【独占】『オルサガ』第二部以降の展開や未公開設定も飛び出した開発者インタビュー

2015-12-29 05:00 投稿

第一部完結記念で語り尽くす!

セガネットワークスより配信中の戦記RPG『オルタンシア・サーガ-蒼の騎士団-』(以下、『オルサガ』)。

“Google Play ベストオブ2015”にも選ばれた本作は、中世ヨーロッパ風の世界観で、個性的なキャラクターたちが織り成す壮大なストーリーが魅力。

2015年4月22日にリリースされた『オルサガ』だが、12月にメインストーリー“オルタンシア伝”の第一部が完結し、ユーザー的にもようやくひと区切り。そこで、本記事ではこのタイミングを利用して、開発陣のキーマンであるf4samuraiの田口堅士氏、セガゲームスの217(にいな)氏のおふたりにインタビューを敢行!

ストーリーの裏話から、年齢や強さの比較といった未公開のキャラクター設定、そして第二部への展望やストーリーのヒントなど、いまだから話せる秘蔵トーク満載の内容でお届けするぞ。

 
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▲『オルサガ』の制作を担当するf4samuraiのプロデューサー、田口堅士氏(左)と、セガゲームスのディレクター、217(にいな)氏(右)。『オルサガ』のニコ生番組『オルタンシア国営放送』でもおなじみ。

リリース2週間前に加えられたイラスト

――第一部完結、お疲れさまでした。リリースが(2015年)4月下旬でしたから、丸7ヵ月とちょっとになりますね。

田口 本当にたいへんでしたね。と言っても、じつは休む暇もなく第二部の準備を進めている段階なので、気持ちの上ではずっと臨戦態勢のままなのですが(笑)。

217   「これまでにないタイプの作品にしよう!」ということで、田口さんたちf4samuraiのスタッフと一丸となって、時にはぶつかり合いながらここまで突っ走ってきました。正直なところ、こんなハイペースで累計300万ダウンロードを突破し、“Google Play ベストオブ2015”にも選ばれるなど、ここまで高い評価を受けることになるとは思ってもいませんでした。

――とにかくアツいプレイヤーが多いですよね。騎士団戦でも、上位1000チームくらいまでかなり競っていますし。

217 騎士団戦については、かなりの情熱を注いでいる方もけっこういるみたいなんですよ。

田口 先日、昼の騎士団戦の時間を統合する……と発表したのですが、その反響も驚くほど大きかったです。そこでさまざまなご意見をかなりいただいたので、統合については再検討させていただくことにしましたが、それだけ熱狂的な方々に支えられているというのはうれしい限りですね。

――『オルサガ』にはユーザーのために、“不具合報告”の掲示板が用意されていますが、開発にとってかなり“重い”存在ではないですか?

田口 本音を言うと、見るのがツラいです(笑)。掲示板の性質もありますが、厳しいご意見も多いですからね。

217 「開発のモチベーションにも影響するし、無くてもいいんじゃないか?」という意見もありましたが、この掲示板があることで、ユーザーの意見をつねに身近に感じることができますし、僕らとしてはこれを外すつもりはありません。

田口 それに、僕らが気付かなかったような不具合なども見つけて報告してくれたりするので、すごくありがたい存在でもあるんですよ。見てないんじゃないか? と言われていたりするのですが、必ず目を通しています。すべてが対応できていないので、心苦しいところではあるのですが……。

――なるほど。貴重な場になっているのですね。不具合とは別の話になりますが、第一部のラストはかなり衝撃的な展開でした。そのことでユーザーからはどんな反応がありましたか?

217 具体的な内容はネタバレになるので言えないのですが、終盤のストーリーは、新しいものを公開するたびに真逆の内容の悲鳴があちこちで上がっていたようです。

田口 ユーザーの皆さんには毎回ハラハラさせることになってしまい、申し訳なかったのですが、僕らとしては狙い通りの展開となりましたね。

――それは最初から予定されていた展開だったのでしょうか?

