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任天堂とディー・エヌ・エーが組んだわけ

2015-03-17 21:54 投稿

「すべての任天堂IPにスマートデバイスで活用するチャンスがある」

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2015年3月17日、任天堂とディー・エヌ・エーは共同記者会見を開催。世界市場を対象に任天堂のIPを活用したスマートデバイス向けゲームアプリの共同開発、運営および、PC、スマホ、タブレットなど多様なデバイスに対応した会員制サービスの共同開発に関する業務・資本提携に合意したことを発表した。

資本提携を行うことにより、任天堂がディー・エヌ・エーの第2位の大株主に、ディー・エヌ・エーは任天堂の1.24%の株を保有する見込みだ。

共同記者会見には、任天堂 取締役社長 岩田 聡氏、ディー・エヌ・エー 代表取締役社長兼CEO 守安 功氏の両氏が登壇した。

任天堂の目的は以前と変わらず、任天堂IPの価値の最大化。これまでゲーム専用機に集中していたIPをスマートデバイスにも広げ、結果的にゲーム人口を増やすという戦略だ。だが、スマートフォンゲーム市場が拡大する中、これまで任天堂はスマートデバイス向けにコンテンツの提供をしてこなかった。それがいまなぜ方向転換に踏み切ったのか。

岩田氏は、「スマートデバイスでゲームを作ることそのものに否定的だったわけではない」と前置きしたうえで、「しかし、デジタルの世界ではコンテンツの価値が容易にデフレ化し、消耗しがちであることや、スマートデバイスではコンテンツの新陳代謝が激しく、個々のコンテンツの寿命が短くなりがちで、コンテンツの価値の維持が容易ではない」と説明。「任天堂 IPの価値を維持、発展させながらビジネスを展開するためにどういう条件が必要なのかをずっと考えていた」(岩田氏)という。

そこに「任天堂なりの答えを出せた」と語る岩田氏が選んだのがディー・エヌ・エー。岩田氏は競争が激化するスマートフォン市場を振り返りながら、「任天堂が少数の勝者に入れないのであれば、スマートデバイスにコンテンツを供給する意味がない。だからこそ、絶対の勝算を持って臨みたい」とし、コンテンツの任天堂、運営力のディー・エヌ・エーは「極めて強力な組み合わせになる」と自信を見せた。

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そのディー・エヌ・エーの強みは「大規模なトラフィックをさばくインフラ構築力、ユーザーの行動分析によりサービス運営力、小さい画面やスキマ時間を利用したサービス設計力」(守安氏)。任天堂のIPとディー・エヌ・エーのWebサービスの構築・運営ノウハウを融合し、任天堂IPを活用した新しいエンターテイメントをスマートデバイスを介してグローバルに提供していく。「この事業に取り組む以上、億単位のお客様に触れていただくことを目指したい」(岩田氏)と目標を掲げた。

活用するIPに関して岩田氏は、「とく例外は設けず、すべての任天堂IPにスマートデバイスで活用するチャンスがあるが、タイトルをむやみに増やしても運営の労力とお客様のアテンションが分散するだけでビジネスの拡大は狙えない。したがってある程度タイトル数を絞り込んで展開、運営する形になる」と説明した。

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気になるコンテンツの提供時期については、「具体的には個々のタイトルの準備ができたところで順次お知らせしたいと思っているが、少なくとも今年中に何のアウトプットもないというスピード感では業務提携をする意味がないので、今年中に何らかのアウトプットを(ディー・エヌ・エーと)いっしょに出していくことになる」(岩田氏)とのこと。

加えて岩田氏は、今回の発表はゲーム専用機の未来に悲観的だからでなく、「ゲーム専用機に提供されているすばらしいゲームソフトを、世界中のより多くのお客様にリーチするきっかけを作るためにスマートデバイスを活用するアプローチが合理的だと判断した」と説明。「むしろどうやってスマートデバイスを活用するかを決めたことで、いままで以上にこれからのゲーム専用機ビジネスへの情熱や展望を持っている。その証拠にまったく新しいコンセプトのゲーム専用機コードネームNXを開発中である」と、新ハードを開発中であることも明らかにした。

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会員制サービスについては、クラブニンテンドーに代わるゲーム専用機とスマートデバイスをつなぐ一体型のサービスになる。開始時期は平成27年秋予定。

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ゲーム業界に激震が走った今回の業務・資本提携。

ふたりの出会いは遡ること2010年6月。守安氏が「モバゲーに任天堂IPを供給してほしい」と熱烈なラブコールを送ったのがきっかけだった。ほかに何社も任天堂のドアを叩いたが、岩田氏がディー・エヌ・エーを選んだ決め手になったのは「情熱」とのこと。2社の強固な関係は業務提携にとどまらず、資本提携という形に表れている。「(大企業のディー・エヌ・エーが)黒子になっても構わない」という守安氏の言葉が強く残っていると岩田氏は言う。

どの任天堂IPがどんな姿でスマートデバイスに登場するのか。期待してその日を待ちたい。

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