投資規模100億円!LINEがファンド会社を設立 出資対象第1号はgumi

2014-08-06 16:06 投稿

LINEがgumiに資本提供 新規設立された投資ファンドの概要とは?

8月6日、LINEがLINEゲーム事業の新たな展開に関する発表会を開催した。発表会では、LINEがゲームコンテンツ、およびゲームコンテンツ開発会社に対して出資支援を行う投資ファンドの設立が発表され、出資対象第1号としてgumiが選ばれたことも明らかにされた。新たに立ち上げられるファンド、LINE GAME Global Gateway(仮称)は、「Go Global with LINE」をキーワードに、マイナー・メジャーを問わず、今後世界を目指すデベロッパーやコンテンツに出資をしていくという。予定投資規模は100億円。なお、gumiに関してはLINEからの資本提供となる。

▲左がgumi 代表取締役社長 國光 宏尚氏、右がLINE 上級執行役員、舛田 敦氏

日本国内メーカー専用投資ファンドの中身

『LINE』は、現在4億1000万ダウンロードを達成しており、ゲームプラットフォームとしても著しい成長を見せている。その規模は、2013年時点で世界ゲームパブリッシャーランキングで5位に滑り込むほど(App Annie調べ)。しかしその実、大きなシェアを獲得し、ゲームコンテンツでヒットを見せているのはアジア圏と南米という限られたエリアのみでの話。これまで『Line Pop』(世界4400万ダウンロード)や『LINE Pokopang』(世界3700万ダウンロード)など、大きなヒットを飛ばしてはいるものの、欧米ではまだなかなか上位に食い込むコンテンツが出せていないそうだ。

このたび設立された投資ファンドは、この状況を打破すべく世界と戦うデベロッパーを支援するというもの。投資の具体例は資金援助のほか、LINEプラットフォームを使ったコンテンツの展開、またそこでの露出、テレビCM展開、オフラインイベントの開催、LINEがこれまで培ってきたマーケティング情報の提供など。

LINEの上級執行役員、舛田 敦氏は今回のファンド設立に関して「これまで、ゲームアプリの開発はあまり予算をかけずに行えるものであったが、市場の拡大、ユーザー層の多様化、それにより求められるコンテンツのリッチ化により開発予算が膨らみ始めている。また、ゲームアプリのランキングの入れ替わりは激しく、この状況でベンチャー企業をはじめとするスタートアップ企業が世界と戦うのは非常に困難。世界と戦いたくても戦えないというベンチャー企業には、ぜひとも『LINE』というゲートウェイを通じて世界と戦ってほしい」とコメント。

最初の提携パートナーとしてgumiを選択した理由に関しては「世界全体と戦うとなると、ローカライズはもちろん、その地域の通信インフラ、ユーザーリテラシー、端末環境に合わせたカルチャライズが求められる。gumiは世界に7ヵ所も拠点を持っており、ヒット作『ブレイブ フロンティア』(配信元エイリム)でそれを成し遂げた実績を持っているため」とまとめ、gumiへの期待を見せている。

最初のパートナー企業gumiとは? そしてgumiが生み出す可能性とは?

今回パートナーシップを結ぶことになったgumiは、『ブレイブ フロンティア』で国内350万ダウンロード、全世界累計1000万ダウンロードを達成。とくに北米で高い評価を得るという、国内では珍しい実績を持つパブリッシャーだ。gumiの代表取締役社長、國光 宏尚氏は今回の出資提供に際して「スマートフォンの市場規模は年々大きくなってきている。我々のような小さな企業が単独で世界と戦うには難しくなってきてしまった。これまでずっと世界一を狙うと言ってきたが、LINEさんの支援によりそれがようやく実現しそう。東南アジアはもちろん、アメリカ、インド、南米でも成功をして、日本はまだまだできるんだということをアピールしたい」と意気込みを語った。

しかし、このように投資ファンドを設立し、特定のゲームコンテンツ開発会社にのみ出資をしていくとなると、LINEプラットフォーム上での公平な市場競争が失われてしまうのではないかという懸念も浮かぶ。これに関して舛田氏は「フェアネスはこれまで以上に意識していく。それに、支援をするといっても最終的にお客様に何がヒットするのかというのはお客様次第。公平性が失われるということはない」と述べている。

これまでLINEはカジュアルゲームを基本に展開してきたが、ミッドコアコンテンツの開発を得意とするgumiの参戦により、LINEプラットフォーム上で取り扱われるゲームジャンルに、ある程度の幅も生まれることが期待される。今後この投資ファンドがどのような成果を生み、そこからどのようなゲームコンテンツが生まれてくるのか、注視していきたい。

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