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『Ingress Prime』のリリース日は!?ナイアンティックCEOのジョン・ハンケ氏に直接聞いてみた!! 

2018-04-10 14:52 投稿

これまでの8年、そして『Ingress Prime』の行方

世界的大ヒットを記録したスマホアプリ『ポケモンGO』と、その基盤である『Ingress』を手掛けるナイアンティックのCEOジョン・ハンケ氏が、2018年4月7日に開催された『Ingress』のイベント“XMフェスティバル”&“ミッションディ”に合わせて福岡に来日。

昨年、次世代版『Ingress Prime』のデモ版をプレイすることができたが、それ以降まったく続報が聞かれない。

多くのユーザーがリリースが待ち望んでいるいま、2010年にグーグル社内スタートアップ“ナイアンティック・ラボ”として設立してからの8年目であり、独立してからの3年をどのうように歩み、今後どう進化していくのか。そして、気になる『Ingress Prime』の進捗について、ハンケ氏本人に直接聞いてみた。

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ユーザーとともに新たな第一歩を踏み出す重要な年

――2010年にグーグル社内スタートアップ“ナイアンティック・ラボ”として設立してからの8年、『Ingress』のリリースから5年、グーグル社から独立して3年が経ちました。そこでまず、これまでを振り返り、ビジネス面やプラットフォームとしての成長をどう感じているかお聞かせください。

ジョン・ハンケ氏(以下、ハンケ) グーグルマップのチームから考えると8年、“ナイアンティック・ラボ”はその名の通り、実験的なものとして設立。商業的なものを目指すよりも、まずはマップやAR(拡張現実)を使ってどんなことができるのかを探すための組織だった。つねに手探り状態でしたが、いま改めてARに注目が集まっている中で我々にできることがどんどん増えている。また、リアルワールドゲームというカテゴリも認知され、これも大きなチャレンジにつながっていくと手応えを感じています。

――ナイアンティックでは“Adventure on foot”という理念を掲げていますが、約1年前から“with others”を付け加えたましたよね。そうするに至った理由はなんだったのでしょうか?

ハンケ 我々が進めている『Ingress』や『ポケモンGO』といったリアルワールドゲームではコミュニティが重要。これは社内スタッフだけでなく、すべての人に言える大切なことだと考えています。最近、ナイアンティックには新しいスタッフが増えているのですが、彼らにも積極的にイベントへの参加を働きかけている。ユーザーのみなさんと触れ合い、たくさんの考えを知り視野を広げることこそ、“Adventure on foot with others”(仲間といっしょに冒険へ出かけよう)というわけですね。

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▲ARに対する認知度も大幅に高まり、スタッフの増員でさらなるチャレンジを考えているとハンケ氏。直接多くの人と関わる機会が多いリアルワールドゲームを通じて、コミュニティを広げてほしいと語る。

被災地への支援は今後も続いていく大切なもの

――世界各地でイベントを開催されていますが、その中でも日本は被災地と向き合う機会が多いと感じています。

ハンケ 当社の製品開発本部長である河合敬一が東北出身で、彼はずっと東日本大震災以降どうやってサポートしていくべきかを積極的に考えていました。その想いが2014年の石巻でのイベントにつながったのです。当時は被災地でゲームなんてと声があったが、地元ではそんなことはなく、区役所や市役所、復興に携わる現地の方が積極的に手を貸してくれました。そこでのコラボレーションが大きな力になり、フィラデルフィアやロサンゼルスなどでのイベントに活かされていった。いまに至るすべてのきっかけが東日本の復興に協力したいという試みからでしたね。

――なるほど。

ハンケ また、それまで観光といえばいろいろな施設を作ったりとコスト面でもたいへんでしたが、ARを活用すれば低コストで地元の魅力を伝えることができる。そうしたことへの理解も深まり、多くの自治体からの声をかけてもらっています。鳥取で開催した『ポケモンGO』のイベントでは8万9000人が訪れ、18億円の経済効果がありました。そして今回、福岡県を舞台にしたミッションデイ(スタンプラリーのように各地を巡る『Ingress』を使った試み)も黒田官兵衛という戦国武将の歴史をなぞっている。我々は地域の魅力と最高のスポットを探すきっかけを与えることを意識してプロダクトをデザインしているのです。

――被災地を意識したわけではない?

