「MMOの基本的なおもしろさをすべて詰め込んだ」――『ブレフロ』や『FFBE』を生み出したアイディスの早貸氏が手掛ける新作スマホ向けMMO『ガーディアンズ』に迫る

2018-03-20 19:00 投稿

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ガーディアンズ

LINEの新作MMO『ガーディアンズ』に込められた想い

LINEより2018年リリース予定の新作スマホアプリ『ガーディアンズ- GUARDIANS -』。

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本作は、タップ&スワイプだけの直感的な操作で、簡単にド迫力のバトルができるMMORPG。広大なフィールドを数多のプレイヤーとともに冒険するワールドモードと、最大4人のプレイヤーで巨大な魔獣に挑むクエストモードのふたつの異なるモードを備え、本格的な冒険を楽しむことができる。時間を縛る体力(スタミナ)もないので、空いた時間に心ゆくまでプレイできるのも本作の特徴のひとつだ。

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今回は、そんな本作の総監督を務める株式会社アイディス(以下、アイディス)の早貸久敏氏に、本作の魅力やアツい想いをインタビュー。本稿ではその模様をお届けしていく。

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▲早貸久敏氏。世界的ヒット作、『ブレイブフロンティア(ブレフロ)』や『FF ブレイブエクスヴィアス(FFBE)』を手掛けたトップクリエイター。2016年に株式会社アイディスを設立し、代表取締役社長を務める。

成長を実感できるMMORPG

――まず、『ガーディアンズ』のコンセプトをお伺いできますか?

早貸久敏氏(以下、早貸) コンセプトは“成長”です。僕のこれまで手掛けてきたタイトルは“シナリオ重視”のRPGと言いますか……主人公がいて、ライバルやヒロインがいて、シナリオを読んでいく中で主人公の葛藤などを描きつつ成長を表現していく。情に訴えかけるような形で成長を感じていただくという作品が多かったんです。

しかし、今回手掛ける『ガーディアンズ』はMMORPG。なので、主人公はプレイヤー自身となります。ですので、プレイキャラクターを“自分の分身”として“自分の成長”を楽しんでもらいたいというコンセプトのもと開発を行っています。

レベルやステータスなどのデータ部分による成長だけではなく、強くなることで友達に頼られたり、自分が強くなるにつれてほかの人に対する自分の発言の影響が強くなっていく。そういった“リアルな成長”を含めた“成長”を楽しんでいただければと。

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――いまお話に挙がったように、“ほかのプレイヤーと協力する”という部分が『ガーディアンズ』の肝になってくるのでしょうか?

早貸 そうですね。最近のゲームは手軽にマルチプレイを楽しむものが多いですが、『ガーディアンズ』ではリアルな友達やネット上の友達も含めて、じっくりと冒険して楽しんでもらいたいですね。もちろんソロで手軽にもプレイできますが、フィールド上に存在するほかのプレイヤーたちを見ながら、その世界に存在する自分の冒険を楽しむという体験を実現したかったんです。

――お話をお伺いしていると、本作はMOではなくしっかりとしたMMOという印象を受けます。

早貸 はい、MO的な見た目や要素もありますが、基本的にはMMOとして作っています。現在の開発状況では、ワールドモードのひとつのエリアに50人ほど存在してプレイするというところまでは実現できています。スマートフォンのゲームなので、快適さや視認性、操作性、マップの広さなどはやり過ぎないよう調整していますが、それでもできる限りPCのオンラインゲームに近いイメージにさせています。たとえば、すごくレアな敵がいたらプレイヤー同士で奪い合う。そういうこともできるゲームです(笑)

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――昔ながらのPCのMMORPGに近い感じでしょうか?

早貸 そうですね。なるべくその感覚に近付けるようにしました。クエストモードでは、MOのような形でボス1体に対して4人で戦っていますが、“敵の攻撃を素早く避ける”などの激しいアクション要素をなるべく減らし、ジョブに応じた自分の役割をこなすことに集中できるようにしています。戦闘前にジョブ、スキル、装備をしっかりと選んで、パーティで戦術を考えておくのが重要になりますね。また、ワールドモードでは、広いマップの中、数多くの敵がいて、プレイヤーもたくさんいる世界で冒険する。そういうMMORPGならではの雰囲気をぜひ感じてほしいですね。

――本作のターゲット層はどういった層でしょうか? また、どういった人にプレイしてもらいたいですか?

