『逆転オセロニア』“オセロニアンの戦2017”チャンピオン・伊丹さんが“戦2018”までの1年間を語り尽くす!

2018-10-22 14:39 投稿

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逆転オセロニア

2017年王者が『オセロニア』への想いを激白

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ドーモ、世界のザキヤマです。2018年10月6日に開催された“オセロニアンの戦2018”全国大会のファイナリストにして、2017年度のチャンピオンでもある伊丹さん(文中:伊丹)にお話をうかがいました。

TwitterやMirrativでも独自の考えを発信している同氏。自身のプレイスタイルやこだわり、現環境について思うこと、そして王者として君臨した1年間を赤裸々に語っていただきました。全オセロニアン、必見ですよ!

⇒2018年チャンピオン、でーす選手のインタビューはこちら!

伊丹さんプロフィール

ランク:287
クラス:ダイヤモンド1
公式戦歴:11262勝
プレイ歴:890日
※取材当時

関東2位・関西2位戦を振り返る

──まずは“オセロニアンの戦2018”お疲れさまでした! Mirrativでも所感を配信されていましたよね。ちなみに僕はこのインタビューのために、敢えて見ていないです(笑)。

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▲10月8日、5時間にわたって行われた長時間配信には、多くの視聴者が訪れました。

伊丹:かなり語り尽くした感はありますが、今回はMirrativではお話していないことも言えたらと思うので、安心してください(笑)。

──ぜひお願いします! それでは、“戦”を終えた、いまの率直なお気持ちをお聞かせください。

伊丹:とりあえず一段落という感じですね。あの日までは本当にいろいろと思うことあったので。ところで、じつは僕、“実戦”をしない人なんです。

──実戦練習をしていなかった、ということですか!?

伊丹:本当にしないんですよ(笑)。練習の99%は攻略アプリでのシミュレーションやイメージトレーニングですね。

──どのジャンルでも、達人になると練習ではなくイメージトレーニングに時間を割くという話を聞いたことがありますが、それに近いものを感じます。そう言えば、納涼メフィストを使われていましたが、関西予選の時点ではお持ちじゃなかったですよね?

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▲帽子がトレードマークの伊丹さんになぞらえて、納涼メフィストは“伊丹さん”の愛称で呼ばれることも。“戦”本戦では納涼メフィストリーダーにサマーシュクレを組み合わせたデッキがこぞって使われ、一層の注目を浴びました。

伊丹:納涼メフィストね、引いちゃったんですよ(笑)。サマーシュクレが欲しかっただけなんですけど、アッサリ出ちゃって。全国大会の1週間くらい前でしたね。

──壇上の1戦目だったじゃないですか。「伊丹さんが“伊丹さん”使ってる!」って、みなさんビックリしてましたよ(笑)。

伊丹:じつはデッキバランス的に、本当はヘイランリーダーのほうがよかったんですけれど。とはいえ、真面目にやっていなかったわけではないですよ、もちろん。「僕が納涼メフィストを使ったら盛り上がるだろう」と思って。負けるつもりはありませんでしたが、「何としても優勝してやる!」という気概があったわけでもありませんでした。

ある意味、今回の“戦”は、大阪予選でのMappy会長との戦いが、僕の中ですべてだった。だからあのデッキチョイスは勝ち負けではなく、観客の方々や配信を見ている人が盛り上がってくれればという意図でした。ヘイランとか言っていられないですよ。

──そういう意図だったんですね。「やっぱり伊丹さんは魅せるなあ!」と、個人的にもすごく興奮しました。

伊丹:2017年チャンピオンとしての僕の役割は、開幕のあの瞬間で終わっていたとも言えます。ただ、対戦相手のみはるさんは強い。本当に強いプレイヤーです。お知り合いもいっぱいいるから、僕のデッキ内容や駒箱の中身なんてバレていたでしょう。きびしい戦いとなることは間違いありませんでした。

だから、勝ち負けはよかったんです。ただ、何かしらの爪痕さえ残せば、自分の仕事は終わりだなと感じていて。そして負けるにしても、無様に負けるようなことはしたくないと強く思っていました。

──今回の“戦”では、回復耐久を選ぶ選手も多く見られましたが、伊丹さんは採用されていなかった。なぜでしょうか?

