『FFXI』の意思はたしかに受け継がれていた! 『FFグランドマスターズ』プロデューサーに今作の魅力を訊く!! 

2015-05-29 15:00 投稿

『FFXI』プレイヤーも懐かしさを感じられる一作

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2015年3月19日、都内の恵比寿ガーデンプレイスで開催された“ファイナルファンタジーXI ヴァナ・ディール プロジェクト”プレス発表会。

そこで電撃発表された、MMORPG『ファイナルファンタジーXI』とキャラクターや世界観を共有する『ファイナルファンタジーグランドマスターズ』(以下、『ファイナルファンタジー』を『FF』)は、“『FFXI』の世界観で楽しめる”“スマートフォンでプレイできる”“MMOらしさを手軽に体験できる”という3つのコンセプトを軸とした、スマートフォン向け本格オンラインRPG。

今回は本作の真相を探るべく、プロデューサーの渕上貴史氏に直撃インタビューを決行。

『FFXI』ユーザーも気になる世界観の共通性やジョブ、バトルの仕組みなど、さまざまな要素を語ってもらったぞ!

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▲スクウェア・エニックス 『FFグランドマスターズ』 プロデューサー 渕上貴史氏。

ネイティブアプリ版『FFXI』とは別軸で動いていた!?

――『FFグランドマスターズ』を作るに至った経緯、またなぜ『FFXI』を題材にしたスマートフォンゲームを作られたのか。お聞かせください。

渕上貴史氏(以下、渕上) じつは私自身『FFXI』の開発チームにいたわけではなく、『三国志乱舞』や『スクールガールストライカーズ』などのフリーtoプレイ向けゲームを主に手がける部署に所属しています。そこで約3年ほどゲームのプロデュースに携わってきたのですが、いっしょに仕事をさせていただいた開発会社の中に心から『FFXI』を愛してくださっている方が多くいまして。その中で「『FFXI』の”ヴァナ・ディール”という世界でなにかできたらいいよね」という話も多くしていたんです。

――それで『FFXI』でなにかしようと思い立ったのですね。

渕上 そうですね。自分が携わっていたタイトルがひと段落したタイミングで次回作について考えたときに、「『FFXI』の世界観でフリーtoプレイのスマホ向けゲームを作りたい」と思い立ち、ダメ元でそれを『FFXI』のプロデューサーである松井聡彦(以下、松井)とディレクターの伊藤泉貴(以下、伊藤)に相談しました。すると快く承諾してもらえたので、『FFグランドマスターズ』の企画の検討を始めました。

――ということは、先日発表された”ヴァナ・ディールプロジェクト”ありきの企画ではなかったと?

渕上 はい。これは本当にたまたまですね。私が松井と伊藤に『FFグランドマスターズ』の話をしたのと、ネイティブアプリ版の『FFXI』のプロジェクトが始動したタイミングが偶然一致しただけなんです。ただ、『FFXI』も14年目を迎えようとしている時期なので、もしかしたら松井の中では何かしらの構想はあったかもしれないですが(笑)。

――渕上さんご自身が『FFXI』のネイティブ版を開発しようと思ったことはありましたか?

渕上 正直、なかったですね。これほど大きなタイトルなので、『FFXI』のネイティブ版となると実際どのようなものを作ればいいのかイメージも湧きませんでしたから。

――となると『FFグランドマスターズ』は、どういった発想のもと生まれたものなのでしょうか?

渕上 いまでこそ“『FFXI』の世界観を、スマホで気楽に且つ、MMOらしい遊びが楽しめる”といったコンセプトがありますが、当初はこの世界観でGvG(正式名:Guild vs Guild。プレイヤーの集団と集団が戦うシステム)をベースにしたゲームを作れないか、というのが、まず第一にありました。ブラウザゲームの時代はGvGのコンテンツが多くあったと思うのですが、ネイティブでGvGを取り扱っているものは割と少ない。それもあってGvGを主軸にしたコンテンツを考えていました。

――GvGを選ばれた最大の理由は、市場規模を考慮した結果ということでしょうか? 

