『セブンナイツ』を成功に導いた6つの秘策!『ギルティギア』とのコラボも明らかに

2016-04-21 16:18 投稿

ネットマーブルのグローバル戦略とは?

2016年4月20日、東京・六本木アカデミーヒルズで開催された“Google for Mobile Game Bootcamp”。この記事では韓国のトップパブリッシャーである、ネットマーブルのセッションの模様をリポートする。

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本セッションでは、ネットマーブルのマーケティングヴァイスプレジデント、Duke Donghyun Kim氏が登壇。“ネットマーブルが語るグローバル市場での成功するためにやるべきこと”というテーマで講演が進められた。

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セッション冒頭では、ネットマーブルの足跡と現在の状況が紹介された。創業から数年、PCのオンラインゲームを手掛けていた同社は、2013年にモバイルゲーム市場へと参入。他社に先んじて参入できたことで成功を収め、急成長を遂げられたという。

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韓国国内のモバイルゲーム業界では他社に大きな差をつけたトップに位置し、世界的に見てもトップ10に入る規模となっている。『セブンナイツ』や『レイヴン』などは日本でも人気なので、知っている人も多いだろう。

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世界的IPを活用した海外進出

グローバル市場への進出を果たした現在、海外での売上が全体の50%に達するまでにいたったが、この成功にはふたつの戦略があったという。そのひとつが、世界的に有名なIPを活用すること。

モバイルゲーム事業に参入して国内トップパブリッシャーになってから、さらに成長するためにはグローバル市場への進出が不可欠。しかし、自国ローカルでは有名でも、当時は世界的に無名の存在であり、その状況を打破すべく世界的IPの力を借りたというわけだ。

この結果、MARVELと組んだ『MARVEL Future Fight』で海外ユーザーを獲得し、Disneyとの『ディズニーマジカルダイス』もローンチ予定。また、今後はさらに異なるDisneyのIPを活用していくという。

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グローバル市場で勝負する有名企業になるためには、世界的IPの活用が近道であり、ネットマーブルの戦略はこれを実証した形と言えるだろう。

国ごとの嗜好に合わせたカルチャライズ戦略

グローバル市場へ進出し成功するための、もうひとつの戦略として挙げられたのが、各国市場の傾向を分析し、最大の効果を得られる施策を打つこと。ネットマーブルではひとつのタイトルを全世界にリリースするのではなく、国ごとに合ったゲーム性のタイトルに絞って投入している。

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さらに、同じタイトルであっても国ごとに仕様を変更してリリースする戦略も。これは単なる翻訳に留まらないのはもちろん、ユーザーの嗜好を研究したうえでのカルチャライズとなる。Kim氏は『セブンナイツ』における日本版とグローバル版の比較を例に、6つの違いを説明した。

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まずは“UIの違い”。グローバル版のメインロビー画面はあらゆるメニューが網羅されているのに対し、日本版は機能的ですっきりとした見た目のレイアウトにしている。日本のユーザーはコンソールゲームに慣れているため、それに対応したレイアウトを構築したという。

また、ガチャの画面にも違いが見られた。グローバル版は韓国版と同様のUIになっており、ガチャの結果にだけ興味を示すユーザーに向けた画面だ。一方で、日本のユーザーはガチャを回す行為そのものを楽しむため、レイアウトを変更し、サウンドを含めた演出も強化されている。

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続いては、声優の起用”について。韓国では声優に対する嗜好が薄いため、特別に声優を起用してボイスを録ることがない。しかし、日本では有名な声優をキャスティングしていることがゲームの価値を高める文化があり、日本版では声優が起用されている。

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“キャラクターのコスチューム”も日本向けに変更。アニメ調を意識したコスチュームを実装している。

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また、日本では“他コンテンツとのコラボレーション”が盛んなことを受け、『ブレイブルー』とのコラボイベントを実施。今後は『ギルティギア』とのコラボも予定されている。

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さらに、日本のユーザーはゲームの“ストーリー性を重視”することや、“モードの多彩さ”を求めることが挙げられ、韓国版やグローバル版にはない仕様に変更しているとのこと。

これらを聞いていると、確かにそうだと思わされる部分が多く、ネットマーブルが日本市場を徹底的に分析していたことが『セブンナイツ』のヒットにつながったと言えそうだ。

日本が知っておくべき韓国市場の特徴

『セブンナイツ』が日本でヒットしているのが、日本向けにカルチャライズされた成果であるならば、日本のゲームを韓国でリリースする際も、同様に韓国市場の特徴を知り対策を講じる必要がある。そこでセッションの最後は、韓国モバイルゲーム市場の特徴が紹介された。

韓国は小さい国だが、モバイルゲームの市場規模は世界4位と高く、ゲームユーザーが多く存在していることがわかる。また、アクションRPGを好む特徴があり、ランキングではアクションRPGジャンルが席巻しているようだ。

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Kim氏は「アクションRPGを作って韓国に入ることを勧めるわけではありませんが、まずはこれらのタイトルをプレイしてみてください。韓国のユーザーが何を求めているのか、その理解を深めることをおすすめします」とコメント。

また、シンプルなゲームシステムが好まれることや、ユーザーが対話できるネイバーカフェ(ネットコミュニティ)の設置が必要なことなども挙げられ、日本と韓国のスタイルの違いが、かなり多く見られることが伝えられた。

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ネットマーブルが各国で成功を収めているのには、確かな理由があった。スマホアプリゲームでグローバル展開をするならば、各国の嗜好に合わせることが必要不可欠なのだと言えるだろう。

セブンナイツ(Seven Knights)

ジャンル
RPG
メーカー
ネットマーブルゲームズ
配信日
配信中
価格
無料(アプリ内課金あり)
対応機種
iOS 6.0 以降 / Android 4.1.2 以降

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