祝『チェンクロ』1周年! 松永Dが語った“いままで”と“これから”
2014-07-29 17:02 投稿
リリース当初は第2部の予定がなかった!?
チェインシナリオRPG『チェインクロニクル』が、配信を開始してから早1年。1周年を迎えての気持ちやこれからの心構え、本作がどうなっていくのかなどを、総合ディレクターである松永純氏に答えていただいた。
セガ
『チェインクロニクル』
開発総合ディレクター
松永純(まつながじゅん)氏
(※記事中は松永)
義勇軍の物語は一周年!
――まず、1周年を迎えてのお気持ちをお聞かせください。
松永 あっという間の1年でした。開発中の1年も「あっという間だったな」と、当時の開発メンバーと言っていたのですが、運営を開始してからのほうがそれ以上にあっという間でしたね。すごく濃い1年でした!
サービスを開始してすぐ、『チェインクロニクル』というゲームを出して世の中に受け入れられるかどうか不安の中、ユーザーさんから肯定的な意見をたくさんいただけてすごく安心したのを憶えています。スマホのゲームで、キャラをちゃんと描ききったRPGを出すという、自分たちの目指したものが間違っていなかったという実感から、この1年をスタートできたのは開発チームとして、すごく幸せなことでした。あらためて、ユーザーの皆様に感謝したいです。
――そんな中、この1年でもっとも印象に残った出来事は何でしょう?
松永 開発している人間としてはやはり、自分たちが何をしたか、ということより、その反響を受け取ることのほうが、印象としては強いですね。そういう意味では、一番最初に電車の中で『チェンクロ』をやっている人を目撃したことが、一番記憶に残っているかもしれません。ああ、本当にスマホでRPGを遊んでもらうことができたんだなと。ちょっと泣きました。いまもそういうシーンを目撃すると、開発スタッフ全員、すごく力になりますね。
それから、ネットなどで、キャラについて語ってもらえているというのも印象深いです。やはり、こうしたユーザーさんの反応というのが心に残っていますね。
あと、“チェンクロ酒場”というリアルのイベントをやらせていただいたときに、ユーザーさんが本作をプレイしているだけでなく、キャラについて語り合っているところを見かけて。それがすごくうれしかったし、心に残っています。またここ半年、マンガやドラマCDなどのマルチメディアでいろいろ展開させていただいて、『チェンクロ』のキャラがきちんと立った形で、IPとして拡がってくれているのもとても感慨深いですね。
――そう言えば、キャラの個性がとくに本作は光っていると思います。元々キャラに力を入れるというコンセプトだったのですか?
松永 そうですね。キャラというものに肉付けをして、ドラマを描いていけば、結果としてRPGになるという設計です。
きっかけは、当時のソーシャルゲームのカードって、ただのカードですごくもったいないな、という想いなんです。キャラデザインとかすごくいいのに、どうしてHPとATKの数字しか付いてないんだろ、みたいな。ちゃんとストーリーをつけて、ゲームシナリオと関連したキャラごとの能力や特徴を入れて、3Dモデルも作って、声も当てたら、単なるカードじゃない、生きたキャラだってユーザーさんに認識してもらえるのではないかと。
そこにキャラが活躍できる場を積み重ねていった結果、RPGになったのが『チェンクロ』なんです。ですので「俺はこのキャラが好きだから使っているんだよね」といったように、ユーザーの皆さんがキャラに愛を込めた遊びかたをしてくれているという現状は、すごくうれしいですね。
――タワーディフェンスをRPGの戦闘に採用するのは、どの過程で決まったのでしょう?
松永 家庭用ゲームでよくあるRPGのバトルシステムではなく、ちゃんとスマホというハードと向き合って、ベストなものを作ろうとした結果です。RPGってやっぱりバトルが大事ですし、ストーリーがよくてもバトルがつまらなかったら元も子もないですから。ショートタイムで満足感があって、それでいてタッチパネルを活かせるおもしろいバトルってなんだろうと考えて、タワーディフェンスという形になりました。
結果として1年たったいまも、しっかりとバトルを楽しんでいただけているので、ゲームデザインにこだわってよかったと思います。
――なるほど。『チェンクロ』がここまで人気になった理由は、やはりキャラクターの魅力ということでしょうか?
