アプリ表彰イベントApp Ape Award 2018授賞式&受賞タイトルの1年を振り返る特別セッションをリポート

2019-03-26 18:45 投稿

2018年でもっとも勢いのあったタイトルは……

スマホアプリ分析プラットフォーム“App Ape Lab”が、2018年もっとも勢いのあったアプリを決める“App Ape Award 2018”の受賞式を開催した。

こちらのアワードは、同サービスを運営するフラーが保持するデータと、ユーザーからの投票をもとに受賞タイトルをアプリ部門、ゲーム部門と分けて選出したもの。ここでは、受賞式とその後行われた特別セッションの模様をお伝えしていく。

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ゲーム部門は圧倒的強さの『FGO』と強豪タイトルに迫る『猫のニャッホ』の躍進に注目

2018年にもっとも勢いがあったゲームに送られる大賞“Game of the year 2018”は、コアユーザー数、売上ともに圧倒的なボリュームを記録した『Fate/Grand Order』が受賞。

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アニプレックス宣伝担当の太田氏は「これも、いつも応援してくださっているマスターの皆様のおかげです。2019年もさまざまなプロジェクトを展開して、現マスターの皆様はもちろん、これから始めるマスターの皆様にも楽しんでもらえるようにしていきますので、応援をよろしくお願いいたします」とコメント。喜びと感謝の様子が伺えた。

大賞は逃したものの、“App Ape Award 2018 優秀賞”を受賞した『猫のニャッホ』は、後述の“Popular games of the year”とのダブルノミネートを達成。前者は“App Ape”調べによる2018年のユーザー増加率、後者はTwitterでの一般投票を理由に選出されており、多くの人に受け入れられたタイトルであることがうかがえる。

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ユーザー投票によって決まる賞“Most popular games of the year”では、『アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ』が大賞を受賞。なお、本作は同部門を2年連続で受賞しており、これはまさしく快挙といえる。

同作の代表者として名を挙げられた株式会社バンダイナムコエンターテインメントの狭間和歌子氏は、都合により式には出席出来なかったが、以下のようなコメントを寄せてくれている。

狭間氏「昨年に引き続き、たくさんのプロデューサー様が投票してくれたことを光栄に思っております。今後も、皆様の想いに応えられるサービスが提供できるよう『ミリシタ』チーム一同取り組んで参りますので、よろしくお願いいたします」

このほかにも、『Pokémon GO』、『妖怪ウォッチ ぷにぷに』、『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』、『キングスレイド』などが各賞を受賞。

こうして今回受賞したゲームタイトルを見ると、リリースからずっと愛され続けてきたタイトルが多いことがわかる。そんな中、リリース1年余りという短い期間で台頭してきた『猫のニャッホ ~ニャ・ミゼラブル~』(以下、『猫のニャッホ』)は、非常に印象的な存在だ。

『猫のニャッホ』が果たしてどこまでその勢いを伸ばしていくのか、今後も注目していきたい。

爆発的人気を得た『TikTok』を始め動画視聴アプリが多数受賞

2018年でもっとも勢いを見せたアプリに送られる大賞“App of the year 2018”、その栄冠に輝いたアプリは、最大でも15秒というショートムービーを共有するコミュニティアプリ『TikTok』。

その動画時間の長さに起因する手軽さと、CM展開、リアルイベント協賛などの巧みなマーケティング戦略が成功を収め、一躍人気アプリとしての地位を獲得した。

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『TikTok』を運営するByteDance株式会社の井藤氏は「スタッフを代表して皆様に感謝を申し上げます。これからも、いろいろな方が楽しめるプラットフォームにしていけるよう邁進してまいります」と、さらなる展開を用意していることを匂わせる受賞コメントを残してくれた。

なお、“App of the year 2018 優秀賞”には、100億円キャンペーンで話題となった『PayPay』、セブン-イレブンが提供する各種サービスと連携する『セブン-イレブン アプリ』、動画視聴アプリとしてその地位を確たるものにしつつある『Prime Video』の3タイトルが選出された。

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Twitterを利用した一般投票によって決まる“Popular apps of the year 2018”の大賞、“Most popular apps of the year 2018”には、フジテレビの人気ドラマやバラエティが視聴できる動画アプリ『FOD』が輝いた。

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受賞をうけて株式会社フジテレビの野村和生氏は「これもひとえに、ファンの皆様のおかげです。中でも、『ポルノグラファー』というBLドラマのファンの方から熱い支持をいただけたようで、うれしく思います」とコメント。

なお、大賞は逃したものの“Popular apps of the year 2018”として栄えある受賞を果たしたのは『FiNC』、『U-NEXT/ユーネクスト』、『楽天マガジン』の3タイトル。ライフサポートやコンテンツ視聴など、人々の生活の一部となるアプリが続々と登場してきている傾向が見られる。

