“大人気アプリ”って実際何人くらい遊んでるの? “App Ape”でわかるアクティブユーザー数とは
2016-12-29 11:00 投稿
“App Ape”でわかる流行アプリの実態
ゲーム内のイベントやテレビCMなどでよく見かける、“○○○万ダウンロード突破”というフレーズ。ダウンロード数は、アプリの人気や盛り上がりを示すひとつのバロメーターとして使われることが多い。ただ、アプリのダウンロード数はメーカーによってカウント方法が異なるため、それだけで本当に“人気”であるかは分からない。
では本当の“人気”は何でわかるのか。その指標のひとつとされているのが、アクティブユーザー数と呼ばれる数値。簡単に言えば、毎日アプリを起動するユーザーや毎月の利用者数を表すものだ。
ただ、アクティブユーザー数は配信元のみが確認できる情報で、一般に目に触れる機会は滅多にない。
そのブラックボックス化された情報を可視化、分析・推測し、ランキング形式でデータを提供しているのが、今回紹介するサービス“App Ape”(アップエイプ)だ。
App Apeとは?
App Apeは、スマホアプリ分析支援事業を手掛けるフラーが運営する法人向けサービス。パネルユーザーのスマホ利用状況を調査・分析し、アプリを起動した時間や同時所持アプリといったアナリティクスデータを提供している。
Androidユーザーが調査の対象で、パネルユーザーは約10万人、調査アプリは77000本を超え、過去1000日分のデータを知ることが可能となっている。
●膨大なアナリティクスデータを分析・推測
●性別から年齢まで知れる詳細なユーザー情報
●昨日のランキングが今日見れる! 1日で更新される最新データ
このApp Apeについて、顧客がどう活用しているのか、ビジネスの狙いはどこにあるのか、フラーのチーフビジネスマネージャー・岡田雄伸氏(写真左 以下、岡田)とビジネスマネージャーエヴァンジェリスト・按田洋平氏(写真右 以下、按田)に訊いた。
スマホアプリ市場を明確化する“App Ape”
──なぜスマホアプリに注目し、App Apeの運営を始めたのでしょうか?
岡田 いちばん大きな理由は、アプリ市場に将来性を感じたからです。そこで、メーカーが発表するダウンロード数に目を付けました。ダウンロード数とは、リセマラなどにおける重複ダウンロード数込みなのかそうでないか、各社定義が異なります。「実際何人ぐらい遊んでいるんだろう?」と疑問に思い、アナリティクスを分析するApp Apeを運営し始めました。
──じっさいに遊んでいるプレイヤー数が知りたいと。
岡田 私たちは、実際にアプリを遊んでいる“アクティブユーザー数”が、“人気”の指針として大きく評価されるべきだと考えています。しかし、その数値が表向きに公開されることは滅多にありません。ブラックボックス状態のアクティブユーザー数を明確化することで、良質なアプリが日に当たるのではないかと考え、この市場に主軸を置きました。
──アクティブユーザー数はどのように割り出しているのでしょう?
岡田 App Apeは、約10万人のパネルユーザーからスマホアプリの利用状況を収集しています。そこからマーケティング調査の考えに基づいて日本のAndroidユーザー数に拡大推計し、さまざまなアプリのアクティブユーザー数を推測する形です。
──App Apeを利用している会社からは、どのような反響がありますか?
岡田 非常によい反響をいただいています。各社ゲーム内外問わず、さまざまなキャンペーンを実施しますよね。そこでライバル企業の成功したイベントなどを参考にすることで、意思決定材料に役立てている方もいます。
──取引先はゲーム会社が多いのでしょうか?
岡田 ゲーム会社は、およそ4割ですね。そのほかは広告代理店の比重が高いですが、あらゆる企業にサービスを提供しています。
──さまざまな市場分析サービスがある中で、App Apeの強みはどこにあると考えますか?
岡田 弊社では、アプリを起動した時間など、パネルユーザーの情報を詳細に知ることができます。また、最新のデータが1日単位で更新される点もかなりの強みだと思っています。
按田 ストアのアプリランキングを日付別に確認できるほか、1日に1回以上アプリを起動するDAU、月に1回以上アプリを起動する“マンスリーアクティブユーザー(MAU)”などもランキング形式で調べられます。そのほか、プレイヤー数が急上昇したアプリや、アプリの月間ダウンロード数といったデータも網羅しています。
──App Apeで調べられる情報は増えていきますか?
岡田 もちろん、今後ますます良質なデータを増やしていく考えで取り組んでいます。 たとえば、テレビCMが流れた時間にどれだけアプリがダウンロードされたかといった、時間帯ごとに細かい動きを捉えるような形です。また、各開発会社のブランド力が保有するファン数をパブリッシャー目線でも知ることができるようになれば、ますますデータ活用の場は広がるでしょう。
フラーの目指すところ
──会社としての今後の展望をお聞かせください。
岡田 フラーはいま、日本と韓国でサービスを展開しています。長期的な目線では、人口が爆発的に増えているアジアや、ゲーム会社が多く存在するユーロ圏など、世界的なサービスを視野に入れて展開していきたいと考えています。まずは海外向けに日本のアプリ市場の実態を示し、さまざまなゲームが日本のマーケットに参入しやすくなる手助けができればと。
──逆に、海外の市場を日本の企業に伝えることについてはどう考えていますか?
岡田 日本のコンテンツは、世界でも活躍できると思っているので、当然、海外進出のためのご協力はさせていただきたいです。かっこいい言いかたをすると、アプリの国境をなくしたいんです。世界のスマホアプリ業界が盛り上がってほしい。それがフラーの長期的な展望です。
按田 「難しい」とか、「よくわからない」というものをなるべくなくし、同じ言語で話せるようにしたいですね。DAUやMAUといったユーザー数も、世界各国同じ“数字”として表現できます。これを利用して、少しずつでもハードルを下げていきたいです。
──すでにグローバルな視点で取り組まれているのですね。
岡田 つねに世界を見据えて動いています。ですがフラーは日本で立ち上げた会社なので、まずは日本国内で成功を収め、いずれ海外での上場を目指します。
世界進出を目標に、日々スマホアプリ分析支援事業に取り組むフラー。今後もゲームメーカーを後押しする存在として、アプリ業界全体を支えてくれることに期待したい。
App Ape(C) 2016 Fuller, Inc.
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