【魔法使い見習いさとるりと黒猫のウィズ】第23回「初心者に舞い戻る」

さとるり、マジカルチェンジを試みるも、挫折する

皆さん、今日もお元気ですか？　さとるりです！

さてさて、私の髪の毛がピンク色になったことについて、ファミ通Appの公式アカウントにも呟かれる始末である。

公式アカウントでゲームと関係ない呟きは、わりと異例だと思っている。とか言って、あんまりチェックしてないけど。

ルリ・アークライトちゃんが最終進化して、髪の毛がピンクになったとき、「あんたなんでこんな不良娘になっちゃったのよ！」みたいなこと言ってたくせに、さとルリ、名前が同じだけに、まったく同じことをしているわね。

因果応報とはまさにこのことだね。(←違う)

というわけで、前回の話の続きである

「やだ！　もうこんな時間！　また魔道書の出るタイミング逃したー！」

と頭を抱えている私に、隣から編集担当Sが(隣にいるのよ隣に！　もうサボれないわね……)

「さとるりって、しょっちゅう魔道書狩ってるわりにいつも魔道書不足なのはなんで？」

と聞いてくる。

「だって私には育てなきゃいけない子がいっぱいいるのよ！　サーシャもまだレベル３０でしょ、イザーク先輩も７０だからまだ魔道書がいるの！」

と私が答えると、彼は訝しげな顔でこう言うのだ。

「なんでそんなみんな中途半端なの？　一発でレベルあげないと、お金もかかるじゃん」

そうなの。レベル７０から強化させようとすると合成にとんでもない金額がかかる。私はそのせいでいつもお金がないの。分かってる、分かってる、けど……。

「だってだって、これで足りると思って魔道書合成するんだけど、結構足りないこともあるんだもん」

私がちょっと可愛く(自分的にね！)口をとがらせながらそう言ってみると、彼は唖然としたように言った。

「さとるり……。もしかして、“これ”知らないの？」

へ……？　“これ”とはいかに？　そしてさとるりは、衝撃の事実を知るのだった。

 今更すぎる！　効率の良い強化方法

「ここ押してみて。この丸いとこ」
「え？　なんだかずいぶん小さいスペースね……。指が太いから押せないわ」
「そんなはずはないでしょ！　どんだけ太いんだよ！」

私は編集Sに言われるがままに、レベルが書いてある青い楕円形のスペースを押してみる。

ポチッとな。

「！！！」

「さ、最大レベルまでに必要な経験値が見れる……！」
私は唖然とした。

いつも目が半分ぐらいしか開いていない私の目が全開になっているという異変に気付いたのか、Sが呆れたように言う。

「あ、やっぱり知らなかったんだ」

「知らなかったよ！　なんでもっと早く教えてくれなかったのよ！　さとるりがバカだと思われちゃうじゃんっ！」

「え？　今更だと思うけど……」

「うるさーい！　これでも私は一応モノカキなのよーっ！　バカじゃマズいのよー！」

私は編集Sにひととおり八つ当たりを済ませて、満足したところで“効率の良い強化”を試してみることに。

初心者さとるり・いざ実践！

Sの魔道書2枚とAの魔道書１枚で、わりと近い数字になるみたいね。

ちなみにいつもの私だったら、一気にMAXまでレベルをあげようとしたら何も考えずSの魔道書４枚ぐらい投入してたところよ。
だから魔道書がいつも足りなかったんだよ！　ようやく謎が解けたわ！

魔道書以外の素材を合成素材に使うことなんてなかったんだけど、微調整のために余っている素材もぶち込む。タヌキ、常に余りまくってるからね。

これでピッタリ。さとるりのタヌキはいつも良い仕事をしてくれるわ。

MAXまであがりました！
3000ゴールドもかからなかったね！　これなら安い！　合成も怖くない！

いやあ、さとるり中級者ぶって、「いつからこんなに強くなったのかしら～？」とか調子に乗っていたけれど、こんな初歩的なことも知らなかったなんて、自分でも驚きですわ。

やっぱり調子に乗りすぎはよくないね！　きっとまだまだ知らないことがいっぱいあるんだろうな。
さとるりはこれからも見習いとして、謙虚に生きていこうと思いますよ。

髪の毛ピンクにしてる場合じゃないですよ。そのうち戻そうっと。

どうかこんなさとるりですが、これからもどうぞひとつ、よろしくお願いいたしますね！

さとるり／ライター Twitter:@st_ruriko 出版社で健康系雑誌のムック・雑誌の編集業務を行う傍ら、ゲームメディアの記事を制作する日々を送る。一時期ゲームのシナリオ制作にも携わっていたものの、才能の問題か、仕事がめっきり来なくなってしまったためにファミ通App編集部に土下座。なんとか仕事をもらい、今に至る。三度の飯よりゲームが好き。

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