【インタビュー】『ましろウィッチ』配信日間近か?リリース延期の理由など岩野P&神戸Pに訊いてみた

2018-09-13 19:00 投稿

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ましろウィッチ

満を持して配信へ!

事前登録の特典内容が更新され、2017年末のクローズドベータテスト(以下、CBT)以来久しぶりの動きを見せた『ましろウィッチ』(以下、『ましろ』)。本作はスクウェア・エニックスが開発中の新作アプリだ。

今回のインタビューでは、配信が予定された時期から延期された理由や、CBTから変更が加わった点などについて岩野弘明プロデューサー(文中、岩野)と神戸 駿プロデューサー(文中、神戸)に伺った。

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▲左から岩野プロデューサー、神戸プロデューサー。

配信延期の理由は開発体制の変更

――開発の進捗はいかがでしょうか?

神戸 開発は90%以上のところに来ていて、あとは細かい調整やリリースに向けた準備を残すだけ、という状態です。

――昨年にリリースを予定していたはずが、ここまで開発期間が延びたのはなぜでしょうか?

岩野 じつは開発を進めるうえでいろいろな問題が発生して、5月ごろに開発体制を大きく変えたんです。運営が始まってから残していた問題が原因で配信を停止することになるのは避けたかったので、ここはリリース後の運営も見越して体勢を整えようと決めて、時間をかけて準備を進めました。

――昨年末のCBTからだいぶ時間が経ちましたが、どのような点が変化しましたか?

岩野 以前のインタビューでもお話ししましたが、CBTでは宝箱に魔法も装備品も入っていたのを、魔法は宝箱から、装備品はガチャで手に入る仕様に変更しました。ひとつの宝箱に魔法と装備がいっしょに入っている仕組みは、特定のものを集めたい場合にとても面倒で、時間がかかります。宝箱の仕組み自体はゲームを進めるモチベーションを高めるものと考えているのですが、一方ですべてを宝箱からの入手とした場合、そもそも宝箱を入手するまでの手間(クエストのクリアー)が逆にモチベーションを削ぐことにつながるとも思ったんです。ですので、魔法は宝箱、装備はガチャと分け、目的に対してもっと早くアプローチできるようにと考えました。

▼CBTのプレイリポはこちら


⇒クローズドβテストのアンケート結果・改善内容レポートはこちら

――魔法を宝箱から入手する形のままにしたのはなぜでしょうか?

岩野 本作は魔法を主軸に置いたゲームなので、とにかくプレイヤーの皆さんには魔法を使ってほしいんですね。でも魔法をガチャで入手することになった場合、景品表示法の関係で制限が生まれてしまうんです。たとえば複数のカードを揃えることで強力な効果を発生させる魔法を作る場合、“絵合わせ”になってしまうとか。

神戸 『ましろ』でいちばん楽しい部分は、いろいろな魔法を使ってさまざまな戦略を試すところなんですよ。でもそこを有償ガチャにしてしまうと、魔法バトルの楽しさを最大限提案できなくなってしまう。分けることでインゲームの要素と課金要素のバランスも取れるし、両方のいいところを活かせると思ったので、そこは思い切って分けました。

――なるほど。ほかにCBTから変更したところはありますか?

神戸 キャラクターのモデルが大きく変わったところに注目が集まると思います。

旧モデル
新モデル

▲新規モデルでは、イラストを手掛けたるろお氏のテイストがよりはっきりと表現されている。

――これだけ見た目を変えるのはかなりたいへんだったのではないでしょうか?

神戸 先ほど開発体制を変えたことで開発期間を延ばすことになった、というお話をしましたが、怪我の功名というか、そのおかげでイチからモデルを直す時間と体制ができたんです。顔の輪郭も変わっていますし、色や質感を表現するテクスチャもるろお先生の絵柄を表現できるデザイナーさんに協力してもらい、モデルを作り直しました。

岩野 これも前回のインタビューで話しましたが、もともとグラフィックを改修したいという話はあったんです。でも、それには半年から1年ぐらいかかるので、リリースに間に合わない。改修はリリース後にしよう、みたいな話をしていたんですよ。ただ今回せっかく時間ができたので対応しました。

――ゲーム画面という意味ではUIなども気になるところですが、こちらにも変更は加わっていますか?

