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『FF』誕生秘話も飛び出した坂口博信氏の特別講演 in HAL東京

2014-12-04 12:09 投稿

坂口氏のさまざまなぶっちゃけトークが展開

2014年12月3日、ゲームクリエイターを育成する専門学校HAL東京校にて、『テラバトル』を配信するミストウォーカーコーポレーションのCEO坂口博信氏が在学生向けの特別講演を行った。ここでは、その模様をお届けする。

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▲登壇者は写真右のミストウォーカー坂口博信氏と、今回の講義の進行を担当する写真左のD2Cの柳瀬史和氏。

今回の特別講演では、事前に生徒たちから坂口氏への質問を集めており、その質問を過去・現在・未来の順に並べて答えいただくというQ&A方式で進められた。

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▲質問に入る前に、『テラバトル』のテストプレイに協力してくれた学生たちへ御礼を述べた坂口氏。

Q:坂口氏がゲームを作ろうと思うようになったきっかけ

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▲最初のテーマはこちら。これについての生徒たちからの質問が多数寄せられた。以降のテーマも上記のような質問の数々が展開されていた。

ゲームクリエイターになる前は、Charのようなミュージシャンを目指していたという坂口氏。しかし、うまくいかず、そこから1浪して大学に入るも、目的を見失ってしまったという。この当時というのが、PCが一般にも出始めた1984年ごろ。ここでPCと出会い、Apple IIのVisiCalという表計算ソフトに触れ、PCを使って何かを形にして表現することができることを知る。このころ、ともに『ファイナルファンタジー』を作ることになる田中弘道氏とも出会うことになる。

その後、PC用ゲーム『Ultima』や『Wizardry』などをプレイしたり、テキストアドベンチャーやイラスト込みのアドベンチャーゲームに触れていき、コンセプトプログラムというものにのめり込んでいった坂口氏。もちろん当時のPCは手に入りやすくなったとはいえ、消して安いものではなく、坂口氏はゲーム作りのための知識を得るために全財産のほとんどを機材に注いでいったという。その後、ディスクプレイヤーがほしくなり、自分たちが趣味でやってきたことを力に、ソフトハウスで仕事していく道へ進むことに。この時選んだ会社がスクウェア(現:スクウェアエニックス)だった。当時のスクウェアはできたばかりで、日吉の元美容室を居抜きで使っており、髪を切るところにPCが並んでいたそうだ。

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▲全財産が機材に持っていかれていたため、食事は食パンにマヨネーズをぬり、焼いていたと語る坂口氏。

スクウェアで坂口氏が初めて企画を立てたのが、PCゲームの『ザ・デストラップ』。

ここで坂口氏は「何かを初めて作ったときは感動する」と語り、『ザ・デストラップ』はパッケージ写真も自分たちで照明を当てながら撮影したと、当時の思い出を振り返る。同様に、『ロストオデッセイ』が自身が関わった作品としては初めてハードカバーの本になったときのことや、『Party Wave』というサーフィンのアプリを作成し、それがAppStoreに初めて並んだときも感動したと述べ、いまでもそれは変わらないと語った。

続く、”自分が目指したものが途中で変わってしまったことがあるか? 方向が定まらずどちらにすべきか悩んだことはあるか?”といった質問には、「母親からの「常に選択肢を持て」という言葉がいまも強く残っている。ひとつに絞るのではなく、いつでも3つ4つの選択肢を持っている」と述べ、坂口氏流のモノづくりのスタンスを語った。

Q:いままで作ったゲームのことや、ゲーム作りについて

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最初に飛び出した質問は坂口氏とって『ファイナルファンタジー』とは?というもの。

スクウェア在籍時に、PCゲームをいくつか作ったのち、ビジネス的にチャンスが大きいファミコンに開発の主軸をシフト。当時のファミコンはアーケードからの移植がメインで、新鋭の企業であったスクウェアは苦労したようだ。坂口氏もアクションゲームやレースゲーム、格闘ゲームなどに挑戦したがうまくいかず、「ゲーム作りは向いていないからやめよう」と思ったほど。そんな中、最後にストーリー性のあるRPGを作りたいと思って始めたのが『ファイナルファンタジー』だった。