伊丹:耐久がですね、僕はあまり好きではないんです。関西予選のときのインタビューでも言いましたけれど、僕が使っても盛り上がらないと思っているフシはあります。だから耐久デッキには「せめてオセロ勝ちしてやろう。『オセロニア』で負けてもいいから、盤面勝ちを味合わせてやろう」と。

──「耐久デッキは、オセロで負けても『オセロニア』で勝てる」。つまりHP差で勝つことがあるからこそ、賛否が分かれがちじゃないですか。「『オセロニア』で負けても、オセロで勝つ」というのは、耐久デッキに対して聞かない言葉ですね(笑)。

伊丹:オセロには絶対に勝ってやろうと思っていましたね。ただ、みはるさんが1戦目に耐久を出してくるとは思っていなかった。そこは完全に読み間違いですね(笑)。

そうなると、僕があの戦いで使っていたデッキが耐久に対してやることって、最後の一手しかないんですよ。メルノガイスのコンボを進化アンドロメダでつなぐだけ。

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▲戦いの最後、メルノガイスのコンボを進化アンドロメダでつなげて大ダメージ! 見事な逆転劇に大歓声が起こりました。

──あのフィニッシュは、戦う前から決めていたんですね!

伊丹:サマーシュクレのコンボでもいいんですけど、発動条件のHP80%以下がネックで。耐久相手だとそれを満たせない場合もありますし、そこを狙って負けるのはイヤでした。

後悔する負けかただけはしたくないので、必ずメルノガイスでフィニッシュを狙うことは決めていたんです。あのデッキ、耐久に対してやることは本当にそれしかないので。

──伊丹さんは、最初から決めているんですよね。2017年の“戦”予選でも、初手の罠駒に対してノータイムでヨシノを打ったじゃないですか。そこに対しての迷いがなさすぎます。

伊丹:「こういうデッキが来たらこうする」ということは、事前にしっかり決めています。だから、想定外のことには対処できない。kiivaさんが代償デッキを使われていましたが、ああいったデッキが相手だったらパニックに陥った思います。ストラクチャーセット、買っていないのでわからないんですよ(笑)。

──事前準備の大切さがヒシヒシと伝わってきます。それにしても、伊丹さんの戦いに対する目線は、ほかのファイナリストの方々と大きく違うように見受けられましたが、いかがでしょうか?

伊丹:そうですね。当たり前だけど、みんな勝ちたいと思ってプレイしている。僕は違うんですよ。盛り上がればいいとしか思っていません。

あの大会は、上級者の人だけが見ているものではありません。初心者の人だって見ますよね。そういった方々に、「『オセロニア』っておもしろいゲームだな」って思ってもらえる試合をして、ユーザーが少しでも増えてほしいという願いが大きい。それだけです。

自身へのイメージをデッキに反映

──今回の大会では3つのデッキを用意することになりましたが、手持ちによっては組めない、という問題もあったと思います。──それを抜きにして──伊丹さんから見て、もっとも強いと言える組み合わせは何だったのでしょうか?

伊丹:納涼メフィスト神デッキ、神単(正月蘭陵王トップ)、回復耐久でした。

──ありがとうございます。伊丹さんはこれらのデッキすべてを採用していませんでしたよね?

伊丹:まず僕には神単という選択肢が取れないんです。ファヌエル、ジークフリート、ミアクレルを持っていないので。

──有力なS駒がいないと、神単のアドバンテージを活かしにくいということですね。それでは、実際に使用されたデッキについて、解説や採用意図をお聞かせください。

デッキA

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伊丹:先ほども述べましたが、納涼メフィストは「おもしろい」から採用しました。正直なところ、納涼メフィストとヨシノトップのデッキは、今回のルールだといっしょにいてはいけないんです。神寄りにしつつも、納涼メフィストには、ブランジェッタをはじめとする強力な魔駒を編成しなくてはならない。そうすると、ヨシノデッキが弱くなってしまう。でも、僕は今回、ヨシノデッキ(※後述のデッキB)も敢えて採用しました。

デッキB

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伊丹:去年の“戦”はヨシノデッキで優勝したので、僕にはそのイメージが付いて回っている。だからみんな、それを見たいかな、と。デッキA(前述の納涼メフィストトップ)との兼ね合いで、ブランジェッタやアルカードの編成バランスには苦労しましたね。

本当は、同駒禁止のルール的に、このふたつを同時採用するのは悪手なんですよ。ほかの選手がこの枠に神単や回復耐久を持ってくるのはそういう理由なんです。だから僕の納涼メフィストデッキは弱いし、ヨシノトップも微妙です。僕へのイメージと、お客さんを楽しませることを優先した形です。

デッキC

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伊丹:これは戦略的なところが大きいですね。神と竜を狩るためのデッキです。ヴィクトリアはみんな使ってなかったので敢えて採用しました。「ここは読みまけないぞ、ピンポイントでぶつけていくぞ」というつもりでした。もっとも、実際はぶつけられなかったし、負けちゃったんですけどね(笑)。

デッキの使用順にも矜持が!