川島優志氏(アジア統括本部長) 被災地への支援はずっと意識して、グーグル時代から社をあげて取り組んできました。最初は石巻で約80人、その翌年の仙台では4000人、『ポケモンGO』では10万人の人が石巻に集まってくれました。こうして徐々に参加者を増やしながら岩手県、宮城県、福島県と協力して支援を続けています。

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▲これは2016年に開催された東北復興イベント“Initio Tohoku Mission”のワンシーン。積極的に現地へと足を運ぶハンケ氏の姿勢からも、被災地への想いの強さが感じられる。

ARがもたらす効果と歩むべき未来予想図

――ARを盛り上げる大きな原動力になった『Ingress』と『ポケモンGO』ですが、ハンケ氏はARにどのような可能性があると考えていますか?

ハンケ VR(仮想現実)が話題になった時期がありましたが、いまはARに注目が集まっているのはうれしいことですね。ではなぜVRに懸念していたのかといえば、外界から遮断されていまうことで人々との交流や現実世界でのつながりから遮断され、その場に留まることからも運動不足なりやすい。しかし、ARは外に出て直接人々との交流を楽しめるといったポジティブな方向に貢献できる技術だと感じています。実際、『ポケモンGO』以降、VRに投資していたFacebookもARに、AppleもARに対して大きな興味を持って力を注いでいる。グーグルも“Google Glass”の失敗はあったが、こうした動きから重要性を考え、ARデバイスも増えてくることでしょう。以前、こうした質問をうけたとき5~10年後に出ると答えていましたが、いまでは3~5年で出るのではないかと感じている。

――現実味が増しているのはうれしいことですが、AR自体への不安はないのでしょうか?

ハンケ わたしがARにひとつだけ懸念しているとすれば、多くの大企業がフィーチャーしているが、その大半が現実世界に重ねるという点にフォーカスしていることです。『ポケモンGO』が特別なものになった理由は技術的な側面だけでなく、ARを使って地域の歴史やグルメを知り、人々との交流につなげていくなど新しい体験でした。技術だけではなく、それら好奇心を刺激する原動力につなげることが大切なんだと我々が見せていく必要があると実感しています。

――技術的な進化だけでなく、体験する喜びを大切にするということですね。

ハンケ そうですね。実際、ハードウェアのスペックではなくプロダクトをどうデザインするかが大切です。以前、ファミコンのデザインに関わった方と会ったとき、最先端技術を利用するよりも楽しい体験を追求してきたという話を聞きました。新しいものばかりでなく、デザイン面での工夫を大切にしているという任天堂の姿勢にインスパイアされましたね。ARもどれだけ技術的に高いものを作るかよりも、新しい体験の提供を目標に我々は今後も突き進んでいきます。

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▲ARを使ったデバイスの進化は早まっていくだろうとハンケ氏。これまでにない新しい体験が人々にどんな影響を与えるのか楽しみだと語った。

――2018年の2月にモバイルARのプラットフォームを提供するEscher Realityを買収したことで大きな話題になりましたが、今後どのような展開を考えているのでしょうか?

ハンケ Escher Realityを迎えたことでARゲームとしてのプラットフォームを強化し、多くの人が同時に体験できる楽しみを広げたい。いっしょに戦ったり、パズルを解くなど共有する魅力を提供したいですね。

――そうした体験は『Ingress』のXMアノマリーや『ポケモンGO』のレイドバトルなど、すでにあると思いますが。

ハンケ たしかにそうですね。すでに実現していますがEscher Realityの技術を取り入れることで、ARグラスを身に着ける未来が近づいていくと思います。それに備えての投資であり、将来みなさんにも新しい体験を提供できるでしょう。また、我々はAndroidやiOS、または新しいデバイスも問わない“クロスプラットフォームARマッピングクラウド”というものを考えています。それが我々の新しいARを使ったプラットフォームになり、いずれはさまざまな機会に活用されていくことでしょう。これはゲームだけでなく、我々の初プロダクトだった『Field Trip』に活かせば、歴史上のスポットを訪れると当時そこで活躍した人物がARで登場し、目の前にある建造物などをガイドする。そんなサイエンスフィクション、SFの世界が数年後には実現しているかもしれませんよ。

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▲これは『Ingress』や『ポケモンGO』のルーツである『Field Trip』のデモ動画から抜粋したもの。こうした体験も近い将来できるようになるかもしれない。

『Ingress Prime』で生まれ変わる3つの要素

――2018年2月段階で2019年5月までのイベントに関するロードマップが発表された『Ingress』ですが、今年は『Ingress Prime』のリリースも控えています。新規ユーザーの獲得にも重要な年だと思いますが、そうしたARを活かした新たな試み、これまでにない間口の広いイベントが体験できるのでしょうか?

