モンスターストライク攻略まとめ

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モンスターストライク『モンスターストライク』を岡本吉起氏が語った! 大ヒットは想定通り、いまは“二本目のホームラン”を仕込み中!?

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『モンスターストライク』を岡本吉起氏が語った! 大ヒットは想定通り、いまは“二本目のホームラン”を仕込み中!?

2015-04-10 01:25 更新

岡本氏らしいキレキレトークが炸裂!

2015年4月9日~10日、福岡にて、ベンチャー・スタートアップ向けのイベント“B Dash Camp 2015 Spring in Fukuoka”が開催中だ。本イベントでは、国内外のインターネット業界の第一線で活躍する経営者や業界関係者など、錚々たる面々が登場し、貴重なセッションなどが実施されている。

本稿では、いまや国民的ゲームと言えるほどになったスマートフォン用ゲームアプリ『モンスターストライク』(以下、『モンスト』)の生みの親である、ゲームリパブリック代表取締役社長・岡本吉起氏が登場したセッション“「モンスト」クリエーターが語るヒットの裏側”をリポートしよう。タイトル通り、『モンスト』の開発秘話はもちろん、岡本氏からのゲーム業界への苦言・提言、さらには次回作のヒント(!?)まで、多彩な話題が語られているので、ぜひ最後までご覧いただきたい。

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▲モデレータは、モブキャスト 代表取締役社長CEO 藪考樹氏(左)。右はゲームリパブリック代表取締役社長・岡本吉起氏。
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▲岡本氏がモブキャストの社外取締役を務めていることもあり、長いつきあいのふたり。それだけに、遠慮のない、過激な会話が繰り広げられた。

本題に入る前に、まずは、岡本氏の経歴が簡単に紹介された。とくにゲームファンにとってなじみ深いのは、やはりカプコン時代の活躍だろう。ディレクターやプロデューサーとして、アーケードゲームや家庭用ゲームで無数のヒット作を生み出してきた実績は、まさにトップクリエイターと呼ぶにふさわしいものだ。

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予想外なんかじゃない! 『モンスト』大ヒットは想定通り

そして『モンスト』のヒットについて。本作の大ブレイク&快進撃には誰もが驚いた……と思いきや、なんと岡本氏いわく、ほぼ当初の計画通りなのだとか。岡本氏は、リリース前にテストプレイした感触から売上などの推移予測を立て、それを記録に残してあるそうだが、いざリリースしてみると、そのときに立てた上~下の3段階(理想から最悪まで)の予想のうち、真ん中の予想とほぼ同じ推移をたどったのだという。

また、いまや肩を並べる存在であり、最大のライバルともいえる『パズル&ドラゴンズ』(以下、『パズドラ』)については、「追いついてみて、初めて『パズドラ』のすごさがわかりました」と岡本氏。じつは2014年の5~6月あたりで一度『パズドラ』を抜く、ということも、岡本氏の当初の予定の中にあったことなのだそうだ。実際にその予定よりも一ヵ月早く、2014年5月15日付けのApp Storeランキングで、一度『パズドラ』に変わって首位に立つことに成功している。そのときには、「思ったほど高くなかったな。手が届きそうだ」と感じたが、そこからが本当にたいへんだった、と語っていた。

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▲とんでもない数字。これが想定通りだとは驚き!

『モンスト』に幻の『ドラ○エ』バージョンが!?

そして話題は、『モンスト』誕生時の話に。本作の制作は、mixiから出された、“mixiらしくて、みんなが集まってわいわいガヤガヤ楽しめるもの”というお題からスタートしたのだそうだ。といってもこのお題は、岡本氏だけではなく、ほかのゲーム制作会社にも出されたもので、いわゆるコンペのような形。そこで岡本氏は、まず企画書として提出するのではなく、ほぼいまの『モンスト』のようなものを、動く状態にして提出することで、mixiの担当者にアピールし、見事制作スタートにこぎつけたのだそうだ。

ちなみにこのときの試作モックは、絵や音楽をしっかり作るには時間がなかったため、某国民的RPGの絵や音楽を借りて作ったのだとか。これには、「ス○○ムを飛ばしてデ○ピ○ロに当てる。これは誰だって絶対楽しいに決まっています」(岡本氏)と、これでmixiの担当者を“落としてやろう”という目論見もあったのだそうだ。しかし、なんと『モンスト』担当プロデューサーはそのRPGを遊んだことがなかったため、実際にはぜんぜん響かなかったのだとか。なんとも残念!

