250万DLの秘策を開発陣が語る『モンスターギア(モンギア)』メイキングセミナーリポート
2015-08-24 17:30 投稿
ヒットを生み出したキーパーソン集結
2015年8月21日、東京・秋葉原のUDXシアターでボーンデジタル主催による『モンスターギア』(以下、『モンギア』)のセミナーが行われた。
『モンギア』と言えば、セガが贈る新時代ハンティングアクションRPGであり、250万ダウンロードを達成した人気のスマートフォンアプリ。
ファミ通Appではそのゲーム性にいち早く注目し、モンギア隊を結成したり、wikiや最新記事による攻略情報を日ごろからお届けしている。
今回のセミナーでは『モンギア』のプロデューサーを務める中村泰良氏、ディレクターの久井克也氏、リードデザイナーの笠井隆司氏、女子クリエイター集団“つくる女(ジョ)”よりアートディレクターの澤江美香氏の4人が登壇。
携帯ゲームコンテンツのプロデュースとディレクション、ゲームデザインをキーワードに、開発に携わる多くのクリエイターを対象にしたメイキングセミナーが行われた。
その模様をモンギア隊を代表して俺、深津庵がお届けするぞ!!
登壇者プロフィール
中村泰良(なかむらたいら)氏
セガゲームス セガネットワークス カンパニー
プロデューサー
久井克也(ひさいかつや)氏
セガゲームス セガネットワークス カンパニー
ディレクター
笠井隆司(かさいたかし)氏
セガゲームス セガネットワークス カンパニー
リードデザイナー
澤江美香(さわえみか)氏
女子クリエイター集団“つくる女(ジョ)”
アートディレクター
本作ではメインビジュアル・OPムービー制作・SEGAアートディレクターの指示の元、モンスターや装備デザイン等全般を制作。
プロデュース編
中村泰良氏
野球でたとえる中村たいら式ヒット製造法を語る
セミナーの冒頭で自身の経歴から、セガ入社以前に務めていたバンダイで学んだ“売れるゲーム作り”のノウハウと、セガが得意とする“おもしろいゲーム作り”を融合させること。
それがヒット作を生み出すうえで、中村氏の大きな武器になっていると語る。
『モンギア』開発当時、スマホ市場にはハンティングアクションが不足していた点、また、同ジャンルがうまくいかない理由を考え、3つのポイントを解決することで問題をクリアーしたという。
また、成功確率を上げた背景として、自身が制作した『サカつくシュート!』でスマホゲーム運営において重要なものがわかったこと、優秀なスタッフが揃ったこと、会社自体も経験が豊富でかつ当時のマルチプレイブームも後押しして、上層部に企画を通しやすかったことと説明した。
野球にたとえたヒット製造法では、スマホ市場を真っ暗な野球場とし、どこに打てばヒットになるのかわからないが、その半面、リリース済みのタイトルからヒットゾーンを知ることができると述べた。
そして、同じゾーンに打ちたくなるけれど、すでに潰されていることもあることから、新しいヒットゾーンを探す必要があるのだと続けた。
さらに、ヒットゾーンを見極める“マーケット感覚”、どんな打球を打つかをイメージする“企画力”、そのイメージ通りに打つ“開発力”が必要だが、後者2種類の能力をすぐに身につけるのは難しい。
しかし、マーケット感覚だけは簡単に鍛えることができると続け、これを鍛えておかないと駄目な企画を通して、良い企画を潰してしまう恐れがあるのだと語った。
リリース前のタイトルを自分の感覚で順位を予測して、実際の結果からそのズレを修正。マーケット感覚を磨くことが重要であると強く強調。
結果分析のみでは、計算ドリルの答えを見ているのと同じというわけだ。
ディレクション編
久井克也氏
大きな遅延なく進行できた理由は何でも言える関係性
企画初期段階からリリースまで、約1年間の全体スケジュールを振り返る久井氏は、概ね順調にプロジェクトが進行した背景には、プロデューサーとの蜜月、座組み、最大のリスクを最初に潰すよう全力を注いだ点にあると語る。
中村氏とは帰宅後もLINEを使ってやりとりをしていたり、いまでもお昼ごはんをいっしょに食べに行くほどの間柄。仲がよすぎる余り、部内ではあらぬ誤解まで生まれたようだが、何でも言える関係性であることは物作りをするうえでとても重要とのこと。
プロデューサーとディレクターが同じ方向を向いて進んでいくことが、プロジェクトを成功させる秘訣というわけだ。
また、座組みの勝利という面では、自分がどんなタイプのディレクターであるのかを知ることが必要不可欠だともした。
久井氏は自身を調整役と判断。プロデューサーやメインプランナー、チームメンバーらの声を束ねてそれをベースに座組みを作ったようだ。