神戸 UIもかなり大きく変化しました。CBTでの大きな課題点となっていたのがUIだったのですが、今回は『ましろ』らしいかわいらしさは残しつつ、オーソドックスな触りやすさもあるUIになっていると思います。

《旧UI》

旧UI

《新UI》

新SS

▲いわゆるスマホゲームではおなじみの画面構成となっており、触ってすぐに理解できるようなUIになっている。

――CBTでは3Dキャラクターによるキャラ劇でストーリーが進んでいましたが、こちらにも変更が加わっているのでしょうか?

岩野 じつは、ストーリー部分は2Dのいわゆる紙芝居方式にしました。というのも、『ましろ』のストーリーは本当におもしろくて、ボイスを収録した声優のみなさんにもすごく好評なんですよ。なので、それなりの頻度でシナリオを配信したいと思っていたのですが、3Dのキャラ劇だと作るのにとても時間がかかるんですね。でも、『ましろ』は世界観やシナリオが引っ張るゲームだと考え、見栄えのゴージャスさよりも、シナリオ自体の提供火インドを想定より高めることにしました。

シナリオ①
シナリオ②

▲ストーリーの進行は定番の形式となった。るろお氏のイラストを見る機会が増えたという意味では吉報だ。

――その変更もかなり大がかりですよね。

神戸 これも体制変更によって時間ができたからこそできたことですね。社外の開発体制だけでなく、社内の体制も変えて、配信が伸びてしまっているぶんお客様に満足していただけるように、できることはすべてやろうと思いました

――ストーリーはどの程度の頻度で配信を行う予定ですか?

神戸 最低でも月に1回の頻度で、メインシナリオについては3話から6話程度、キャラクターの深掘りをするサブシナリオは1キャラにつき1話ぐらいのボリュームで配信したいと思っています。そのペースで配信しても1年以上はもつ程度にシナリオ作成とボイスの収録は済んでいるので、十分なボリュームは用意できています。

 

宝箱の入手枠も追加を予定

――CBT後のインタビューで、宝箱はひとつずつ手動で開けるのでなく、入手後は自動で、複数の宝箱が並行して開封されるようになる、とのお話がありましたが、宝箱の入手枠にも変更はありますか?

神戸 CBTの際はアンロックできる枠を入れて6枠だったのですが、枠数は増やす予定です。開封が並行して進む枠は4つのままにして、倉庫のように宝箱をストックできる枠を用意しようと考えています。加えて、本作では魔法を集めることを楽しんでいただきたいので、そのためにある宝箱の枠については課金要素をなくそうと思っています。

――時間もかからず無課金で宝箱を開封できるとなると、魔法の入手ペースもかなり早くなるのではないでしょうか?

岩野 そうですね。でも、それが問題であるとはとくに思っていなくて、むしろどんどん手に入れてほしいと考えています。もし魔法の入手に有償ガチャシステムを使った場合、魔法をゲットすることのハードルが上がると思います。そうなると、いわばゲームのおもしろい要素に触れづらい状態になると思うのですが、それってプレイヤーにとっても開発側にとってももったいないことだと思うんです。ゲームのポテンシャルを感じてほしいので、魔法は宝箱システムですべて提供します。その代わり、その強化については時間をかけてほしいと思います。

宝箱

▲魔法カードは宝箱から、装備はガチャからゲットしよう!

『交響性』と並行で開発することの影響は?

――『ましろ』と同じく岩野プロデューサーが手掛けている『交響性ミリオンアーサー』(以下、『交響性』)と開発期間が重なっていますが、それによる影響や懸念点はありましたか?