早貸 これまでもそうなんですが、あまりターゲット層を考えて作ったことがないんですよね。自分たちがプレイしたいゲーム、遊んで楽しいと思えるゲームを作る。そんなゲームを作れば、きっとお客様の中にも共感していただける人がいる。そう信じています。あえて言うなら、そういう人たちをターゲットにしているということになりますね。

――それが早貸さんがゲーム作りにおいて重視しているポイントということですか?

早貸 そうですね。それを体現できているのがアイディスだと思っています。まず、自分たちがおもしろいと思えるものを作る。そこはスタッフにも共感してもらう。そしてユーザー様にも共感していただく。そういった一連の流れを大事にしています。

――一般的なMMOだとワールドモードだけという形式が多いと思うのですが、今回“ワールドモード”と“クエストモード”に分けた理由をお伺いできますか?

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▲ふたつのモードは、どちらもホーム画面からすぐにプレイできる。

早貸 やはりスマートフォンのゲームですので、長時間プレイできる人もいれば、5分空いたからプレイしようという人もいますし、いろいろな人がさまざまな状況でプレイすると思うんです。その時に、MMOタイプのゲームって、パーティを集めたりワールドのどこかに集合するなどの準備で10分20分掛かったりしますよね? そのあたりをケアして気軽にプレイできるように、今回モードを分けさせていただきました。

――時間があるときにはワールドモードでほかのプレイヤーと遊び、隙間時間で遊びたい時にはクエストモード。こういった遊び分けができるということですね。

早貸 ワールドモードもソロで気軽に遊べるようになっていますし、パーティも組みやすくはなっていますが、クエストモードはより隙間時間で遊べるようになっています。現状でワールドモードに強敵は出現しませんが、将来的にはワールドモードの中だけに巨大な敵がドンと出てきたりする予定で、それを目標としてじっくり遊べるようにしたいなと。あ、でもこれはまだ開発中でどうなるかわからないので内緒でお願いします(笑)

――内緒ですね。わかりました(笑)。そして、昨今のスマホゲームにしては珍しく、戦闘にオート機能がありません。この点はどういった意図があるのでしょうか?

早貸 本作のテーマに“成長”を掲げていることは、これまでの説明の通りなのですが、成長する楽しさを味わってほしいと思っています。たとえばレベル上げだったりたいへんな作業をこなしていくことも成長のひとつだと考えているんです。なので、あえてオートは外しました。いまはもう、オートがないとプレイしてくれないユーザーさんも多いのかもしれないですけど……。

――苦労して育てあげた自分の分身の成長、その過程も含めて味わってもらうためということですね。

早貸 けっこういろいろな人に「オートを付けろ!」って言われたんですけど、一切無視しました(笑)。でも、お客様からたくさんの要望が来たら検討するかもしれません。

――少しプレイをさせていただき、キャラクターデザインや背景を含めてかなり作り込まれている印象でした。これに応じて推奨スペックも上がってくるのでしょうか?

早貸 いまはiPhoneですと5s以降の端末であれば問題なく動作できるように進めています。端末やツールのスペックも昨今上がってきていますし、後は技術力次第でハイクオリティなグラフィックを軽く動かせると思っています。我々はクリエイターなので、作ったゲームはひとりでも多くのお客様にプレイしていただきたいと思っています。今後ほとんどの機種に対応できるよう努力していきますが、やはり一部の機種には対応できないということも出てくるとは思います。

早貸氏に影響を与えたもの

――早貸さんと言えば『ブレフロ』や『FFBE』が代表作として挙げられると思いますが、ゲーム作りにおいて心がけていることはありますか?

早貸 作っている時に必ずひとつのコンセプトというかテーマがありまして、“それをブレさせない”ことですね。たとえば『ブレフロ』だったら、“戦闘の爽快感”というのをテーマにして作りましたので、爽快感が失われるような仕様はすべて削除していきました。大きな柱というのは絶対曲げずに、肉付けの部分でおもしろくしていく。『ガーディアンズ』の“成長”という部分も、これに適さないものがあったらすぐに取り除きました。この根幹をブレさせないというのは、アイディスの多くのスタッフが共有している部分です。ゴールを共有しながら作っていくので、開発はスムーズに進みますね。まあ、もちろんトラブルもたくさんありますが(笑)。

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――これまで手掛けてきたタイトルではなかった、今回のタイトルで新たにチャレンジしたいことはありますか?