渕上 もちろん、自分自身が、そうしたゲームを好んで遊んでいたというのもあります。それに加えて、スクウェア・エニックスのスマホアプリ全体、ひいては『FF』アプリでもそうしたみんなで協力して遊ぶタイトルがそんなになかったのも大きいです。なのでGvGを主軸に置いたゲームでもいけると判断していました。企画当時のイメージを簡単にお話しすると“『FFXI』の世界観で、みんなで協力できるタイプのゲーム”という感じでした。自分自身、例えば『FFブリゲイド』をかなりプレイしていましたし、みんなで協力するタイプのゲームが好きなんですよ。

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――渕上さんにとって、ユーザー間のコミュニケーションは重要なものだったのですね。

渕上 プレイヤー間のコミュニケーションが取れるものって楽しいんですよね。2015年3月にサービスが終わってしまった弊社のPCブラウザゲーム『モンスタードラゴン』の開発運営に関わっていたことがあるのですが、その中で、みんなで遊べるゲームの楽しさを改めて実感しました。その経験が根底にあるのも大きいです。

――なるほど。ちなみに今作でパートナーにクルーズさんを選ばれた経緯などもお教えいただけますか?

渕上 クルーズさんと言えばMobageの『アヴァロンの騎士』などが有名で、開発はもちろん運営に関しても経験豊富で信頼できる会社さんです。この企画の話をしたところ、分厚い企画書とゲームのモックを作ってきてくれたのですが、そのモックの出来がすごくよかったんです。更にスタッフのかたの情熱と愛情がたっぷりつまったFFXIプレイ歴をまとめた資料もありまして、クルーズさんなら安心して一緒に開発を進めていけると思ったことが最大の理由です。実際に制作をしていく中で、お互いに意見を出し合いながら最善の着地点を見つけられているので、とてもよい関係で開発を進めていますよ。

――MMORPGがベースにあるとなると、アップデートの頻度なども多いのではないでしょうか?

渕上 そうですね。ですが、ロードマップについてはすでにいろいろ決まっているものもあるのでご安心ください。たとえば、最初に選択できるジョブは『FFXI』の特定のジョブのみですが、リリース以降に随時追加していく予定です。

――『FFXI』のジョブが登場するとのことですが、世界観以外で『FFXI』との共通点はあるのでしょうか?

渕上 ずばり、シナリオです

――おお!

渕上 ネタばれにならない範囲でお話しますと、現状まずは全20章のストーリー構成を考えていて、リリース時に何章までを実装するかはまだ確定していないのですが、リリース以降数章ずつアップデートの際に解放していく予定です。ですが『FFXI』のシナリオを丸々再現するのは難しいので、『FFXI』のシナリオを集約したものになります。その中では『FFXI』の主要NPCも登場することになるので、『FFXI』の雰囲気はしっかり出ているものになっていますよ。

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――『FFXI』ではサンドリア、バストゥーク、ウィンダスの三国からプレイヤーの所属国を選びますが、今作ではどうなりますか?

渕上 本作では、みなさんサンドリアからスタートします。フリーtoプレイのゲームなので、ずっとメインのストーリーがあるわけではなく、イベントなどを使っていろいろな国やフィールドに挑む形をとれればと考えています。コラボなどをした際には、ほかのゲームにまつわる国が登場する可能性もありますよ。

――BGMなどはいかがでしょうか?

渕上 BGMも『FFXI』ファンのかたにはなじみ深い楽曲を採用しています。さらに『FFXI』のBGMを作ってきた水田直志には、本作に向けて新曲を何曲か書き下ろしてもらっています。

――ミッションやクエストはありますか?

渕上 もちろんあります。メインとなるクエストでストーリーを進めつつ、バトルやお使いクエストなどを受注して遊んでいただけます。

――調理や錬金、釣りなどの要素はいかがでしょうか?

渕上 当初は導入も考えたのですが、スマホのゲームとしてはやることが多くなりすぎると大変ですし、『FFXI』を知らないユーザーは戸惑ってしまう可能性もあるので、クエストの進行、装備の強化、キャラクターの育成に集中して頂ければと思い、要素を絞りました。

――フィールドでの操作はどういったものになるのでしょうか?

渕上 目的地をタップすると自動で歩く形になります。移動中でも手軽に操作できるようにと気を遣っています。

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――バトルについても教えていただけますか?

渕上 バトルはシンボルエンカウント制で、アクティブタイムバトルを採用しています。ひとつのフィールドに20人程度のプレイヤーが同時に参加できるように調整をしているのですが、誰かがバトルをしているときに、他プレイヤーが飛び込みで参加することも可能です。協力して敵を倒したときでも、報酬や討伐数が分散することはないので、協力するメリットしかない。みんなでいっしょに戦う方向性に仕上げています。

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――アクティブタイムバトルとなると、スマートフォン向けゲームとして操作部分が忙しいイメージもありますが?