この流れを受け、2019年にはどのようなアプリが登場するのだろうか? 楽しみだ。

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なお、各部門受賞には惜しくも至らないまでも、話題となったアプリに送られる特別ゲーム賞を獲得したのは、手軽にクイズをプレイできる『みんなで早押しクイズ』、そして同じく特別アプリ賞には、病院の診療予約ができる『アイチケット』が選ばれた。

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これを受けて、『みんなで早押しクイズ』を提供するQ.ONEの小林氏からは「受賞させていただきたいへん光栄に思います。本アプリを通じて、早押しクイズの面白さ、競技クイズの面白さを少しでも多くの人に伝えられるよう運営に励んでまいります」とコメントが届けられた。

2018年を振り返る特別セッション 受賞タイトルの成長理由が明らかに

表彰式の後には、受賞タイトルの代表者を交えて、成長の理由や今後の展望が語られる特別セッションが開催された。こちらのセッションに参加したのは『TikTok』、『Pokémon GO』、『FOD』、『猫のニャッホ』の各代表者たち。ここからは同セッションで語られた内容をまとめてお伝えしていこう。

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セッションは、それぞれが2018年の自社タイトルを振り返るところからスタート。

『Pokémon GO』で受賞を果たしたナイアンティックの廣井氏は「2018年でようやく、当初“こういった機能を入れたい”と思い描いていた機能をすべて実装できました」と、感慨深く2018年を振り返る。『Pokémon GO』は、2018年12月に実装されたトレーナーバトルを筆頭に、フレンド機能やトレードなど、リリース時にはなかったさまざまな機能が追加実装されている。

またそれだけに留まらず、今後も拡張現実を用いたコンテンツを提供していく予定であることも語られた。『Pokémon GO』の動向には、これからも目が離せなそうだ!

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フジテレビの野村氏は「2018年は非常にハードな年だった」としつつも、施策が功を奏したり、追い風になった要素もあり、成長が出来た年だったと振り返った。

受賞コメントでも出てきたBLドラマ『ポルノグラファー』もそのひとつであり、人気を受けて発売されたBlu-rayは、Amazonでランキング1位になるほどの人気作品になったという。

続けて挙がった話題は、“なぜここまで成長できたのか”というもの。これに対して『猫のニャッホ』でプロデューサーを務める竹内氏は「世界観をしっかりと組んだ点が大きく影響した」と振り返る。

本作は“ボロボロになってしまったお屋敷を、猫のニャッホが再建していくという”というストーリーが用意されており、この設定がTwitterで話題になったこともある。ゲームの世界観設定がTwitterで話題になるというのは、近年でもあまり見ない動きであり、それを成し遂げた『猫のニャッホ』がユーザー投票により受賞を果たしたというのは、納得の話と言えるだろう。

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成長要因について、『FOD』の野村氏は「日本人特有の“みんなが見ているものを見る”という傾向を意識したことが功を奏したのでは」と分析する。

曰く、コンテンツごとに用意したレコメンドよりも、どんなものが周りで流行しているかという要素のほうが影響力が強いのだそうだ。これについては思い当たる節がある人も多いことだろう。『FOD』はその傾向を意識し、トレンドとなっている作品や俳優を意識したアプローチを行うことで、大きな成長を果たしたのだという。

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ナイアンティックの廣井氏は、スタッフの増強が『Pokémon GO』の成長に繋がっていると分析。リリース当初から実装したかった機能を実装できたのは、スタッフの増強に投資を行ったからこそであり、それが人に遊ばれ続けるコンテンツの誕生に起因したと見ているようだ。

最後にトークテーマとして挙げられたのは、“2019年、今後の展望”。ここで各人が語った未来へのビジョンを記して、本稿を締めくくろう。

廣井氏が語る2019年の展望
くり返しになりますが、リリース時に想定していたコンテンツがようやく出揃いました。ですが、それで終わりではなく、まだ“思い描いてはいるけれど、実現できていないもの”というものもたくさんあります。

その第一歩として、まずはAndroidで“モンスターショット”というARを使ってポケモンといっしょに写真が撮れる機能リリースします。こちらの機能もまた、ほかの機能と同様に、拡張現実を通じて「世の中には楽しいものがこんなに溢れているんだよ!」ということを伝えていきたいという想いからスタートしているものになりますので、ぜひみなさんも外に出てプレイして、体験していただければと思います。

野村氏が語る2019年の展望
『FOD』では、プロ野球のライブ配信も始めました。オンデマンドサービスから始まったアプリではありますが、今後はこういったライブ機能も加えていき、ここでしか味わえない感動をお届けしたいと思っています。あとは、オリジナルコンテンツももっと充実させていきたいですね!

竹内氏が語る2019年の展望
まだまだ『猫のニャッホ』は規模も知名度も低い状態ですので、今年はまずそこを上げるために努力していきたいと考えております。7月から放映がスタートするアニメ版『猫のニャッホ』も、その動きの中のひとつです。こうして知名度を高めていき、最終的には保護猫活動を始めとする社会貢献にも挑戦していければと思っています。

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