早貸 そもそも3Dが私にとってはチャレンジなんです。これまでのタイトルはすべて2Dがメインだったので、そこが大きなチャレンジですね。後はUIにもチャレンジしてまして、皆さんのMMOに対するイメージは“文字が多いし細かくて取っ付きにくい”というものがあると思うんです。
データとか機能が多すぎて、どうしてもUIが煩雑になってしまう。慣れてくれればいいんですが、そもそもハードルが高く見えてゲームに入ってきてくれない。なので、UIは“非常にシンプル”にしています。UIのコンセプトは“シンプルコア”ですね。シンプルに見せつつも中は深く、MMO好きの方がやり込んでも満足いただけるよう、さまざまな要素を用意しています。

――ライトユーザーをかなり意識した作りをされていますね。

早貸 そうなんです。MMOならではのおもしろさや中毒性を気軽に体験してもらいたい、そういうところからUIをシンプルにしたり、3Dもライトなものにしたりなど工夫しています。

――今回、LINEとパートナーシップを結んだ理由はなんでしょうか?

早貸 10年以上付き合いのある知人がおり、「いっしょに作りたいね」なんて話をしていて、やはり付き合いが長い分信頼もできますし、必ずいいものができるという確信があったからですね。

――人と人の繋がりが大きかったということですね。それ以外にも、LINEと組むことで得られるメリットはどういったところになりますか?

早貸 LINEさんは、リアルのユーザー同士の繋がりを重要視している企業だと思っています。実際、LINE GAMEを見ていると繋がりを重要にしているゲームが多いので、そういう技術や資産が培われているのだろうと。『ガーディアンズ』はMMOなので、そういうところを共有していただきながら、両社でいいものを作っていけると考えたからですね。

――『ガーディアンズ』のサービス開始時期はいつごろを予定されていますか?

早貸 2018年中を予定しています。としか今は言えないのが心苦しいのですが(苦笑)、近日中には新たな状況を公式サイトやtwitterなどでも発表できるかと思いますので、もう少々お待ちください。

――アイディスを立ち上げて2年が経過していますが、この2年を振り返っていかがですか?

早貸 弊社はまだ私が監修している作品しかリリースされておらず、自社で開発を行ったタイトルでリリースしている作品がないので、あまり言えることはないのです(笑)。ただ、本当に自分は運がいいなと思ったのが、前の作品で私に共感してくれて、優秀なスタッフが弊社に来てくれたことです。それがとてもありがたいですね。ゲームはひとりで作れるものじゃないですし、共感していっしょに作り上げてくれる仲間ができたことは本当に幸せなことです。

MMOの基本的な楽しさとは

――将来的に『ガーディアンズ』で絶対やりたいことはありますか?

早貸 多人数対多人数のチームバトルですね。20対20くらいの大規模戦闘を。気心の知れた仲間たちと協力して敵チームを倒す、最高にアツいじゃないですか。それを実装できるように現在準備中です。もちろん、クランだったりレイドだったりも用意する予定です。あとはMMOの基本のペットやマイルームを作れるようにしたりとか、やりたいことはたくさんありますね。あとはランキング。それと、世界に一本しかない剣もですね。

――世界に一本しかない装備品はアツいですね!

早貸 MMOをプレイしてる人が、「これあったらいいな」っていうのはだいたい考えています(笑)。

――早貸さん自身がMMOをプレイしていたこともあり、ユーザーの心をくすぐる仕掛けが多そうで楽しみです。

――これまでの話ですと、ライトユーザーにフォーカスしている部分が多いように見えましたが、コアなユーザーに向けても“MMOの基本的な楽しさ”はしっかり押さえられているんですね。

早貸 その通りです。中見はコアなんですが、それをシンプルに見せることを『ガーディアンズ』ではできていると自負しています。

――配信が楽しみです。では最後に、ユーザーの皆さんに一言お願いします。

早貸 弊社のスタッフはもちろん、関係者含めてこのゲームに最高の愛情を込めて作りました。一度でも手に取って遊んでいただけると嬉しいです。『ガーディアンズ』をぜひよろしくお願いします。

『ガーディアンズ』公式サイトはこちら

ガーディアンズ

対応機種iOS/Android
価格無料(アプリ内課金あり)
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ジャンルMMORPG
メーカーLINEヤフー
公式サイトhttps://guardians.game.line.me/
公式Twitterhttps://twitter.com/guardians_jp
配信日配信終了
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