渕上 オートモードもありますので、通常のバトルはそれを活用してもらい、ボス戦など駆け引きが重要になるバトルではマニュアル操作で挑んでもらえればと考えています。

――バトル画面にある”TP”の用途について教えて下さい。

渕上 『FFXI』の場合は、ウェポンスキル(=必殺技)を使うのに必要なものですが、本作では魔法などのアビリティを使う際に消費します。『FFグランドマスターズ』では、クエストを受注してフィールドに入ると、そのフィールド上やバトル中にアイテムを使用することができないので、TPはモンスターを攻撃したときなどに上昇(回復)します。

――プレイヤー間のチャットシステムはどういったものになっているのでしょうか?

渕上 全体会話の“ワールド”、自分のいるフィールド内を示す“エリア”“グループ”はLINEのようにフォロワー同士が情報共有をしたり、冒険に行こうと呼びかけたりもできます。また“ダイレクト”を使えば特定のプレイヤーと直接チャットで会話をすることが可能です。

――キャラクターメイキングはどういったものになっていますか?

渕上 ベースとなるキャラクターをヒュームエルヴァーンミスラガルカタルタルの5種族から選択可能です。さらに髪型、顔、肌の色も選べますよ。

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――種族ごとのステータス差はあるのでしょうか?

渕上 本作ではありません。その分、ジョブで変化していくことになります。

――ジョブには『FFXI』同様、メインジョブ、サポートジョブが設定できますか?

渕上 はい、できます。概念的には『FFXI』とほとんどいっしょです。

――ジョブはどういった形で増えていくのでしょうか?

渕上 まず最初に戦士からスタートして、白魔道士、黒魔道士、ナイトがクエストのクリア報酬などで序盤に手に入りますこれらのジョブは多くのプレイヤーに遊んでいただきたいので、簡単に入手できるようにしています。

――装備も大きな役割を担っているとお聞きしましたが、どういったものになっているのでしょうか?

渕上 装備は武器、頭、胴、手、足があるのですが、特徴的なポイントとしては、これら装備には魔法やステータスUPなど、アビリティが付与されているんです。さらに“補助装備”という枠も用意してあります。

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――装備アイコンの上にある★はどういったものになるのでしょうか?

渕上 その装備を最大レベルまで強化後、何回限界突破できるかを示しています。たとえば★が2個ある装備なら2回可能、といった感じです。

――限界突破には同じ装備を使うのでしょうか?

渕上 限界突破用には“マテリア”という専用素材が必要で、クエストやイベントなどで入手できます。

――なるほど。ちなみに各プレイヤーのルームも可愛らしいデザインになっていますが、家具の変更はできるのでしょうか?

渕上 『FFXI』でいうところの“モグハウス”の場合、家具のレイアウトを変更できましたが、本作ではできません。そのかわり、イベント報酬などで予め家具などがセットされた壁紙を配信して、お好みのものに変更してもらうという案は出ています。

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――現在『FFXI』をプレイしているユーザーに特典などはありますか?

渕上 ここについは『FFXI』チームと何かできることがないか話し合って検討をしているところです。例えば、限定のシリアルコードを発行してはどうかという案などが挙がっていますので、今後の情報をお待ちください。

――現在決まっている配信までのスケジュールも教えていただけますか?

渕上 現在クローズドβテストの参加者を募集しています。βテストは2015年6月8日(月) ~ 6月12日(金)の期間で実施を予定していて、  そこから遠くない未来には、正式リリースできればと思っています。

――ありがとうござます! それでは最後に、本作を楽しみにしているユーザー、そして『FFXI』ファンに向けて意気込みをお願いします!

渕上 『FFグランドマスターズ』は、『FF』ファンのかたはもちろん、FFシリーズや『FFXI』をプレイしたことがない人でも等しく楽しめるゲームを目指して開発をしています。『FF』シリーズの新作として高品質なゲームを提供できるよう、スタッフ一丸となって準備を進めていますので、楽しみにお待ちいただければと思います。

また、現役の『FFXI』のプレイヤーのかたや、いまは『FFXI』をお休みされているかたには懐かしさを感じていただけるポイントを詰め込んでありますので、『FFXI』を知っているかたにはより楽しめるゲームになっていると思います。シナリオも『FFXI』チームから全面的にサポートしてもらって作っていますので、安心して遊んでいただけるはずです!

ちなみに、松井は本作を“娘”みたいな存在だと言ってくれているんですが、『FFXI』プレイヤーのみなさんも、同じような感覚でその成長を暖かく見守って頂けるとうれしいです。

【公式サイトはこちら】

P.N.深津庵

ファイナルファンタジーグランドマスターズ

ジャンル
オンラインRPG
メーカー
スクウェア・エニックス
配信日
2015年配信予定
価格
無料(アプリ内課金あり)
対応機種
iOS、Android
備考
企画・開発:スクウェア・エニックス、クルーズ

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