話題沸騰中の『アナデン』キーマンに聞く!
スマホゲームでありながら、ソーシャル要素を廃止しシングルプレイ専用というこれまでにないゲームスタイルで多くの注目を集め、セールスランキングでも高い順位をキープしている王道RPG『アナザーエデン』。
ソーシャル要素がスタンダードになっている現在のスマホ市場において、なぜソーシャル要素皆無の本作が生まれたのか? また今後どのように展開・運営していくのか?
そんな『アナザーエデン』の気になるポイントを本作のプロデューサーを務める、Wright Flyer Studiosの高大輔氏(以下、文中は高)に聞いてみた。
【『アナザーエデン』最新情報まとめ】 |
シングルプレイ専用という新しい試み
──リリース以来、ダウンロード数、セールスランキングともに好調ですが、現在の手ごたえはいかがですか?
高 これまでのスマートフォンゲームになかった作品にできてうれしいと思っています。予想を遥かに超えた反響もいただけていて制作者冥利に尽きます。
──これまでのスマートフォンゲームとは異なる形で挑戦することに対して不安はなかったのですか?
高 少なくとも私自身はなかったですね。2年前の制作開始から、流行っている形で作っても勝負できないと思っていたので、業界をビックリさせられるような新しいゲームを作りたいと考えていました。
──それが“シングルプレイ専用”という新しい形に?
高 はい。ただ、新しい形と言っても、これってこれまで日本が作ってきた旧来のRPGのスタイルであると思うんですよ。ただ、それを新しいビジネスモデルで、スマートフォンという新しいプラットフォームで展開することがこれまでになかったというだけで。
──確かに実際にプレイしてみても昔ながらの日本のRPGっぽさを感じました。“JRPG”感を演出するためにどのような工夫をされたんですか?
高 まず第一にシングルプレイ専用であることですね。もともと日本のRPGはシングルプレイだったと思うんですが、スマートフォンゲームだからマルチプレイやスタミナ制を導入しないといけないという固定概念が業界全体に深く根付いていて、まずそこに立ち向かっていかないと新しいゲームは生まれないと考えました。
──ゲーム起動時のお知らせや通知がないのもスマホゲームらしからぬ部分ですよね。
高 じつはそういったシステム自体は備わっているんです。ただ、お客様の声でそういう部分がいいよねという声をいただいていたり、我々開発チームもそのほうがいいと考えているため、現状この形になっています。
──従来のスマホゲームと一線を画した作りですが、制作に際して周囲の反応はいかがでしたか?
高 最初のうちは、社内でも社外でも反対意見が多かったです。ただ、そこは粘り強く、強い信念を持って戦ってきました。方針は2年前からまったくぶれていません。
──やはり反対の声も多かったんですね。
高 誰がどう考えても無理だと思うのは当然だと思うんですよ。でも誰もが無理と思うからこそ、いろいろチャレンジできました。
もっともこだわったのは快適な操作性
──タイトルである『アナザーエデン』にはどのような意味が込められているのでしょうか?
高 タイトルの意味はゲームをプレイしていただければ「あ、そういうことか!」とわかるキーワードになっています。ゲームクリアーまで進めていただければ「なるほど」とわかっていただけると思います。
──“時空を超える猫”というサブタイトルにもなっており、パーティとともに行動している猫にも何か秘密が?
高 最後まで読み進めていただければわかると思いますので、ぜひストーリーを進めていただればなと。
──ちなみに、街にも猫がいますが、あちらは?
高 かわいいですよね。“いま”はかわいい。
──なるほど。すごく含みを感じますが(笑)。
高 かわいいです(笑)。
──(笑)。ストーリーはもちろん、バトルやキャラのセリフひとつひとつにこだわりを感じますが、もっとも開発に時間を費やした部分はどこですか?
高 開発期間の最初の半年から1年のあいだは、とにかく操作性の向上に時間を費やしました。ゲーム自体がおもしろくても操作性が煩雑で面倒であれば、ゲームとして成り立たないし、楽しくプレイし続けることもできないと思うので、ベースとなる操作感を作ることに重点を置きました。
──操作面も含めて、非常に完成度が高いと感じたのですが、高さんの中で現時点での完成度は?
高 クオリティは100%だと思っています。ボリュームについては0.1%じゃないでしょうか。
── 0.1%!? 99.9%もまだ残していると。
高 いまの段階で何ヵ月も遊べるゲームになっているとは思っていないので、これからどんどん遊べるコンテンツを増やしていきたいです。また、ゲームの中だけでなく、外の世界にも『アナザーエデン』を普及していきたいと考えています。『アナザーエデン』はまだ生まれたばかりの赤ちゃんなので、それを育てるも育てないもこれから次第というわけです。
── 「10章や13章などのボスが強くて勝てない」という声をよく聞くのですが、このあたりの難易度の高さにもこだわりが?