──たとえばデッキC。ピンポイントでぶつけていくというコンセプトだったとのことですが、3種類のデッキを出す順番はどのように考えられていたのでしょうか?

伊丹:そこについては、戦略以上にこだわりがありました。まず、初戦は必ず、何があっても納涼メフィストリーダー。くりかえしになりますが、理由は「おもしろいから」です(笑)。みんなに自分の名前で読んでもらえているので、少なからず愛着があるということも、もちろんあります。

──本当に徹底されていたんですね(笑)。2戦目以降の順番もお願いいたします。

伊丹:まず、「前回チャンピオンが敗れた!」という印象をお客さんに与えたいなと思いました。僕は去年ヨシノリーダーで優勝したので、今年負けるときはヨシノで負けたかったんです。「去年を超えた!」みたいな(笑)。

なので、1戦目を納涼メフィストデッキで勝ったら蘭陵王トップ(デッキC)、逆に負けたらヨシノトップ(デッキB)を使う予定でした。2戦目が蘭陵王トップ(デッキC)だったのはこのためですね。負けるならばヨシノリーダーになるように持っていきたかったんです。

──昨年王者としての引き際を考えたうえでの選択だったとは……。まさに“戦略以上のこだわり”かと思います。

伊丹:みんなに“伊丹さん”と呼んでもらえている納涼メフィストで楽しんでいただきたいということと、“去年を超えた”という印象をお客さんに植え付けたかったという狙いでしたね。

“戦”ルールはみんなの納得が大切

──2018年の“戦”は昨年と大きくルールも変わりましたが、それにについて思うことはありますか?

伊丹:予選のレート制はどうだったのかな……、と。時間制よりはずっといいけど、来年も継続してほしくはないです。

──レート制についてはさまざまな考えの方がいらっしゃいますが、伊丹さんはどこが気になったのでしょうか?

伊丹:特性上、初戦の勝敗で、結果がかなり変わってくるところですね。同点決勝くらいさせてあげても……とは思いました。あの少ない勝数だと、レートで落ちた人は可哀想すぎると感じます。どうしても運が絡んできてしまうんですよね。

時間などいろいろな事情はあると思うのですが、マッチングシステムは引き続き採用しつつ、同点決勝で壇上を決めるとか。

──折衷案ですね。

伊丹:僕は昨年優勝ということで予選は戦っていないので、見ていただけなんですけど。自分があの立場だったらイヤですね。勝数で負けたら納得できるけど、レーティングで壇上に上がれなかったら我慢できない。やっぱりみんなが納得できるシステムがほしい。落とすのならば、勝数で負けて落としてほしいですよね。

極端に言っちゃうと、最後の試合の意味がなくなってしまうこともあるんです。いろいろと問題がある気がします。

──今年の“戦”では、禁止駒の採用による駆け引きの妙や、戦数固定によってデッキ選択の幅が広がったことはとてもよかったと思います。参加者みんなが納得できるシステムになることに期待したいですね。

回復耐久は強すぎる?

──関西予選のインタビューにもありましたが、回復耐久へのお考えを、より掘り下げてうかがいたいです。

伊丹:回復耐久については、自分自身が使われたくない、使いたいという問題ではないんですよ。僕がいちばん問題に思っていることは、「回復耐久で勝っても称賛されにくい」ということなんです。

──ゲーム的には何ひとつ問題はないのに、そういった風潮があることは否定できませんね。プロフィールコメントにネガティブな意見を書くユーザーさんも見受けられます。

伊丹:初めからオセロが上手で『オセロニア』をプレイした人って本当に少ないと思います。恐らく、90%以上の人が初心者なのでは?

そうした人からすると回復耐久って対処が本当に困難で、「おれ、オセロ自体が得意じゃないしなあ」と、マイナスのイメージを持ってしまう。

──竜やアンデッド、呪いなどで対処できるとはいえ、オセロが得意でないプレイヤーが平均的な混合デッキを使っていて、回復耐久に当たってしまうと……。試合も長引きますし、モチベーションが下がることはあるでしょうね。

伊丹:当たり前と言えば当たり前なんですが、『オセロニア』って、オセロにすごくお世話になっているゲームなんです。だからこそ、キチンとオセロをしている──盤面を取れるプレイヤーこそ、本当は「すごい!!」って称賛されるべきなんです。

オセラーの人はオセロが好きだから、それを活かせる回復耐久を選ぶ。でも、切断とかされるし、否定的なコメントも見かける。それってすごく悲しいし、皮肉なことと思います。

──それについて、具体的にこうあってほしい、というご意見はありますか?

