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“クラウドファンディング”が実現するスマホゲームの新時代

2014-10-21 17:44 投稿

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いまや多くの人が耳にするようになった“クラウドファンディング”。ネット上で不特定多数の人が個人や企業等に資金・財源面での協力を行うことで、アプリ開発者もこれを利用して資金を調達する場面がとりわけ海外でよく見られる。

アプリ開発等クリエイティブなプロジェクトの資金調達を行う手段を提供するアメリカの”Kickstarter(キックスターター)”はその代表格。これまでも多くのクリエイターが同サービスでプロジェクト成功を果たし、ゲームのリリースにこぎつけている。

現在も同サービス上で多様なプロジェクトが立ち上げられ資金を募っている。そんなKickstarter内で現在進行中のモバイルゲームプロジェクトを見てみたい。

多様なジャンルの“本気ゲー”
プロジェクトが並ぶKickstarter

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同サービスの”Mobile Games”のカテゴリだけで見ても、現時点(10月11日)でじつに59ものプロジェクトがひしめいている。

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戦闘機を操りテロリストに立ち向かう3Dシューティングゲーム、8ビット風のRPG、絵画のようなタッチで描かれたノスタルジックな街の探索ゲーム、実写風のクライムアドベンチャー、2/3Dというグラフィックの都市型サバイバルゲーム、ドーナツ等のファストフードが主役のレーシングゲームなど、個性豊かなゲームの数々だが、どれを見ても“本気で取りにきてる”感がスゴい(そもそも、正式なプロジェクトとして掲載されるのに審査があるので、当たり前と言ったら当たり前だが)。

2009年の同サービス開始以来、全プロジェクトの成功率は実に43%という高確率なだけあり、すでにプロジェクト達成済のゲームも多く見られる(KICKSTARTER BLOGより)。

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その中でも、Space Rhino Gamesによる大型プロジェクト『Breach HD』のページを見たときは、鳥肌が立ってしまった。同作は、いわゆる“タワーディフェンス”型ゲームで、“ヴォイド”と呼ばれる人間ならざるものの手により消滅の危機にある世界を舞台に、“オラクルの力”でヴォイドに立ち向かう人間たちを描いた内容。

壮大なストーリーに美麗なグラフィックなどが支持を受け、じつに37000ドルもの資金を獲得。現在、iOS/Android版リリースへ向けて、開発エンジン“Unity”による開発が鋭意進められており、大いに注目したい作品と言える。

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その他、映画『キル・ビル』のストーリーラインに『メタルギアソリッド』の操作感を混ぜたようなアクションゲームや、日々のランニングスコアでゲームを進める“8ビット風フィットネスRPG”などなど、プロジェクト達成を果たしたゲームは、ひとヒネリあるゲームが多い印象。

日本でもKickstarter的なサービスはあるの?

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ところで、日本にも同種のサービスは存在する。クリエイター向けのクラウドファンディングだと、サイバーエージェントの”Makuake”や、堀江貴文氏が特別顧問をつとめたことでも話題になった”Campfire”などが有名どころだ。

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その中でも現在、とりわけ注目をあつめるのが、conceptの稲船敬二氏による『Mighty No.9』プロジェクトだろう。同氏による完全新作の本作は、主人公がロボットの横スクロールアクションゲーム。現在、上記”Makuake”において1千万円を目標額に掲げているが、じつはこれに先立って、”Kickstarter”においても同プロジェクトは立ち上げられ、最終的に387万ドルもの資金を獲得している。

今回の”Makuake”での再プロジェクトは、”Kickstarter”で言語や決算システム等の理由で日本から支援ができなかった人を念頭に置いた募集にもなっており、現時点で、すでに120万円もの資金を獲得。日本国内におけるクラウドファンディングの盛り上がりを証明していると言える。

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その他では、過去に話題になったものだと、実在する有識者にインタビューを重ねてエネルギー問題への理解を深めるシリアスゲーム『エネシフゲーム・インタビューズ』などもが記憶に新しい。これまでにないコンセプトはもちろん、『パンツァードラグーン』『バーチャファイター』等の製作陣がスタッフとして結集したことでも話題になり、上記Campfire内でプロジェクト達成、アプリ(Android/iOS)のリリース。高い評価を獲得している。

76万DL突破した『テラバトル』
クラウドファンディングとしての新たな可能性

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また、リリース10日ほどで76万DLを突破したミストウォーカーによるRPG『テラバトル』だが、本作は、アプリのDL数に応じてさまざまな展開を用意した“ダウンロードスターター”というまた新しい手法でクラウドファンディングを取り入れている。例えば、10万DLで”植松伸夫氏による新曲追加”、20万DLで”漫画家・鈴木央氏参戦”、50万DLで”楠木学氏による新キャラ追加”といった具合だ。

ちなみに最終目標である200万DLを達成すると、本作のコンシューマー版の開発が実現するとのこと。それに向けて、プレーヤーも対外的な宣伝へ尽力するので、システムとしては、これまでのクラウドファンディングにない非常に画期的かつスマートな仕組みと言える。

まだまだ可能性のある日本のクラウドファンディング

そんな感じで、国内外のクラウドファンディングを見てきたが、共通して言えることは、”豊かな発想・想像力、そしてそれに向けて本気で実現しようとする意思”があれば、資金面で諦めざるをえないでいる才能あるクリエイターの大きな味方になりうるということ。

確かに、”Kickstarter”等と比べ国内のクラウドファンディングを見ると、発展の余地はあるだろう。しかし、Campfire内のプロジェクト全体で見ると、2012年7月の累計成功プロジェクト数が119件だったのに対し、2014年9月ではその4倍超である488件と、年々確実にその注目度や勢いをましている。

また、上記『テラバトル』の例のように、資金調達・提供に主眼をおかない、多様な意味でのクラウドファウンディングが今後出てくる可能性も、大いにあるだろう。クラウドファンディングそのものが、まだまだ可能性・多様性を期待できる分野だといえるし、クリエイター自身が新たなクラウドファンディングの仕組みをクリエイトする、ということも起こりうるかもしれない。

いずれにしても、今後、クラウドファンディングを利用した才能豊かなクリエイターによる“神ゲー”が登場することを、筆者は願ってやまない。

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