しかし、順調に開発が進んだわけではなかったと当時を振り返る。そのころプロデューサー職だった坂口氏、田中氏など4名が開発陣に自身の企画をプレゼン。開発者がプロデューサーを選ぶ方法を採用しており、田中氏がいちばん人気。坂口氏のもとに集まったのは、自身を含め4人だったという。しかし、その中には渋谷員子氏や石井浩一氏などもおり、コアメンバーは揃っていたようだ。だが、もちろん、人数が少なすぎるため、リクルートから始めることに(笑)。そこで『サガ』シリーズを生んだ河津秋敏氏らと出会い、『ファイナルファンタジー』は動き出していく。

そんな『ファイナルファンタジー』制作途中の話も上がった。内容はAppleIIの伝説的プログラマー、ナーシャ・ジベリについて。彼は『ファイナルファンタジー』の機械語をすべて暗記してしまっていたというほどの逸材。とある日に仕事場のビザが尽きたがために帰国しようとするナーシャ氏。坂口氏が「ちょっと待て、バグ残ってるんだから!」とかなり必死で止めたようだが、そんな言葉もお構いなしにナーシャ氏は「256行目のLBAをROPにしてごらん?」と坂口氏に説明。指示通りに修正するとバグが解消されたとのことだ。

そんなこんなで『ファイナルファンタジーII』、『ファイナルファンタジーIII』、『ファイナルファンタジーIV』と順調に制作を進めていくことができた『FF』シリーズ。しかし、ここにきてシリーズ開発初期とは異なる問題に直面する。それが開発陣のモチベーション低下だ。

その人気ゆえ、開発者の多くが『ファイナルファンタジー』に関わるようになり、一部からは「スクウェアは『ファイナルファンタジー』しか作れないのではないか」という声も上がっていたという。チームで団結して作りたいが、シリーズが続き、開発が大規模化していくと、作業が細分化され、クリエイター自身が何を作っているのか完成形が見えなくなり、モチベーションが低下してしまうと坂口氏は語る。

そんなとき、チームのモチベーションを管理するのも坂口氏。「同じ仕様書で作っても、クリエイターの熱のありなしは作品に影響する」と述べ、定期的にチーム全員を集合させ、制作の進捗を見せる形で報告し、改めて自分たちが何を手掛けているのか、ゴールを再認識させていたと当時の状況を振り返った。

また、坂口氏が関与していない隠し要素的なものはいままでのタイトルにあるのですか?といった質問にも、じつは『ファイナルファンタジーIII』のとあるシーンで隠しコマンドを入力すると開発者のコメントが読めてしまうお遊びが導入されていたことや、『ファイナルファンタジーV』に登場したギルガメッシュというキャラクターが、じつは坂口氏の企画の段階では存在せず、開発メンバーによるオリジナルキャラクターであることが明かされた。

Q:仕事上の心がけや企画の立て方。ゲームを作っていてよかったと思うこと

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続いてのセクションに移った本講演。ここでは坂口氏がゲーム作りの環境やアイデアなどをどうやって絞りだしているのか? いまのゲームについてどう思うか……といったことなどが語られた。

まずは、坂口氏と海外についてが語られた。スクウェアのタイトルの中には『パラサイト・イヴ』シリーズのような海外のメンバーが主軸となって作成したタイトルもあり、坂口氏はその統括などをやるべく、海外勤務が多かったとのこと。そのため、外人馴れはしているそうだ。向こうの人は普通にハグやらキスやらしてくるので、行った当初は固まったと発言。しかし、そういった異文化を感じることでいい刺激になることは間違いないため、海外旅行や留学といった機会があれば、日本人同士で固まるのではなく、海外の人と直接交流をしていくことが大事であるとのこと。昨今のゲーム市場は日本国内だけでなく海外への進出も考慮していくことが重要だからこその意見だ。ちなみに『テラバトル』はヨーロッパ、とくにフランスででの人気が高いとのコメントも残していた。

お次は、坂口氏がどんなときに企画を思いつくのかという質問。企画を練るときは自宅のデスクで集中しているときか、もしくは自宅でシャワーを浴びているときか、サーフィンに出かけて波に乗っているときだという。「水に触れているとクルね」とアイデアが浮かびやすいことを語った。しかし、40分もシャワーを浴び続けていたため家族に心配されてしまったというようなエピソードも披露。そうやってアイデアから企画を練っていくという坂口氏。この練る段階に多くの時間を使用するとのことだが、練り終わると企画にまとめるのは30分足らずでできるとのこと。

