仮想現実が限りなく現実に近づく!? VR(バーチャルリアリティ)についてコロプラ馬場社長に聞いてみた

2015-03-12 13:21 投稿

コロプラが描く未来

コロプラといえば、『クイズRPG 魔法使いと黒猫とウィズ』、『白猫プロジェクト』など、人気スマホゲームを多数リリースするメーカー。そんな、飛ぶ鳥を落とす勢いで進撃する同社が力を入れているVR(バーチャル リアリティ)とOculus Rift(オキュラス リフト) はどのようなものなのか、そしてコロプラはどのようなスタンスでこの新たなムーヴメントに対して挑もうとしているのか、そんな疑問をコロプラ創業者であり、代表取締役社長の馬場功淳氏にぶつけてみた。

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現在Oculus Riftで展開中の『白猫VRプロジェクト』。スマホ版を軸にVRに最適化したタイトルとなっており、空間への没入感がすごい。

そもそも“VR”とは?

そもそも“VR”、“Oculus Rift”ってなんなの?という読者もいることだろう。ここ最近良く名前を聞く“VR”とは、いわゆるバーチャルリアリティ……“仮想現実”のこと。そしてOculus Riftとは仮想現実と現実をつなぐハードウェアを指す。

このヘッドマウントディスプレイ型のデバイスを介すことで、CGで創りだした仮想の世界へ没入できるというわけだ。アニメやライトノベルを嗜むユーザーには、『ソードアート・オンライン』、『アクセル・ワールド』の世界のようなもの、といえば話は早いだろうか。

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現在Oculus Rift対応のアプリとして『the射的! VR』、『白猫VRプロジェクト』をリリースしているコロプラ、の代表取締役社長馬場氏がこの流れに関して何を考えているか。お話を伺ってみた。

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▲株式会社コロプラ代表取締役社長・馬場功淳氏

VRの未来を高く評価している

――VRゲーミングというジャンルは、まだ世間にまったく普及していないジャンルです。その中、コンテンツを投入、チャレンジした目的はなんだったのでしょうか?

馬場功淳氏(以下、馬場) いくつかの見方がありますが、率直に言うとVRの未来を非常に高く評価をし、次のメインプラットフォームになるという確信を持っている、ということです。このデバイスは、さまざまな取組が可能でその応用範囲は広く、もちろん、産業的にも大きなものになるという可能性を感じています。

そういった視点から今から取り組まなければ普及した時に間に合わないと考えています。

―未来への投資ということでしょうか?

馬場 はい、そうですね。

――VRとユーザーをつなげるデバイスである“Oculus Rift”に注目したのはいつなのでしょうか?

馬場 1年半前に、“Kickstarter”(※クリエイティブなプロジェクトに向けてクラウドファンディングによる資金調達を行う手段を提供しているサービス)で映像を見たときですね。すぐに注目しました。その後すぐに注文して実際に体験したら「なるほど、これはすごいな」と。

――会社内ではVRに対する投資に対して反発はなかったのでしょうか?

馬場 まったくありませんでした。経営層はVRにチャレンジする、未来に投資するという統一見解の元、進めています。

――ところで、今、スマートフォンのゲームを開発しているチームと、VR開発チームは分かれているのでしょうか。

馬場 スタート当初は同一チームでしたが、現在は分かれています。それぞれ技術が異なるので。

――どのようなコンセプトでそのスタッフたちを集めたのでしょうか。

馬場 社内でもちょっと変わった社員を集めました(笑)。
社内で人を集めてチームを作り、新規採用も積極的に行っています。

VRがビジネスと成立するのは3、4年後

――実際のところVRゲーミングというジャンルがビジネスとして成立するタイミングはいつごろと見ていますか?

馬場 3~4年後と見ています。それに向けて現在『the射的! VR』、『白猫VRプロジェクト』というふたつのタイトルをリリースしています。

――なぜ『白猫プロジェクト』を選択したのでしょうか。

馬場 弊社のタイトルの中で3Dの素材が多くそろっていた、というシンプルな理由です。そして製作過程で操作方法はどのようにしようと考えていたところ、スマートフォンで操作する“colopad”にたどり着きました。

――先ほどVRが普及することを確信している、とおっしゃっていましたが、今後継続的にVRのコンテンツを投入していくのでしょうか。そして現状スマートフォンでリリースしたタイトルを移植する形となっていますが、今後オリジナルのコンテンツをリリースしていくのでしょうか。

馬場 はい、継続的に投入していきたいと考えています。ちなみに、現在制作しているのはすべて、VR向けのオリジナルコンテンツとなります。

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――これは楽しみです。ちなみにVRゲーミングと相性が良い、もっとも可能性を感じるジャンルはなんなのでしょうか。

馬場 今制作中のためシークレットです(笑)

――いくつのラインが動いているかはお答えいただけますでしょうか?