田口 第一部のラストに関しては、『オルサガ』を立ち上げて全体のストーリーのプロットを作り上げたときから、こうしようと決めていました。

217 もちろん、そこに至るまでのストーリーについては、ユーザーの反応を見ながら少しずつ変えていった部分もあります。ボリュームが増えすぎたところを、“外伝”や“騎士伝”に回したというケースがいくつかありました。

――本編の“オルタンシア伝”だけでなく、“外伝”や“騎士伝”、さらに期間限定イベントなど、ストーリーのボリュームがとんでもないことになっていますが、どなたが書いているのですか?

田口 僕はゲーム全体を統括する立場だから、シナリオに関してはベースになるプロットをライターたちと作ったら、あとのライティングは社内の人間に任せています。ただ、上がってきたシナリオは全部目を通しているので、実際はかなりの部分に関わっているかもしれません(笑)。

217 第11章のシナリオも、出張の行き帰りの移動中にチェックして、すごい指示を出していましたよね!

――え? どんな指示があったのでしょうか?

田口 自分たちで作っておいて何ですが、あそこはかなり“泣ける”シーンが連続していて、言葉だけでなくビジュアル的にももっと盛り上げられないか、と思って急遽「イラストを4枚描いて挿入してほしい」と言ったんです。

217 田口さんとスタッフの熱意で、思った以上にすばらしいシーンになってくれました。

 
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▲その思わずドキッとさせられてしまうようなカットがこちら。まだ観ていない人は、ぜひメインストーリーを進めて確認してほしい!

『オルサガ』は三部作だった

――引き続きストーリーについてお聞きしていきます。第一部では、かなりの謎が残ったまま終わってしまった感があるのですが、それらは第二部で解決されることになるのでしょうか? たとえば、ルギス公が人狼になってしまった理由だとか、ルギス陣営にいる謎の女性テレジアや双子の正体、そして黒騎士ディディエの正体と生死など……。

田口 そうですね。第二部に向けてたくさんの謎が残っています。この前のファン感謝祭(2015年12月6日開催)でも発表したのですが、第二部はルギスが治めるカメリア公国がおもな舞台となります。ですから、ルギスやカメリア関連の謎はここですべて決着がつく予定です。

217 いろいろなところで質問をいただくのですが、フェルナンドとモーリスが義兄弟になったきっかけを始め、主要人物の過去のエピソードについては、騎士伝で語られているものもあるので、いろいろなキャラクターを集めてみてくださいね。

 
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▲カメリア軍にいる謎の女性、テレジアの正体も第二部で明らかになる!?

――なるほど、各キャラクターの騎士伝を開放していけば解ける謎もあるということですか。

田口 騎士伝は、Nのキャラクターでも同じものが見られるようになっているので、ノーマルガチャでNキャラを出して、エピソードLvを上げていけば、ほとんどのキャラクターの騎士伝を見ることが可能です。

217 ただ、イベント限定のキャラクターなどは、そのときに入手しないと手に入れるチャンスがなくなってしまうので、ぜひイベントも楽しんで欲しいですね。先日(2015年12月25日)まで開催されていたクリスマスイベントなどもそうです。うっかり、Rのキャラクターを交換し忘れたりしちゃうんですよね(笑)。ウチのスタッフもよく悲鳴を上げています。

――確かに! SSRのキャラクターを5枚手に入れたら安心してしまって、SRやRのキャラクターのことを忘れてしまうんですよね。いまのお話の中で少し気になったのですが、第二部“は”……ということは、その後もストーリーが予定されているということですか?

田口 そうですね、もともと『オルサガ』は三部作の構でストーリーを作っています。第一部は、寄り道をしていたら当初の予定の1.5倍くらいに物語が膨れあがってしまいましたが、だいたい予定通りに終わりました。第二部は、第一部と同じくらいのボリュームを想定しているので、また同じくらいの時間をかけて楽しんでもらえるのではないかと思っています。

――ちなみに、第一部で田口さんご自身がお気に入りのエピソードなどはありますか?

田口 個人的にとても気に入っているのが、第3章でデフロットが教会騎士に対して「オレはなぁ、もう何年も前からな……ずーっと、教会に逆らってるんだっ!!」と言うシーンです。この章では、教会の司祭であった父に反発していたデフロットが、亡き父の真意を知り、それを見抜けなかったデフロット自身への憤りとか、いろいろな感情が渦巻いている中で、吐き出された言葉だったわけなのですが、とても思い出深いシーンになったなと思っています。

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▲デフロット最初の見せ場となる、第3章終盤のワンシーン。前後のくだりと併せて必見!