伊丹:弱くしてほしいですね。そうなれば──格ゲーで言えば弱キャラみたいな──あえて回復耐久を選んで勝つことはカッコイイということになる。オセラーがもっと尊敬してもらえるゲームになってほしいんです。「オセロが上手い人はすごい! 自分も勉強してみようかな」。そう思ってもらいたい。

『オセロニア』は、オセロが上手いだけで勝てるゲームではありません。『オセロニア』もちゃんと理解していないと、全国優勝なんてできないじゃないですか。「オセロが強いから回復耐久で勝てる」という理解がある人はいいんですよ。でも、初心者の人はそう思わないことが多い。耐久のデッキパワーで負けた。そう感じる人もいるでしょう。その考えを変えるくらい、弱くしてほしいです。

オセロが上手い人が嫌いという流れはそもそもおかしいし、そう考える人が悪いと思ってしまいますけれど(笑)。でも、オセラーが尊敬されるために、耐久は弱いほうがいいと感じます。オセロが好きで『オセロニア』を始めたけど、耐久への批判を受けてそれがイヤで辞めちゃったって人、いると思うんですよね。

──バランス、すごく難しいですよね。優勝されたでーす選手も「耐久デッキが強すぎる」、「だから大会の場で使うかどうか、ギリギリまで迷っていた」と仰っていました。

伊丹:現環境だと、オセラーの人たちを悩ませちゃってるんですよね。オセロに貢献すべきゲームであるはずなのに、どうしてこうなってしまったのかと(笑)。

そしていちばんの問題は、回復耐久というより、回復マスが強すぎることかと思います。ダメージマスは現HPに依存するAと、最大HPに依存するBに分かれていますけど、だったら回復マスAや回復マスBがあってもいいのではないかと。いまは言うなれば回復マスBしかない。

──たしかにそうですね(笑)。オーバーロードで最大HPを上げて、アルキメデスで回復マスを生成されたら対処は困難です。

伊丹:せめてオーバーロードした分は回復しない、とかになってほしいです。とにかく、オセラーにヘイトが溜まるのがイヤなんですよ。1プレイヤーの勝ち負けだけの問題ではなくなってしまう。回復耐久で勝ったら、Twitterで文句のDMが飛んできたりね。それで辛い思いを味わう人もいます。本当は回復耐久で遊びたいのに、嫌われたくないから使えない。

──かつての環境に比べれば対策方法も増え、ヘイトが溜まりにくくなっている面もあると思いますが、これはあくまで全体からの視点で。プレイヤー個人の話で言えば、すごく悩む人もいらっしゃる。根強い問題と言えますね。

伊丹:許されてる空気は去年よりあるけど、それでもやっぱり……ね。まあ、僕は回復耐久が相手でも勝てますけど!(笑)。自分自身が困っているわけではないのですが、やはりオセラーが楽しめて、オセロが上手い人が称賛されるゲームであるべきということは、声を大にして言いたいです。

無課金を貫いた真の理由とは?

──デリケートな問題なので、昨年のインタビュー記事の時点では、伊丹さんが課金を一切されていないということを大々的に取り上げることは避けました。

ただ今年は、公式サイドの実況から「マクドナルドコラボのアルンは課金じゃないのか?(笑)」というツッコミが入ったことからも、伊丹さんのスタンスが周知されているという認識でお話を進めさせていただきます。今後もゲーム内課金はせずにプレイを続けられるのでしょうか?

伊丹:もしかしたら、破るかもしれません(笑)。とにかく、今年の“戦”までは思い入れもあるし、無課金でやっていこうという気持ちで取り組んできました。

──なんと! そう思うに至ったのはなぜでしょう?

伊丹:「『オセロニア』をできるだけ長く楽しみたい!」に尽きます。ガチ勢かエンジョイ勢か、そこはどうでもよいんです。無課金でやっていると、どうしても遊びの幅が狭まる。お金を入れたほうがいいこともありますよ。ストラクチャーセットとか買わないわけですから。同じようなデッキばかり使っていて、モチベが下がったとか飽きたな、となりたくない。

でも「課金したらこんな楽しみかたもできる」というのであれば、お金を入れてもいいかなと思っています。

──やり込めばやり込むほど、いろいろなデッキを使ってみたいというのは当然ですよね。逆にお聞きしたいのですが、これまで無課金で続けていらっしゃったのはなぜなのでしょうか?