岩野 『ましろ』に神戸がいるように、プロジェクトごとに僕以外の担当プロデューサーがいるので大丈夫です。それとは別に、『ミリオンアーサー』シリーズをきっかけに僕のことを知ってくれた方々の中には、「同時に2本も出しやがって、どっち遊べばいいんだよ」と思われている方もひょっとすると少なからずいらっしゃるのではと思ったのですが、そういう方々がそれぞれのゲームを十分に楽しむ機会を奪ってしまうのでは、ということも懸念としてはありました。

――課金するようなプレイヤーからすると、同時期に2本の新作が出るというのはより大きな悩みどころですね。

岩野 ただ、『ましろ』と『交響性』は見た目もゲーム性としても、まったく違うゲームなんですよ。

神戸 『ましろ』はゲーム性が『乖離性』に近いので、ある種『乖離性』の精神的な新作みたいなもので、『交響性』は『ミリオンアーサー』というIPを受け継いだ正統後継作と言えると思います。なので、どちらもプレイしてみて、好きなほうを遊んでもらえるといいかと思います。できれば両方楽しんでもらえるといいんですけど(笑)。

――プレイヤー側からすると、同時に制作することでひとつの作品に対して割ける開発のリソースが減るのでは、という危惧もあるのではないでしょうか?

岩野 同時に複数のゲームを制作するからリソースが減る、ということはありません。プロジェクトごとにそれぞれ外の会社とタッグを組む形で複数の作業ラインが同時に動いているので、各作品に100%のリソースが注がれています。それは開発中の『ましろ』や『交響性』はもちろん、運営中の『乖離性ミリオンアーサー』についても同じで、開発の力が分散されるということはありません。

神戸 そこはご安心ください!

岩野 『乖離性』はサービスが長く続いていることもあって、リリース時よりも遊びがコア化してしまい、今から新しくプレイを始めたり、復帰されたりするのが難しい方もいらっしゃるのではないかと思います。なので『乖離性』のようなシステムを真新しいゲームとして遊びたい、という人には『ましろ』を遊んでいただくのもひとつの手だと思います。ただもちろん、あくまで『乖離性』が好きな方にはプレイを続けてほしいですし、『乖離性』をなくすつもりは毛頭ないので、それぞれの好みに合わせて遊んでいただけるとうれしいですね。

 
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ジョブのバランス調整はいかに?

――CBTでは盾役の“レイヴン”が上手く攻撃を引きつけてくれないなど、ジョブの特色やバランスで改善が求められていました。そのあたりはどうなっていますか?

神戸 攻撃を引きつける魔法を使った場合、単体攻撃については100%レイヴンが引きつけるようになりました。もちろん全体攻撃など例外はありますけどね。

――回復役である“クレリック”だけが集まった場合、圧倒的な火力不足になってしまった点についてはいかがでしょうか?

神戸 そちらも大きく変更を加えていて、極論を言えばどのジョブでも攻撃役として務まるようになりました。変更のポイントとして、CBTでは武器1本、頭と体で防具をひとつずつしか装備できませんでしたが、サブ武器も含めて最大4本持てるようにしています。

――1本から4本とはかなり大きく変わりましたね。

神戸 はい。なので、たとえば火力を担当するジョブの“ウィッチ”が得意とする鎌をサブ武器に装備すれば、クレリックであっても魔法攻撃力を高くすることができます。最低限の回復能力を持ちつつ火力に全振りした、バーサクヒーラー()みたいなものもできますね(笑)。逆にそういった構成が要求される敵がいてもおもしろいかな、と思っています。

※『ソードアート・オンライン』に登場するアスナのジョブが支援や回復を担当するヒーラーでありながら、前衛ジョブ顔負けの戦闘力を発揮したことから付いた通り名。回復に特化したジョブを戦闘に特化させて成長させたものを指して殴りヒーラーなどと呼ぶこともある。

――ではレイヴンで攻撃を引きつけて自分で回復する、といった立ち回りも可能になると。

神戸 やろうと思えばできます。CBTのときよりもジョブごとのロール、立ち回りの縛りはゆるやかになったと思いますので、ジョブを変える楽しさは増えているんじゃないかなと思います。さまざまなジョブの組み合わせを楽しんでいただくことが本作の掲げているテーマのひとつなので、そこはしっかり体現できるようにしたいですね。

バトル①
バトル②
バトル③
バトル④

▲戦闘シーンのUIとモデルも改修されていることがわかる。

魔法と装備のバランスは?