――なるほど。あらためて読んでみると、味わい深いくだりになっていますね。

田口 ただ、ユーザーさんからは、9話あたりの物語が大きく転換するエピソードがよく話題に上がるので、それはそれでうれしいのですが、ちょっと複雑です(笑)。

217 デフロットは、田口さんイチオシのキャラクターでもありますしね。

田口 あとはマリユスです。やはり、物語をメインで動かしていくキャラクターには愛着があります。

217 僕はラムやメイリンを推したいと思います。とくに、Rのイラストが好きです(笑)。開発スタッフのあいだでは、アーデルハイド好きが多いですね。

――ユーザー間では、どんなキャラクターが人気なのでしょうか?

田口 やはり、騎士団戦で強さを発揮するタクティクス“○○オーダー”持ちのキャラクターがヘビーユーザーさんのあいだでは使われる傾向が強いですね。ただ、僕らと同様“使える”キャラクターと“好きな”キャラクターは違うようです。

217 メインキャラクター以外では、クリスマスイベントで限定ユニットとして登場した、アリアやマリーなど人気が高いようですね。

 
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ファンタジー世界ながらリアリティー溢れる設定

――メインキャラクターの話が出てきたところでお聞きしたいのですが、彼らの年齢構成はどうなっているのでしょうか?

田口 主人公が18歳、マリユス16歳、デフロット24歳、ノンノリア15歳、モーリス43歳 アーデルハイド29歳、ロイ26歳……といったところでしょうか。

217 アーデルハイド好きの人には、彼女の年齢設定はショックかもしれません(笑)。

――デフロットやロイも、思ったよりも年齢が上ですね。ロイは主人公のライバル的存在なので、もっと若いかと思っていました。

田口 やはり組織の中であそこまで台頭するには、それなりの年齢になっているはずですからね。このあたりはリアリティーを考えて設定しています。

――10代で騎士団のトップなど、ファンタジーではよくある話ですが、確かにリアリティーはないですよね。ところで、『オルサガ』では若者以上に活躍している“オジサン”たちの年齢は?

田口 フェルナンドとレオン、ルギスはモーリスのひとつかふたつ上くらいで、皆同年代です。バルトハウザーは11章時点で60歳くらいですかね。年齢不詳と言われるバルデブロン教皇は30歳くらいです。マリユスの弟シャルロは10歳くらいです。

――ちなみに、作中でもモーリスなどを抑え圧倒的な強さを持つ戦士として描かれているフェルナンドやレオンですが、彼らの中で一番強いのは誰なのでしょうか?

田口 ユニットとしての能力とは関係なく、物語の中で比べると、1対1の純粋な強さであればルギスがもっとも上ではないかと思います。ただ、指揮官としての能力など総合的な力を加味すると、ルギスにフェルナンドやレオンを加えた3人が同じくらいで、そのほかの戦士を圧倒して強いと考えられますね。

217 若き日のバルトハウザーなら、彼らに匹敵するかそれ以上の力を持っていたかもしれませんが、現時点ではルギスに敵うキャラクターは登場していません。

――そう考えると、彼ら神殿騎士というのはかなり飛び抜けた存在なんですね。

田口 オルタンシア王国において神殿騎士というのは、騎士団の部隊長などと違ってある意味名誉職と言える存在なのですが、選ばれるには相応の実力が求められることになります。

――お話を伺っていると、かなり細かいところまで設定が行われているようですが、現在登場しているキャラクターの中で、当初の設定から大きく変わってしまった人物はいますか?

