【TGS2015】“これまで&これからのオンラインゲーム”を題材にAimingの開発者2名がセッション

2015-09-21 00:35 投稿

黎明期から現在までさまざまなタイトルとともに振り返る

幕張メッセで2015年9月17日~9月20日まで開催されていたイベント“東京ゲームショウ2015”。本イベントのビジネスデー2日目にTGSフォーラムエリアにてAimingの開発者2名(ゲームディレクター/ゲームデザイナーの水島克氏、プログラマーの保泉高広氏)が“これまでのオンラインゲーム、これからのオンラインゲーム”というテーマのセッションを実施。

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本記事では、上記オンラインゲームの移り変わりに沿って語られたセッション内容についてリポートしていく。

これまでのオンラインゲームを振り返る

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まずは、日本のオンラインゲーム黎明期(2000年~2004年)について、いくつかのタイトル・当時の開発環境などもスライドと合わせて説明がなされた。

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SEGAの『ファンタシースターオンライン』(以下、『PSO』)、スクウェア・エニックスの『ファイナルファンタジーXI』(以下、『FFXI』)が日本のオンラインゲームのはじまりとも言える代表作として紹介。

『PSO』はデータベースという概念が存在せず、メモリーカードにキャラクターデータをすべて保存するという現状と比較して考えると危険な構造を採用していた。しかし、しっかりとしたハック&スラッシュのゲーム性を家庭用ゲーム機で表現した画期的なタイトルだった。

『FFXI』はサーバークライアント型のオンラインゲームとなっており、欧米のオンラインゲームを研究し尽くして作られた本格MMORPG。全世界のユーザーが同じサーバーを介して遊べるという仕組みを初めて導入したタイトル。

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▲『ストラガーデン』は保泉氏が携わった国産3DMMORPG。『レッドストーン』は定額制から無料のガチャ課金にシフトしたタイトルとして画期的だった。
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▲一家に1台普及していない時代。回線の種類・速度もADSL・1Mとかなり低速(それでも当時は早かった)。
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▲サーバー関連がすべて物理サーバーとなっており、保泉氏はデータセンターにこもり、ラッキング作業に1日を費やした経験があるとのこと。
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▲拡張性よりも堅牢主体のサーバーを作るための、開発・サーバー費・ランニングコストなどを考えると、資金力のない企業には中々挑戦しづらいジャンルと言えた。

続いて、オンラインゲームのブラウザ化が進行し、オンラインゲームユーザーが増加した時期(2009年~2011年)について、こちらもタイトル・開発環境などと合わせて説明が行われた。

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いち早くブラウザ化のゲームを提供したタイトルとして、マーベラスの『ブラウザ三国志』とDeNAの『怪盗ロワイヤル』が挙げられた。

『ブラウザ三国志』はWebブラウザで遊べる陣取りゲーム。ソーシャルサイト『mixi』内のゲームチャンネルに導入したことでユーザーの数を増やすことに成功している。

『怪盗ロワイヤル』は当時のFacebook内で提供されていたアプリを参考につくられた対戦ゲーム。フューチャーフォンでどこでも手軽に遊べるようにしたことでユーザーが一気に伸びた。

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▲『ドラゴンコレクション』は上で紹介した2タイトルのいいところを併せ持つカードバトル系ソーシャルゲーム。『剣と魔法のログレス』はWebブラウザでもカジュアルに楽しめるように工夫したMMORPG。
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▲PCや携帯電話が普及していき、ブラウジングもしやすくなった頃。回線速度も光ファイバーによる100Mを使用できるように。この頃のゲームの人気を図る指針としてページビュー(PV)が流行った。
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▲サーバー側は、まだまだ物理が多かったが、一部Webサーバー群の使用が増えていった。
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▲ゲームを遊ぶユーザーの増加に対応するべく、2004年の堅牢なサーバーとは打って変わって、拡張を重視したサーバーが流行った。

これからのオンラインゲームについて

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チャプターは変わり、これからのオンラインゲームはどうなっていくのかについて、Aimingで現在配信中のタイトル、配信予定の最新タイトルに触れつつ、2015年の開発環境を交えての解説が行われた。

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▲『剣と魔法のログレス いにしえの女神』と『ロストレガリア』はスマホで楽しめるMMORPG。ただ、サービスに関するスタイルはソーシャルゲームに近しい(クエスト駆動型を採用しているなど)。
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▲光ファイバーによる100Mが完全な主流になり、スマホもひとり1台所持する。クラウドサービスも使用しやすくなったり、他社のゲームエンジンで比較的たやすく製作しやすくなったりと、環境がととのいつつある。
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▲仮想サーバーでほとんどを賄う。ユーザーの増加に合わせてサーバーを増やす“ホットスタンバイ”態勢を整えておくといった形に。しかし大切なデータベースに関しては物理で対応しているところが大多数とのこと。
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セッションのまとめ

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いつでもどこでも遊べるゲームの必要性が高まっているので、オンライン化は今後必須になるであろう。

国内でのヒットだけでなく…海外でも運用するということを視野に入れて開発・運営していく必要性がある。

国ごとの通信環境への対応というのは、使用量に応じて、通信環境を一時的にシャットダウンしてしまうなど、プレイヤーがゲームをプレイできなくなってしまう可能性が生じるパッチなどを勝手にDLしないように工夫すること。「Wi-Fi環境でのDLをオススメしますなど」といった注意を促す形でプレイヤーへの気配りをしていくことも必要。

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