松永 そうですね。サービス開始からのユーザーの皆さんのコメントを拝見させていただいていると、やはりキャラの魅力をいろいろな要素で表現できたことが大きいと思います。
それと、RPG感、と言うべきプレイ感覚でしょうか。ユーザーの皆さんから「コンシューマのRPGを遊んでいるみたいだ」という、うれしい声をよくいただくのですが、じつは開発当時、そこまでの反応がもらえるとは予想していなかったんです。もちろん、RPGを作るつもりで作っていましたし、昔ガッツリとコンシューマーRPGを遊んでいた人が、スマホでもああいうテイストをまた味わえるといいなと思っていました。
ですが、スマホで遊びやすいよう再構築した結果、コンシューマーのそれとは全然仕組みが違うものになったので。どちらかというと、「ソーシャルゲームがちゃんとRPGっぽくなったね」みたいな声が来るかなと思っていました。なので、そこまで言ってもらえたのがすごい驚きで、うれしかったです。
これからもそのRPG感と言うべき楽しさを、崩さないようにして皆さんにお届けしていくことは、絶対に続けていきたいと思っています。
――では、運営面でよかった点や苦労された点は何でしょう?
松永 そこについては、一般の運営とは少し違うかもしれません。僕ら開発チームはいわゆるKPIに基づくビジネス的な運営はセガネットワークスの運営チームさんにお任せして、運営側からの計画リクエストに対して、それをどう『チェンクロ』の世界に落とし込むか、おもしろいゲームにするかということに注力しています。
たとえば“魔神イベント”のようなレイドボス戦であれば、どんな魔神キャラだとユーザーの方に楽しんでもらえるか、どんな敵のWAVE設計だと熱いか、味付けをしていくという部分です。最初は、ただ出現したボスを倒すだけだったイベントに、しっかりストーリーも入れ、ボスと特効キャラの関係性にもちゃんと設定を用意して……と試行錯誤をくり返し、おもしろさを追求してきたのですが、やはりそこが一番苦労しました。
あと、試行錯誤の苦労もありますが、一番つらいのは後戻りができないことですね。クオリティーを上げると、ユーザーの皆さんが喜んでくれてこちらもうれしい一方で、もう引き返せないんですよね。
いま挙げた魔神イベントなんかも、一度ストーリーをつけちゃったから、以降の魔神イベントでストーリーがなくなるのはありえないので……開発チーム一同、本当に苦しんでいます(笑)。
でもやっぱりそれ以上に、「このイベントよかった!」という話をもらえると喜びもひとしおなので、なんとしても続けていきたいですね。
――個人的には、コラボと魔神イベントが重なった『ログ・ホライズン』コラボイベントは衝撃的でした。
松永 そういっていただけると本当にうれしいです。本当にめっちゃ凝りました(笑)。あのイベントは、原作の橙乃ままれ先生や、イラストのハラカズヒロ先生と1回相談させてもらったときに、先生方もすごくモチベーションを上げてくださって。うれしいことに、もともと予定になかった描き下ろしのキャラを10人もご用意いただいたんですよ。
ただ、せっかくの10キャラをただフェスのガチャに入れるだけっていうのもどうなんだろうと。どうしたらいちばんおもしろくできるかというのを考えたときに、現状もっとも大きなイベントの魔神イベントと絡めようという話になったんです。正直……すごくたいへんでした(笑)。
でも、とても好評だったので、本当にやってよかったです。今後もコラボを絡めた魔神イベントはやっていきたいですね。ユーザーの皆さんが楽しめている限り、やれるところまでやろうと思っています。
――ぜひ! ちなみに、スタッフ間で流行っているパーティ編成やキャラクターを教えてください。
松永 パーティ編成にとくに流行りはないですね。というのも、よく開発者はいくらでもキャラをゲットして、自由にパーティを組めて楽しそうと言われるんですが、チェンクロチームは僕含めて、全員ガチで自腹を切ってプレイしているんです。なので、引けた中から好きなキャラクターでパーティを組むため、流行りはあまりないんです(笑)。
あと、シナリオを担当しているスタッフは、自分の書いたシナリオのキャラでパーティを組む方が多いですね。絵師さんもそうです。僕も監修だけでなく、いくつか直接シナリオを書いているので、担当したキャラでパーティを組みたいのですが……なかなか全員揃いませんね。リリスがまったく引けないです(笑)。
『チェインクロニクル』第2部始動!
――ついに第2部も始まりました。いつごろから準備されていたんですか?