伊丹:それは本当にね、僕が最初から“最強”だからなんですよ(笑)。

──清々しすぎます! “最初から”というのは、元々の経歴やスキル的な部分でしょうか?

伊丹:そうですね。たとえばトレーディングカードゲームの『マジック:ザ・ギャザリング』もやっていて。大会でかなりいいところまでいった経験があるんですよ。オセロはもちろんですし、格ゲーも相当やってたんです。カードゲームで培ったデッキ構築力、盤面を制圧できるオセロ力、格闘ゲームで磨いてきた駆け引き。

『オセロニア』には、運がいいことに僕が得意なことがすべて詰まっていたんですよ。だからプレイ初期から強かったし、ほとんど負け知らずでした。

──いろいろな作品の話に飛びそうで恐縮ですが、そのお話から『グラップラー刃牙』の花山薫を連想しました。生まれながらの強者ゆえ、鍛えることを卑劣と断じるという。

伊丹:Mirrativの配信では、物語開始時点で強いということから、『るろうに剣心』の緋村剣心で例えたんですよ。ただ、配信には運営さんもいらっしゃってたのでコラボで例えようと。なので『鋼の錬金術師』の主人公のエドワード・エルリックを出しました。ただ、配信が終わった後、もう一度考えたんですよ。『少年ジャンプ』の『封神演義』わかりますか?

──めちゃくちゃ好きです(笑)。とすると、自他とともに天才と認められている、楊戩(ようぜん)ですか?

伊丹:いえ、申公豹(しんこうひょう)です(笑)。

──作品中で明言されている“最強の道士”ですね!

伊丹:僕はどこのチームにも属していないし、何より基本が愉快犯なんですよ。だれにも与しませんし。申公豹の立ち位置がいちばんしっくりきましたね。

──納得です。語り始めるとお互い長くなりそうなので、このあたりにしましょう(笑)。「元々強いから敢えて課金をしない」という立ち位置自体、かなり特殊と思いますが、これまでソーシャルゲームはどれくらいやられていたのでしょうか?

伊丹:『オセロニア』をプレイするまであんまりやってことなかったですね。──これはあくまで僕の偏見かもしれませんが──「お金使えば強いんでしょ?」と。それで差が付くイメージでした。だから、“札束”に挑戦したかったんですよ。「無課金でどこまで戦えるか」がある意味テーマだった。

それで1年目、最初のカップ戦のときは10位だったんです。その翌年“戦”に出場して全国1位を獲れた。結果的には、無課金が課金者に勝った。それで満足したんです。ただ誤解を与えたくないので付け足しますと、「無課金が偉い」みたいな風潮や、課金をけなすようなコメントは大嫌いですけれどね。あくまで僕の中での挑戦なので。

──ゲームそのものを楽しんでいらっしゃることはもちろんですが、ゲーマーとしての確固たる矜持を感じます。

伊丹:それを継続して全国を穫った。だから、2018年の“戦”が終わるまでは課金をしないと決めていました。2017年の優勝、そして2018年の全国9位。これが僕の記録です。無課金でここまで来たけど、負けたので終わったんです。「ここからもう一度!」と恰好いいことを言ってもいいんですけど、言えないですね。僕の中での挑戦はこれでひと区切り。終わったんです。

──先ほどの話にも戻りますが、改めて今後のプレイスタイルをお聞かせいただければと。

伊丹:いまは課金してもいいかな、と思っています。当たり前だけど、お金を入れたほうがプレイの幅は広がります。でも、僕はまだこのゲームが楽しいと思っている。飽きていないんですよ。だから課金で幅を広げることは、まだしなくていいと感じます。

くり返しますが、できるだけ『オセロニア』を長く楽しみたいんですよ。それこそ極端な話、サービス終了までお付き合いしたい。でももしかしたら、飽きてしまうことがあるかもしれない。そのときに「まだやることあるでしょ」って、モチベーションのために課金するかもしれません。第一の壁なんですよ。「辞める前に、この壁(課金)を乗りこえていけ」みたいな(笑)。