ハンケ これから『Ingress Prime』をロンチすることになりますが、それを持って我々が何をしたいのか。そのひとつに、これまで『Ingress』が歩んだ5年の歴史を振り返るような体験が起こると思います。それらを共有していくことはもちろん、『Ingress Prime』が単なる新しいバージョンとして提供されるだけではなく、新しいストーリー、まったく新しいフォーマットのイベントといったゼロから始めるものになるでしょう。いままでのXMアノマリーもクライマックスに向けて盛り上がっていきますが、そこからさらに先へと進めていく。これまで我々がしてきたのはたくさんの種をまくということで、今後はそこから芽吹いたものを進化させながら、イベントやゲームデザインへとつながっていく。いま、そうしたものをどう活かしていけるのかを我々自身も理解し始めているところです。

――昨年、試作段階の『Ingress Prime』を体験させてもらいましたが、それ以降ベータ版やロンチの時期について続報がありません。いまの進捗を教えていただけますか?

ハンケ 詳しいことはまだ言えませんが、エージェントの求めているクオリティに到達するため、失望させないものを作ろうと真剣に取り組んでいます。ひとつ情報として与えられるとすれば、我々はゲームとイベントストーリーの3つを一新しようと考えています。まさにリスタートであり、3つの要素が機能するためにはみなさんの助けも必要不可欠です。これまでのことにも感謝していますし、これからもぜひ我々に力をお貸しください。

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▲XMフェスティバル福岡のアフターパーティーで公開された『Ingress Prime』の最新映像。ゲーム、イベント、ストーリーがどのように進化するのか期待したい

――『ポケモンGO』と比べて『Ingress』はわかりにくいという声も多いようですが、そうしたユーザーへの対応は『Ingress Prime』ではどう対応する予定ですか?

ハンケ 『Ingress』を制作するにあたって、我々はいろいろなゲームを参考にアイデアを練っている時期がありました。その過程ではもっとカジュアルでフレンドリーなものという案もあったのですが、最終的にSFという世界観をベースにしようと決断しました。特化したユーザーに向けて作ることを目指した結果、わかりにくいものになってしまったと思います。一方、『ポケモンGO』は幅広いユーザーに向けた作りを目指したので、可能な限りシンプルに作りました。ゲームを始めて数分でアバターを作って捕まえに行く、そうしたわかりやすい体験を『Ingress Prime』では活かしていけると考えています。また、『Ingress』を開発した当時、我々はグーグルマップといったアプリケーションを作ってはいましたが、ゲームに関しての経験があまりありませんでした。そのため、どんなにコミュニティが大切なものなのか知見がありませんでしたが、いまでは十分理解しています。そしていま、たくさんのスタッフが持っている才能と経験を活かして、よりよいものを目指しているので期待していてください。

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▲これまで大きな課題であった『Ingress』のとっつきにくい印象も『Ingress Prime』で改善していくと語るハンケ氏。今年はアニメ版『イングレス』の放送も始まるので、新規ユーザーの獲得にも注目が集まるだろう。

今回の来日で『Ingress Prime』のリリースは明かされなかったが、当日福岡で開催されたイベントの最後では実際に操作している画面をユーザーに公開。以前筆者が体験したものとも少し違う、洗練されたインターフェイスになったと感じた。

まずは6月23日に開催されるエージェントオリンピアード2。そして7月28日のXMアノマリー札幌に期待しつつ、今後も『Ingress』とナイアンティックの動きに注目していきたい!!

P.N.深津庵
※深津庵のTwitterはこちら

Ingress Prime(イングレス プライム)

対応機種iOS/Android
価格無料(アプリ内課金あり)
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ジャンルその他
メーカーナイアンティック
配信日配信中
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