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では、いざ開発が始まってからの、岡本氏のこだわりは? まず岡本氏の持論として、「ゲームって、リスクとリターンのバランスだと思うんです」という考えがあるのだそうだ。より大きなリスクを背負えば、リターンも大きくなる。ダメージウォールのそばに飛ばすこともリスクだし、課金することも、逆に課金しないことだってリスクになる、と岡本氏。そしてそれぞれに応じた適切なリターンを設定することを、強く意識してデザインするのだという。

こうした“リスクとリターン”の感覚は、アーケードゲームや家庭用ゲームの制作で長らく培ってきたものだったが、アプリ開発にあたっては、ゲーム性における“リスク&リターン”と、課金システムの中にあるリスク&リターンとうまく融合させ、バランスを取る必要がある。これを手探りで掴むまでには、岡本氏も3年ほどを要したのだそうだ。

「KPI・チュートリアル神話を疑え」「マネは絶対NG!」

興味深い話題として、『モンスト』の世界展開についても語られた。「当然、世界で展開してもらいたいと思っていますし、通用するように作ってあります」と岡本氏。グラフィック面では国内向けに描いている面があるが、「誰にでもわかるように、直感的に作ってあるので、その部分は世界でも問題なく通用するはず」(岡本氏)というわけだ。

とくに岡本氏が強調したのは、『モンスト』にはチュートリアルがない、ということ。岡本氏は、「わかりきっているチュートリアルをやらされるのは大きなストレスで、これは全世界の人が同じように感じるはず」と語る。しかし、いざチュートリアルなしの作りで進めようとした際には、社内外のあらゆる人から反対されたのだそうだ。“チュートリアルにおけるKPIを見て、ユーザーがどの地点で脱落しているかを見る”というのは一般的な手法で、それを当然と考えている制作者が多い。実際、『モンスト』でも同様の手法で進めるべきだと周囲から強く言われたが、そこだけは頑固に押し通したのだそうだ。また、それに関連して岡本氏は、KPIばかりを気にするのはよくないことで、「KPIは、自分が見たいように見ることもできてしまうし、いいわけにも使えてしまう」と、KPIに潜む危険性にも言及していた。

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さらに話は、同業のゲーム会社への“辛口アドバイス”へ。岡本氏は、前述のチュートリアルのこともそうだが、「過去にやって成功したものを信じすぎていると思います」と指摘する。ゲーム制作者たる者、誰の言葉も、こうして話している岡本氏の言葉すら信じずに、自分が信じるように作ればいいのだ、と岡本氏。

そして岡本氏は、「マネは絶対にダメ。新しくないとユーザーはついてきてくれない」と強調する。「○○みたいなゲーム。そんなものに、大事な時間を費やしてくれるはずがない」というわけだ。かつて、インベーダーゲームが社会現象となったとき、世に模倣品があふれたことがあった。しかしやがて模倣品しか作れない人々は淘汰されていった。アプリの世界でも、いま同じことがおきていて、いずれオリジナルのゲームしか勝負できない時代になるだろう、と岡本氏。「新しいもの、みんなの生活が変わるようなものを提供したいという思いがなければ、何も変わりません」(岡本氏)と力説した。

「mixiで2本目のホームランを!」

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そして話題は、岡本氏の今後の“夢”について。まずひとつ目の夢として、「二打席連続ホームランを打った会社って、過去にないですよね。ぜひ、mixiに打たせたい」と岡本氏。つぎにリリースするタイトルがそれになるかはわからないが、「『モンスト』が1~2位にいるうちに、つぎのタイトルが1~2位にくるようにしたい」と語った。さらに岡本氏は、“つぎのホームラン”が出るまでは、mixiといっしょにやっていく、と発言。つぎなるホームラン級タイトルをmixiでリリースすることに、強い意欲を示した。

ふたつ目として挙げたのは、「mixiさんにゲームの作りかたのノウハウを置いていくことです」。mixiには開発部隊がなく、「ほぼうちのメンバーで作っている」(岡本氏)状態なのだとか。そこで、「運営ではなく、ゼロから1を作るほうのノウハウを、mixiの社員に伝授してから抜けます」(岡本氏)。これについては、口約束レベルではあるが、約束を交わしているのだそうだ。

そして3つ目は、「アーケードゲームでも、家庭用ゲームでも、アプリでも、トップを取って三冠王になったつもりですが、これから五冠王になりたいんです」(岡本氏)。残りの二冠は、“パチンコ”と“エロゲー”なのだとか。なんと岡本氏は、そのどちらもやったことがないそうだが、すでに腹案があり、かなり成功する自信があるとのこと。気になる企業の担当者は、オファーしてみては?

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以上、近年はクリエイティブに忙殺されているようで、なかなかこうしたイベントに登場する機会が少なくなった岡本氏だが、やはりトークのキレは相変わらず。会場を爆笑に包みつつも、重みのある言葉の数々で、聴取を大いに唸らせていた。

ちなみに、ゲームを遊ぶのが好きではなく、純粋に仕事として、研究するためにゲームをプレイしているという岡本氏。合計で月に50万円ほど課金もしながら多数のゲームをチェックしているそうだが、そんな中で高く評価しているのは、グローバルでは、やはり『クラッシュ・オブ・クラン』。そして国内では、スクウェア・エニックス作品なのだそうだ。「スクエニさんは、最近気づき始めているというか、つかみ始めて、近づいてきているな、と思って見ています」とのこと。アプリフリークの人は、岡本氏の今後の動向と合わせて、スクウェア・エニックス作品も要チェック、かもしれない?

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