2017年王者から、2018年王者に贈る言葉

──今年度の“戦”に優勝したでーすさんに、昨年度チャンピオンとしてコメントをお願いいたします。

伊丹:いちばん思うことは「好きにやってください」です。チャンピオンという肩書きや、僕のやってきたことと比べたりして、重荷になってほしくないんですよ。

僕はゲームに対してすごく思い入れがある人間で。自分で言うのもなんですけど、盛り上げるタイプでもあります。だから、でーすさんがこういったことをムリしてやる必要も、僕みたいに「『オセロニア』のために」とか思ってもらう必要はぜんぜんないです。

──Twitterでのさまざまな御意見や、ここで語っていただたような独特のスタンスから、伊丹さんが“戦”チャンピオンのハードル──言うなれば品格やキャラクター性──を上げたという見かたもあると思いますが、いかがでしょうか?

伊丹:僕はただ、自分が好きなことをやってきただけです。でーすさんも、たとえば動画出演にノリ気じゃないなら断ってもいいと思うし、とにかく好きにやってほしいです。「がんばれ」とは言いたくないです。僕のことは一切気にしてほしくないんですよ。「ご自身がやりたいように楽しんでほしいな」と思ってます。

勝ちたいならば、勝つと思わないこと

──伊丹さんは『オセロニア』以外のPvPも相当数こなされているとのことですが、試合中にはどのようなことを考えてるのでしょうか?

伊丹:試合中は、絶対に勝つ」と思わないことを意識しています。試合前はいいんですけど、試合が始まったらその考えを消す。「いい試合にしよう、いい内容にしよう」これだけに集中するんです。

「勝つ」って思うとダメなんですよ、勝ち急いでしまって。だけど、「いい試合にしよう」と思うと、冷静になれる。手の平に“人”と書いて飲み込むじゃないけど、この意識が、試合でのルーティーンですね。

──勉強になります! とはいえ、わかっていても実践できる人はすごく少ないと感じます

伊丹:若いうちは、どうしても「勝ちたい!」という気持ちが先行するんですよね。それで、普段では絶対にしないプレイングに走ってしまうことがある。でも「いい内容にしよう」ということだけ考えていると、それが勝ちにつながる。対戦ゲーム歴は長いですからね(笑)。僕の極意です。

──メンタルコントロールは本当に大事ですよね。それができるかどうかが、紙一重で勝敗を分けているように見えます。

伊丹:大きな舞台で勝つためには本当に重要です。もし10代の頃に『オセロニア』に出会ってたら、たぶん勝ててないんじゃないかな……。いい試合=ミスをしないことなんです。

試合はある意味“作品”とも言えて、いい作品を作り上げることが、魅せることにも結びつく。こうすると、負けたとしても納得できるんですよ。普段やらない博打みたいな手で仕掛けて、後悔を残すことはしたくないんです。だから、“戦”は敗退してしまいましたが、気分は晴れやかでした。

──ミスのない試合運びだったのですね。とはいえドローが絡んでしまい、思い通りにいかないこともありますが……。

伊丹:3戦目、初手の引きは酷かったですね(笑)。ヨシノ、エンデガ、ベリト×2。真面目な顔して打ってましたけど、考えうる最低の手駒巡りでした。でも最善を尽くしたから後悔はありません。「今年は僕が勝つ流れじゃなかったんだろうな」って納得できました。

──仰る通り、開幕時は「手駒がっ……!」と思いましたが、試合運びを拝見するに「この流れで善戦できるんだ!」と感銘を受けました。

伊丹:がんばったでしょ?(笑)。あの手駒でも、ワンチャン勝てるところまでは持っていけたかとは思います。手駒がどうであれ、いい試合をしたいんですよ、本当に。

──そのお気持ち、僕も含めて見ている人たちに伝わったと思いますよ! それでは最後となりますが、読者の方々へメッセージをお願いいたします。

伊丹:これからもいちユーザーとして、『オセロニア』を楽しみ、盛り上げていけるプレイヤーでありたいと思っています。いろいろお話しましたけど、これが根っこの部分にある本音ですね。

そしてこの記事を見た人が、もっと『オセロニア』へのやる気が出たり、楽しさに目覚めるような内容になっているといちばんうれしいです。お願いしますね(笑)。

──語っていただいた内容の9割はそのまま活かせたかと思います(笑)。本日は誠にありがとうございました!

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逆転オセロニア

対応機種iOS/Android
価格無料(アプリ内課金あり)
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ジャンルRPG/テーブルゲーム
メーカーDeNA
公式サイトhttps://www.othellonia.com/
公式Twitterhttps://twitter.com/Othellonia_info
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