田口 一番大きなところでは、ベルトランですね。あとはデュケーヌとか。

217 ベルトランは、まさかここまで活躍することになるとは思ってもみませんでした。最初は、数ある強ユニットのひとり……くらいに考えて作ったキャラクターなのですが、モーリスとの絡みで“秘密特訓”のイベントに出てきたり、ストーリー上でも何度も助けてくれたり……。

田口 とうとう、ファン感謝祭の限定イベントでは、メインを張ることになりましたからね。

217 感謝祭のイベントは6時間限定という限られたイベントでしたが、専用のキャラクターやシナリオ、クエスト内でベルトランと各キャラクターたちが会話をするなかで、会話する相手に応じて内容を変えたりと、かなり凝った作りになっていました。

田口 短期間のイベントなのに、こんなに手間をかけて、開発・運営も馬鹿だな(笑)とユーザーにも言われましたが、「でも楽しかった!」という声をいただけたので、がんばった甲斐がありました。

 
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▲ベルトランの背中に注目! 主役級のキャラクターを喰うインパクトを残している。

――ファン感謝祭では、堀江一眞さん演じるノエルが、見事SSR昇格の権利を獲得しました。彼も設定が大きく変わったキャラクターと言えるのでしょうか……。

田口 彼については、2016年1月中旬実施予定の“ミラージュ・ポーカー”で登場予定です。

217 ミラージュ・ポーカーと言えば、深町寿成さんが演じていたアルノーのような、たいへんな犠牲者が出るというイメージがあるのですが、彼がどんなことになるのかは……お楽しみということで(笑)。

――話を戻しますが、『オルサガ』の舞台となるオルタンシア王国は、世界の中でも具体的にどのくらいの規模の勢力なのでしょうか?

田口  『オルサガ』の世界は、中世のヨーロッパの地図をギュッと圧縮したようなイメージになっています。オルタンシア王国本体が現在のフランス+αくらいで、オリヴィエがイタリア、カメリアがドイツのあたりになります。

――確かに、地図を見ると何となく似ていますね? では、オルタンシア王国のライバルとなるダーイラ帝国のモデルとなっているのはトルコあたりになるのでしょうか。

田口 位置関係としてはそうですね。

217 でも、『オルサガ』がリリースされる前は、そういった設定があることは知っていたのですが、テストプレイのあいだはずっと“西ミゼリコルド平原”から出られなかったんですよ。ちょっと先に進むたびに「新しいバージョンができたので、こっちでプレイしてください」って言われて……。まさかこんなに世界が広がるとは、夢のようです(笑)。

 
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いまは1年後、2年後を見据えた改善を続ける段階

――さて、ここからはいよいよまとめに入っていきます。“Google Play ベストオブ2015”にも選ばれた『オルサガ』が持つ、他のタイトルにはない特徴を挙げるとすれば、どんなところかと思いますか?

田口 我々が誇りに思っているのは、先にも言いましたが、“不具合報告、改善要望掲示板”を常設しているなど、「厳しいご意見を真摯に受け止める!」というところです。毎日のように厳しい意見はいただいていますが、そちらにも絶えず目を通して、対応できるものには必ず何らかのアクションを起こすようにしています。

217 ほかのタイトルにはない、というものではありませんが、『オルサガ』は無課金でも十分すぎるほどに楽しめるような作りにはしています。

――最後に、2016年、第二部に向けての抱負や目標をお願いします。

217 もっと領主様を増やしていきたいですね。500万、600万、それ以上を目標にがんばります。注目してほしいポイントについては、シナリオはもちろんですが、かなり細かいところにも開発陣のこだわりが注ぎ込まれているので、そこを見ていただきたい。たとえば、バトル中のちびキャラのかわいさや動きとか。個人的には、“マゴニア物語”のツボやパンプキンパメラの武器に注目しています。豪華な声優陣に声を当てていただいているので、豊富なボイスも楽しんでほしいですね。

田口 第二部に向けては、より楽しんでいただけるように改善を入れていきます。イベントもやりながらで、けっこうたいへんではあるんですが(笑)。また、2016年だけでなく、その先も1年、2年、第三部やその後も楽しんでもらえるようにしたいと思って作っている段階です。ユーザーの期待にはきちんと応える運営・開発であり続けますので、応援よろしくお願いします。

オルタンシア・サーガ -蒼の騎士団-

ジャンル
RPG
メーカー
セガゲームス
配信日
配信中
価格
基本無料(アイテム課金あり)
対応機種
iPhone、Android

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