立ちます。

そして高い山の上に座る巨人の王・スリュムのもとへと降り立ったロキは、「お前はトールの鎚を盗んだだろう」とストレートに問いただしました。

これに対し、スリュムは動揺することもなく、笑って答えます。

「いかにも、鎚を盗んだのは私だ。ミョルニルは地下9マイルの深さに埋めてある

フレイヤを私の嫁としてもらうまで、鎚は返してやらぬぞ」

編集U「地下9マイルってけっこう深くないか」

約14.5キロの深さですからね! 東京タワー43.5個ぶんぐらいですよ!

編集U「死ぬほどわかりづらい」

スリュムのもとから帰ってきたロキは、彼の言葉をトールに伝えました。

トールは再びロキを連れてフレイヤに会いに行くと、彼女に叫びます。

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編集U「何言ってんだこの雷神は……」

当然ながらフレイヤはブチギレ、このお願いを飲んでもらえる訳もないのでした!

トールとロキはアースガルドの神々たちを集め、ミョルニル奪還作戦の会議を開きます。

そのなかで、アースガルドの門番・ヘイムダルがひとつの提案をしました。

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編集U「何言ってんだこの門番は……」

これまた当然ながら、そんな赤っ恥なことができるか、とトールは反対したものの……!

ヘイムダルの提案に反対の意を示したトールでしたが、ミョルニルがないことが巨人たちに広く知られれば、アースガルド全土の危機である、とロキに諭され、渋々ながらに女装することを決意します。

こうして、フレイヤの花嫁衣装に身を包み、恥と屈辱に身を震わせたトールと、自身も侍女に変装し、友人の愉快な姿に肩を震わせたロキを乗せた戦車はヨートゥン・ヘイムへと向かうのでした。

ぶらっど☆うぇでぃんぐ

さて、フレイヤに扮したトールと侍女に化けたロキを乗せた戦車がやってくると、スリュムは喜び勇んで宴の準備を進めます。

「さぁお前たち、宴会の支度だ。いよいよフレイヤが私のものになるときがきたのだ」

編集U「気づけよ……!」

ま、まぁ変装のクオリティが高かったということでひとつ……!

中身が怒りに打ち震える雷神とも知らず、ドレスに身を包んだ花嫁の到来にスリュムは上機嫌です。

宴会が始まると、腹を空かせていたトールは変装しているのにもかまわず、牛を1頭、鮭を8匹、食後のデザートもすべて平らげ、おまけに蜂蜜酒を3樽も飲み干してしまいます。

異様なまでの飲み食いぶりにスリュムが驚いていると、すかさずロキがフォローに入ります。

「驚かれますな巨人の王よ。フレイヤ様はこの8日間というもの、何も口にされていなかったのです。

というのも、貴方様への想いで胸がいっぱいになってしまっていたのですから……」

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これにはスリュムも思わずにやけてしまい、すっかり気をよくします。

そのまま(フレイヤに扮した)トールに近づいていくと、ヴェールを持ち上げてキスをしようとしました。

しかし、そのヴェールの奥に覗いたものは、世にも恐ろしいほどにぎらつく眼光でした。

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思わず広間の隅まで飛びのいたスリュムに、またもロキがフォローを入れます。

「あぁ、かわいそうなフレイヤ様。あのお方はこの8日間、一睡もできなかったのです。

それほどまでに貴方様のことに参ることをだけを考えていたのです。ゆえに、燃えるような赤い目をされているのです」

と、そのとき、宴会の場にスリュムの姉が現れます。

彼女は(フレイヤに扮した)トールの指にはめられた指輪を見ると、近づいて言いました。

「アナタ、私にかわいがってもらいたいなら、その指輪をくれなきゃあダメよ」

しかし、怒れる雷神は彼女に何を与えようともしませんでした。

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スリュムは急いで婚礼の儀を行おうとしましたが、そこにロキが待ったをかけます。

「王よ、貴方様はミョルニルをお返しになる代わりにとフレイヤ様をお望みになられました。

フレイヤ様がここにいらしたのですから、ミョルニルをお持ちいただければと……」

それもしかり、とスリュムが部下に命じて地下からミョルニルを持ってこさせると、トールはこれを力強く握り、ヴェールを破り捨て、花嫁衣装を千切り捨てます。

驚く暇も与えずスリュムに飛びかかると、ミョルニルをその脳天に振り下ろし、一撃のもとに葬ってしまうのでした。

20200303_トール嫁入り (5)

編集U「唐突&懐かしいパロディはいいんだよ!!!」

いやなんか思いついたんでつい、ね……!

トールの怒りはすさまじく、指輪をねだったスリュムの姉も、宴会に集まった多くの巨人たちも、誰ひとり大広間から逃げ延びたものはありませんでした

ちゃっかり安全な場所に避難したロキは、荒れ狂う雷神の無双ぶりを楽しそうに眺めていました。

こうして、ミョルニルは再びトールの手に戻り、アースガルドは巨人たちの脅威から守られることとなったのです。

~ めでたしめでたし ~

次回は引き続き……?

ってぇことで、今回はトールさんの花嫁物語でございましたよ!

編集U「どんな変装だったんだろうな……」

指輪まで見られても変装がバレないあたり、何気に肉体まで変化していたんですかね~?

編集U「それか巨人族の女がトールなみの肉体だったとかだろうな」

あ~、確かに巨人ですし……?

さておき次回!

せっかくなんでトール&ロキの珍道中を続けてご紹介しましょうかとね!

次回は雷神釣りバカ日誌なんぞをお届けですよい!

そいじゃ、例によってゥレスリングのお話ですよ!

コロナウイルスの関係でスターダムの大会もいくつか中止になってしまった訳ですが!

3月8日には後楽園ホールにて、なんと無観客試合が開催!

観客を入れず、試合はYouTubeにて無料生配信ですよ! 解説には先日引退したばかりの獣神サンダーライガーが来るときたもんだ!!

こ~りゃプロレスを観たことがない人もぜひ試しに見てみてほしいですね!

じゃあここにリンク貼っておきますんでね!!

【スターダムのYouTubeチャンネルはKO・CHI・RA!】

編集U「自由かッ!!!」

自由こそ、我が人生……!

文/しゃれこうべ村田(@SRSWiterM

参考文献

マッケンジー,A,ドナルド(1997)『北欧のロマン ゲルマン神話』(東浦義雄・竹村恵都子訳) 大修館書店
ラーニシュ,ヴィルヘルム(2014)『図説 北欧神話の世界』(吉田孝夫訳) 八坂書房.

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