上記にもある通り、力を入れるところと抜くところを最初に見極め、どこにリソースを割くのかを明確にする。
それを、チームに共有することで、大きなリスクを事前に潰すことができたため、スケジュールの見直しは最後まで発生しなかったという。
最大のリスクを潰す話のなかで興味深かったのは、デザインリソース面についての話だが、詳しいことは以下のデザイン編でまとめていこう。
デザイン編
笠井隆司氏
デザイン面から見る『モンスターギア』
笹井氏が基本方針に掲げた3つのポイントと、大まかな制作の流れを図解で解説。
ベースと上位、ふたつのフォーマットに準じて、各デザイナーがモンスターやギアを描くことでパーツを共有、コストを最小限に抑えることでバリエーション化を実現。
パーツの追加と色替えで上位のものを作ったという。
モンスターのデザイン設定のルールでは、基礎となる骨種を用意。種ごとの統一性を保ちやすいようにしたと語った。
ギアデザインの設定レギュレーションも、各パーツの固定ヶ所を指定。最大可動範囲やモーションのめり込み調整などを考慮して、各自が共通認識を持って制作を進めていったようだ。
また、各ギアごとのポリゴン数やテクスチャー数、それぞれの最大値も解説。
モデリングやウェイトなど、3Dモデルの制作を目指すクリエイターにとっては、興味深い内容が多く述べられた。
そしてもう1点、本作の要となるモンスターのモデリングとベースとなる骨格も公開。
ギア同様、使用するポリゴンの目標数を決めることで、1画面内の処理能力を安定化させているようだ。
我々が日夜戦っているモンスターは、30~40のボーンで構成されていることがわかったと同時に、そこまで細かに作られているのなら、モンスター図鑑にズーム機能を搭載してほしくもなった。
こちらはモーション制作について。
本作のマスコット“ポテト”のボーン数が47と多いのは、誌面などで大きく扱う機会もあるため、細かく作りこんいるのだ。
デザイン編
澤江美香氏
プロクリエイター集団“つくる女”の功績
本作のオープニングムービーやメインビジュアル、モンスターデザインに携わる澤江氏は得意のイラストを使い、制作サイドや“つくる女”を含めたイラストチームの体制を説明。
とってもわかりやすくて魅力的であることもあり、「俺もそこに参加したい!」と男のくせに手を上げたくなるものだった。
これは久井氏の語っていた面からも伺える通り、つくる女の皆さんも意見を言いやすい関係性にあるようで、思いつくままに提案したものが数多く実装されているという。
こんなやりとりから……
物議をかもした例のギアが誕生したとはね!!
つくる女が心がけているのは、“自然物かつひと癖あるキャラ”。
また、戦国系のモンスター(ギア)が登場したときには、それぞれモチーフになった武将の特徴を取り入れることで、ほかにはない独創的なものに仕上がっているのだとわかった。
最後、現在開催中のイベント“降りそそぐ夏の星々”で、澤江氏が推したいギアとして下記のものが紹介された。
ずっと頭が長く見える帽子と信じていた俺は、これがハゲ頭だとこの日判明して驚愕。
女性装備はとってもかわいいぞ!!
参加者との質疑応答も充実
プログラマーやデザイナーなど多くのクリエイターが参加した今回のセミナー。
4人に向けられるのは専門的なものが多く、俺には半分くらい理解できない内容だったけど、こうして直接聞くことができるのがセミナーの魅力。
「襲来イベントのドロップ率、渋過ぎませんか!?」
なーんて個人的な愚痴をぶつけてやろうかと思ったけど、そんな暴挙が許される空気ではなかった。
ゲーム制作の世界を目指す人は、こうしたセミナーに積極的に参加し、ふだんは聞けない制作の裏側や、心がけるべき点をぜひ学んでもらいたい!!
余談
澤江氏が描いたお3方。
似すぎだよコレ! こんな素敵な似顔絵描いてもらったら、Twitterのアイコンとかで速攻使いたくなるよねっ。
P.N.深津庵
▲モンスターギア(モンギア)攻略まとめはこちら▲ |
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モンスターギア
- ジャンル
- ハンティングアクションRPG
- メーカー
- セガゲームス
- 配信日
- 配信中
- 価格
- 無料(アプリ内課金あり)
- 対応機種
- iOS6.0以降/Android4.1以降
- コピーライト
- (C)SEGA
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