――装備品の入手がガチャになったことでバランスも変わったと思いますが、魔法と装備品の比重はどうなっていますか?

神戸 単純なダメージ量、回復量という意味ではCBTに比べると装備品のほうが重要になっています。CBTだと魔法自体のパラメーターのほうが比重が大きかったのですが、それが逆になっていますね。ただ、何ができるかは魔法に依存しているので、いかにパラメーターが高くても、魔法が弱いと有効打にはなりにくいんですよ。風のボス相手に強力な火の魔法がないと、そう簡単には勝てないという具合ですね。パラメーター面では装備が重要ですが、戦術面では魔法が大事なので、バランスは取れていると思います。

――課金要素になったぶん、装備の比重がかなり大きくなっていそうな印象もありますが。

神戸 このバランス調整がいちばん苦心した部分なんです。最初は魔法の比重をもっと下げていたのですが、『ましろ』は魔法を使うのが楽しいゲームなので、そこを弱くしてはいけないだろう、ということで現在のバランスに落ち着きました。同じ魔法でも装備を整えれば威力が上がるという意味では、数字を大きくする気持ち良さは味わえると思います。

今度こそあと少しで配信!

――配信タイミングはそろそろ確定しそうですか?

神戸 ほぼ確定はしています。そのスケジュールで本当に問題ないか、という部分を詰めている段階です。

▼配信は今秋!こちらの記事もチェックしよう

岩野 開発体制の立て直しを踏まえて、前回よりもかなり現実的なところで「もう少しお待ちください」とお伝えできます。SNSなどでの情報もこれから出していくので、そちらにも注目していただきたいですね。

――最後に、『ましろ』を待ち望んできたユーザーへのメッセージをお願いします。

岩野 中止した前身のプロジェクトの開発期間も含め、足掛け5年くらいかけて作っているタイトルなので、こちらとしても早く出したいという気持ちでいっぱいです。いまだに「『ましろ』はまだか!」というお声をいただけるので、そういった方々に早く触ってもらいたいという思いで作っています。システムが『乖離性』をもとにしているので、『乖離性』をあまり遊ばなくなったけどシステムは楽しかった、という人にも触ってほしいと思います。お待たせしてしまったぶん、パワーアップしている部分もありますし、運営のことも考慮して時間をかけて調整していますので、期待していただければと思います。

神戸 長いことお待たせしてしまって本当にすいませんでした。そのぶん今回は自信を持って、CBTに触っていただいた方にも、『ましろ』を楽しみに待ってくださっている方にも楽しんでいただけるものになっていると言えます。不安に思っている方もいらっしゃるとは思いますが、この記事も含めて、今後どんどん情報が出ていくので、こんなところが変わったのか、という部分も楽しみつつ、リリースされた際には実際に手に取っていただければと思います。



『ましろウィッチ』公式ツイッターアカウントでは、キャラクターのイラスト紹介をはじめ、さまざまな情報が配信されている。今後ツイートされる最新情報をチェックしつつ、もうじきだという配信を待つことにしよう。

ましろウィッチ

対応機種iOS/Android
価格無料(アプリ内課金あり)
このゲームの詳細を見る
ジャンルRPG
メーカースクウェア・エニックス
公式サイトhttp://www.jp.square-enix.com/mashirocchi/
公式Twitterhttps://twitter.com/mashirocchi_pr
配信日配信終了
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