高 今作では“レベル上げが楽しい”という部分を重視していています。レベルを上げて強くなって、これまで勝てなかったボスに勝てる、それが楽しいと。いきなり敵が出てきてそれをなんとなく倒してっていうのはもはやゲームではないと思っているので、楽しくレベル上げしてボスに挑んでほしいですね。
──レベルを上げず、装備も揃えないでボスに挑んで負けちゃってるプレイヤーも見かけますね。とりえあえず強いキャラで突っ込む的な。
高 申し訳ないですが、この『アナザーエデン』はそのようなお客様には楽しんでいただけないかもしれません。でも、我々としては遊び方を変えるつもりはないですし、これが楽しいと思えるお客様に最大限楽しんでいただけるゲームにしていきたいと考えています。
──じつは自分もいつものスマホゲームのノリで進めたらボスに倒されてしまって……。プレイしている知人に相談して教えてもらうことも多かったですね。
高 公式から攻略情報を出していないからこそ、会社の同僚や友だちなどで攻略情報のやり取りができているんじゃないかと思っています。ゲーム自体では、ソーシャル性を除いたのですが、その先には無限のソーシャル性があって……そんな風に本当の友だちといっしょにゲームを楽しんでほしいです。
新キャラが手に入る外伝シナリオ近日開催
──多くの方が気になっている部分であると思うのですが、『アナザーエデン』の今後の展開について教えていただけないでしょうか。
高 多くのスマホゲームは、短いスパンでつぎつぎと更新してみなさまに楽しんでいただく運営ですが、我々としては今回のようにしっかり作り上げて完成したものをご提供したいと考えています。なので頻繁な更新は基本的に行う予定はありません。
──ストーリーの追加はありますよね?
高 ストーリーについては、加藤正人が絶賛シナリオを執筆中です。今回、配信と同時に2年かけて制作したものを出し惜しみなく提供したので、第2部の提供までにはそれ相応の時間がかかるのはご理解いただきたいです。
──第2部のボリュームや実装時期の目安など、いまの時点で判明している情報があれば教えていただきたいです。
高 現在制作中なので、第2部のボリュームや配信時期、どう着地するかなど、誰にもまったく予想がつかない状態ですね。納得していただけるクオリティのものを、現在のお客様のプレイスタイルや感想、不満な点なども加味して作っていきたいと思うので楽しみにお待ちいただければと幸いです。
──ちなみに第1部のシナリオ制作自体にどのくらいかかったのですか?
高 メインとなるストーリーの作成期間は2週間くらいでした。
──2週間!? 2週間であれだけのシナリオを作れるとは……。
高 加藤正人は天才ですよ。もちろんそれは骨格が2週間なのであって、組み込みまで含めると1年以上はかかっています。さらに、第1部が2週間でできたからといって第2部も同様に2週間でシナリオの骨格ができるかというとなかなか難しいです。第1部で世界が広がり、シナリオも広がっているので、全体を調整する時間が必要になってくるので制作期間は伸びますね。
──第2部の実装までとくに動きはないということでしょうか?
高 いえ。メインストーリー以外にも遊べるコンテンツを実装していこうと開発を進めています。直近ですと、外伝シナリオを近日中に実装する予定です。
──外伝シナリオとは?
高 本筋とは違い、特定の新しいキャラクターにフィーチャーしたストーリーです。メインストーリーほどではないですが、キャラクエストより多いボリュームの物語です。その第1弾が“ふたりの騎士と祈りの魔剣”となります。
──その新キャラクターを仲間にすることは可能だったり?
高 もちろんできます。外伝クエストを始めた段階で仲間にすることが可能で、クエストクリアー後も仲間としていっしょに冒険できます。
──ちなみに新キャラクターで仲間にできるレアリティはいくつなんですか?
高 最初は☆2です。
──上限のレアリティは?
高 それは遊んでからお楽しみということで(笑)。
──なるほど(笑)。難易度的にはどのくらいを想定しているのでしょう?
高 クリアーしている方からしたら難なくクリアーできるくらいです。
──多くの人が楽しめる難易度というわけですね。いつころ実装予定なんでしょう?
高 5月上旬~中旬を予定しています。今回の外伝シナリオは期間を設けていません。ですので、いつ始めても同じように遊べるようになっています。
──この外伝シナリオが本作の運営スタイルになっていくのでしょうか?
高 そうですね。お客様に不評でない限り(笑)。今後も1ヵ月~1.5ヵ月に1回くらいのペースで実装していけたらいいと思っています。
『アナザーエデン』Ver1.1アプデで外伝、新ダンジョン、新キャラ追加などを発表 |
──外伝シナリオ以外に新しいコンテンツの実装予定はありますか?
高氏 ひとつはゲーム内ミニゲームを実装できたらいいいなと考えています。旧来の日本のRPGではゲーム内でいろいろなの遊びを楽しめたので、RPG以外のミニゲームを取り入れていきたいです。
──上級者に向けたエンドコンテンツの実装予定していますか?
高氏 本当に強い人しか攻略できないエンドコンテンツ的なクエストを提供する予定はあります。しかし、エンドコンテンツを意識し過ぎると、そこまで到達できないお客様は遊べなくなってしまうので、エンドコンテンツも作りつつ、外伝シナリオのような、多くのお客様にく遊んでいただけるコンテンツを作っていきたいと考えています。
──無課金プレイヤーでも楽しめるコンテンツはありがたいです。個人的には主人公を始めとするメインキャラクターたちをクラス5にできるとうれしいのですが……?(笑)
高氏 そうですね。やはり主人公なので(強くないと)……という声もあるので、そのあたりも検討していきます。
──期待しています。ありがとうございました!
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