続いて、RPGのおもしろさとは何ですか?という質問に対して、坂口氏はRPGの定義について語り始めた。日本のRPGは海外で”JRPG”と呼ばれている。「JRPGはなぜ衰退しているのか?」という文を見つけたときに「はぁ?」とツッコミを入れていたとのこと。RPGは本当に種類が豊富で、定義が難しいと語る。そういったRPGの中でも坂口氏は、『ファイナルファンタジーIII』を発売した当時、集英社の鳥嶋和彦氏に言われたひと言が、その後のシリーズに影響を与え、いわゆるJRPGと呼ばれるものになったのではないかと述べる。それは「キャラクターを引き立てて、コイツなんかすごいことしそうだ、すごい悲しみを背負っていそうだという印象を与えられるキャラクターをどれだけ突き詰められるかが重要」ということ。この話を聞き、『FFIV』、『FFV』、『FFVI』ではかなりキャラクター性を意識して作ったと説明した。

続いての質問は、最近の作品でこれまでの概念を打ち破るものはありましたか? という内容で、坂口氏は、『マインクラフト』や映画の『シックスセンス』などがそれにあたると語っていた。とくに『シックスセンス』は度胆を抜かれたと発言。見てない人は見たほうがいいですよとオススメしつつ、「ラストのあれがまさか……これ以上言うのやめよ。髭がHALでネタバレなうとか書かれちゃうからね(汗)」と笑いを誘った。

Q:『テラバトル』について

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▲『テラバトル』DLスターター紹介動画の一部。

続いては、坂口氏が手掛ける最新作『テラバトル』についてのコーナーに入った。今回は『テラバトル』制作途中の画像や、本作の配信が始まった段階での開発メンバーの様子。ダウンロードスターターを紹介するPVのメイキング映像などを用意して語っていた。

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▲『テラバトル』最初の段階のイメージ画像。現在のとは異なり、量産が比較的容易なデフォルメされたキャラクターで制作を進めていたとのこと。
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▲こちらも『テラバトル』開発画面。続いてはユニット同士が敵を挟むと、召喚獣が出現して攻撃するという形式だったという。
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▲続いてはパリに行きたかった口実となった”バレエゲーム”の企画書。
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▲最後にダウンロードスターター紹介動画のメイキング動画が流れた。『テラバトル』のイラストレーターである藤坂公彦氏が、実際に和尚の頭にタイトルロゴを書いていた。

Q:今後ゲームがどう変わると思うか?

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本講演終盤では、今後のゲームがどう変わるかが議題に。坂口氏の見解は以下のようなものになっている。

「ここ30年でゲーム業界は3回変革を果たしている。まずはファミコンというマシンでゲームができるようになったこと、つぎにプレイステーションなどのような3Dを用いたゲームが普及したこと、3つ目はスマートフォンでゲームをプレイできるようになったこと。これだけ大きな変革が起きたゲーム業界なだけに、10年後がどうなるか読めない。でも、これから10年の間に、またひとつ変革が起きる予感がする。その変革の波にいち早く乗れるかが今後のゲーム業界でのチャンスをつかめるか否かに繋がると思う」

最後にひそ星人というミストウォーカーのキャラクターについて画像ともに紹介されたのち、登壇者と生徒たち全員による撮影で幕を閉じた。

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▲こちらがひそ星人。NASAに期待していたことはこうだということを語っていた。ポピュラーにしていきたいとのこと。より詳しく知りたい場合はこちら
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▲ハワイの挨拶と言われる”シャカ・ブラー”の形に手を握った坂口氏&柳瀬氏と講演を聞いた生徒一同。

※ミストウォーカーコーポレーション公式サイトはこちら

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名称未設定-1【テラバトルWikiはこちら】

テラバトル

ジャンル
RPG
メーカー
ミストウォーカーコーポレーション
価格
無料(アプリ内課金あり)
対応機種
iOS6以降のiPhone4S以降、iPod Touch 5th以降、iPad2以降、Android OS 2.3.1以降

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