馬場 プロトタイプを含めればたくさん制作しています。しばらくはここに注力し、徐々にチームを増やしたいと考えています。

――ありがとうございます。今後VRの未来を担うOculus Riftというデバイスに期待することはありますか?

馬場 彼らが作りたい未来は、我々が作りたい未来と合致しているはずです。今後さらに精度を上げていい製品に進化させ、世界に普及させて欲しいです。

――VRゲーミングというジャンルで売上を立てる目標は現在あるのでしょうか。

馬場 まだ意識する必要はないです。個人的にはこれから3~4年後がビジネスになるタイミングと読んでいますので、今はそのノウハウをたくわえることが大事ですね。

――3~4年後のビジネスになるというタイミング、このときコロプラはどのような位置にいたいと考えていますか。

馬場 率直に言うと“キラーアプリ”をリリースしたいです。ハードが普及するとき、必ずそこにはキラーとなるアプリ、ソフトウェアがありますコロプラとしてはそんなタイトル、アプリの制作を目指したいです。

――今後はゲーム以外のコンテンツを作る可能性はあるのでしょうか?

馬場 現状、制作は進めています。

――ありがとうございます。少しVRから話題は外れるのですが、今年からコロプラはJリーグのトップパートナーになりました。今後、スポーツをテーマとした新作タイトルにも力を入れて市場に投入していくのでしょうか。

馬場 もちろんです。みんなに親しまれていて、ファンも多い。そんなスポーツをテーマとしたタイトルをリリースしていきたいと考えています。

――またつい先日『カオスセンチュリオン』などを制作しているオリフラムに出資したというニュースを拝見しました。同社に投資した意図はなんなのでしょうか。

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▲オリフラムはリアルタイムストラテジー『カオスセンチュリオン』を開発中。同社代表・池田隆児氏は『キングダムハーツ』シリーズのプログラマー、『ディシディア ファイナルファンタジー』のメインプログラマーとして携わった経歴を持つ注目の人物だ。

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馬場 彼らのゲーム開発における豊富な経験と高度な技術を評価しています。彼らは我々に作れないものを作れるので、ぜひサポートしていきたいと。お互い得意分野があるので、協力していければと考えています。

――今後もこのような投資を行っていくのでしょうか?

馬場 そうですね。我々と志が同じで、信頼関係が結べたときに成立するものだと思っています。

――また、年初に「2015年PvPが流行する」とお話されているインタビューを拝見しましたが、今年のスマートフォンゲームの市場はどういった動きを見せると考えていますか。

馬場 “新しい体験”をユーザーさんにしていただかないと評価されない時代になってきました。そういったタイトルをリリースできるかが勝負ですね。“面白いこと”はもちろん、さらに“新しい体験”をしていただけるように試行錯誤を重ねて制作を進めています。
VRに関してはやることなすことすべてが新しいですが(笑)

――PvP、人対人に関してのお話も伺いたいです。なぜ“協力”ではなく“対戦”なのでしょうか。

馬場 ゲームに限らず世の中の流行に、波のような流があると思います。思い返すと「なるほど!」となるのですが、ソーシャルゲームが当初流行したときはそのほぼすべてが“奪う”ことをテーマとしたPvPでした。しばらくしてユーザーさんがPvPに疲れてきたのか、ソーシャル要素の薄いゲームが流行するという次の流れが到来しました。

それから3年。ユーザーさんも次の流れ、新しい刺激を求めるようになるだろうと考えています。そこで「今年はPvPを重視する」の発言につながりました。そろそろPvPの波が再び来るなという僕の読みです。

――なるほど。言われてみると確かに、とうなずくばかりです。最後に本インタビューの読者、そしてコロプラさんのタイトルを楽しみにしているユーザーさんにメッセージをいただけますでしょうか。

馬場 我々コロプラは全力でゲーム制作に携わっています。多くの皆さまに満足していただける新しい体験の提供を目指していきますので、これからも遊んでいただけるとうれしいです。

――本日はお忙しいなか、ありがとうございました。

馬場氏のインタビュー直前に『白猫VRプロジェクト』を短時間ながらプレイさせてもらったが、今まで体験したことがないレベルでのゲーム世界への没入感を感じることができた。下の別記事で紹介しているので、是非見てほしい!

【動画】VR版『白猫プロジェクト』で、ちょっと白猫の世界に行ってきました

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