松永 少々遅れてしまいましたが、おかげさまで何とか第2部を配信できました。第1部の運営と平行でスタートしたのが、半年とちょっと前くらいからでしょうか。もともとは、『チェンクロ』を始めて3ヵ月~4ヵ月くらいで、第2部をやりましょうという話が出ました。
じつはリリース当初から、メインストーリーのシナリオはエンディングまでできあがっていたんです。でも、うれしいことにユーザーさんからもっと長く楽しみたいという声をいただいて、第2部が決まって。それで急遽、オープン直前だった最終章のエンディング部分を、第2部につながるよう伏線などを入れたりして作り替えたんですよ。ガラリと変えたわけではないですけどね。
――それは意外でした! ボリュームも気になるのですが、いかがでしょう?
松永 少なくとも、第1部と同じか、それ以上にするつもりです。それとストーリー部分だけでなく、ゲームをより盛り上げる新イベントや新システムの提供も随時やっていきたいなと思っていまして、ストーリーの追加に加えてそれらも行っていくとなると、完結までは第1部よりゆっくりとしたペースになるかなとは思います。
――その新システムや新イベントについて、具体的にお聞かせください。
松永 新システムに関しましては、まず第2部のスタートから、ミッションシステムというアチーブメントを集めるタイプのシステムを導入しています。
それから、先日イベントで発表させていただきましたが、第2部では「もっともっとキャラクターの活躍の場を増やそう!」というコンセプトを打ち立てて、アップデートを行っていくつもりでいます。というのも、第1部のままでも多いのに、第2部でさらに同じくらいのキャラ数が増えますから。メインパーティの6人分の枠ではもう足りないなと。
なので、サブで育成しているキャラもいろいろな場面で活躍できるようなシステムを入れていきたいですね。発表したサポーターシステムや攻略戦イベントなど、詳細はまだ調整段階ですが、世界観やゲーム性にあった形で実現できればと思っています。
運営でのイベントも、新システムと同様、メインパーティ以外のキャラクターを使ったほうがいいような仕組みを入れていきたいですね。NやHNのキャラクターが活躍できた、現状のチャレンジクエストのようなものは、もっとあるべきだと思うんです。
――確かに、合成や売却したくない2軍のキャラクターがどんどん増えているので楽しみにしています! そのほか、今後の展望をお聞かせください。
松永 第2部は、ストーリー含めていろいろ新しい試みを考えています。第1部は王道ファンタジーのど真ん中をいくものを作ったつもりなんですが、ユグドを出て新しい舞台となる第2部では、もっとチャレンジをしていきたいですね。なので、ファンタジーという範囲内の王道から、ぎりぎりはみ出ないところをついていくような形で、刺激的でおもしろいストーリーを皆さんに提供できればなと。
いま、僕のほうで第2部の新しい舞台についての世界観設定や、ストーリー構成を書いていますが、1部とはガラリと変わったものを用意しています。とくに、海を越えて新しい大陸に着いてからは、いままでにない内容をお届けできると思っているので、すこし先になりますがご期待ください。
また、新しい世界観に合わせて新たなるキャラもどんどん出て、そこからさらにキャラの物語が広がっていく『チェンクロ』のおもしろさもがっつり用意しますので、そこもご期待いただければと思います!
それと、第1部のキャラたちも成長した姿で続々登場します。さらに、第2部のシナリオが進行していく中でも、第1部のユグドに関するシナリオを追加したり、第1部のキャラを掘り下げるタイミングを作ったりしながら、第1部、第2部ともに盛り上げていきたいなと思っています。
ですので、第2部でお見せする『チェンクロ』はただ新しいだけではなく、もともとの『チェンクロ』に新しいものをプラスして“大きくなったチェンクロ”というイメージで楽しんでいただければと思います。
――では最後に、ユーザーにひと言お願いします!
松永 ここまで1年遊んでいただいて、本当に本当にありがとうございます。これまでの第1部を含め、第2部でも、新しいものをどんどんお見せしていきます。全力をもって『チェンクロ』をさらに大きくしていきますので、いままでの部分も新しい部分も含めて、今後とも『チェンクロ』を、義勇軍メンバーたちの物語を、遊びつくしていただければと思います。よろしくお願いいたします!
チェインクロニクル
- ジャンル
- RPG
- メーカー
- セガ
- 配信日
- 配信中
- 価格
- 無料(アプリ内課金あり)
- 対応機種
- iOS 5.0以降、Android 2.3.3以上
- コピーライト
- (C)SEGA/(C) SEGA Networks
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