『デッドマンズ・クルス』はソンビ好きにとって至極のパラダイスだった

「I ラブ Zombie！」

走るゾンビはおかしい？

あじさいなんて食べない？

ゾンビの定義とか、そんな頭の堅いことは言いっこなし。16年後の世界はそれどころじゃないぞ!!

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アァァアアァァ
(時代はついに)

ァァアァァアアアァァ
(ゾンビパラダイスの幕を開けた(震え声))

2030年に突如発生したパンデミック。
人口の99.5％がゾンビ化しちゃって大騒ぎ。

政府が下した外出禁止令を３ヶ月間守った主人公は、銃を持って外に出ることを決心する。

「なぜ、銃なのか」

「そこは”ダリル”のようにクロスボウだろ！」

「いやまずはレコードを投げてだね」

しかしこれは、『ウォーキングデッド』でもなければ、『ショーン・オブ・ザ・デッド』でもない。

ゾンビ映画が大好きな私、深津庵はスマホに向かって独り言を呟きながら今日もハンティングを行ってる。

子供時代、映画『死霊のはらわた２』のチケットを新聞屋からもらった深津少年はひとり、劇場で人生初のホラー映画を観賞。
(※あの当時は年齢規制がありませんでした)

思い返せば、これがきっかけだ。

これ以降、ビデオレンタルのホラーコーナーに行ってはホラー映画を借りまくり。エグいスプラッターには慣れないものの、どーいうわけかゾンビに魅了されていく。

あの動き、勝てる余地のある恐怖。

そして、ゾンビ映画の第一人者である“ジョージ・Ａ・ロメロ”監督の作品などを見漁ることになる。

さて、そんな私が『デッドマンズ・クルス』を見逃すわけがありません。

ドアを開けるゾンビは許せないけど走るゾンビも許せちゃう。
寛大な心を持ってるよアピールを済ませたところで、デッドマンの名前にみなさん注目。

カメラマン

車掌

銀行強盗

メッセンジャー

マジシャン

ナース

カメラマンや占い師など、生前の職業が各個体名なっているのが本作の特徴。

プロフィールには口癖や、どうやってデッドマンになってしまったのかを知る情報もある。ゾンビ映画だと、その他大勢のゾンビ扱いされちゃう存在でも、こうやって明記されることで故人を偲ぶことができて面白い！

これなら、ショッピングモールの屋上から、特定のゾンビを的にしてゴルフで当てたり、向かいの銃砲店の店主と狙撃ゲームをする某映画の彼らも、もっと盛り上がれたに違いない。

アリゲーター

エレファント

ハト

腐った顎から歯が抜け落ちちゃうアリゲーターなど、アニマル系ゾンビのプロフィールも興味深い。できることなら、“メガアリゲーターvs”ジャイアントハト”など、必要以上に巨大化して暴れ出さないことを祈りたい。

それと気になるマジシャンとハトの関係。シルクハットのなかに仕込んでたハトにヤラれちゃったりもしたのかな、と想像が広がりまくる！

最後に、いまだ入手はできていないが“リンカーン”や“クレオパトラ”など、歴史上の人物までもがゾンビ化していることに触れたい。さすがに、「これはおかしい」と声を大にして叫びたい反面、ゾンビになっても凛々しく、気品のあるお姿に見とれてしまうから不思議だ。

『クルス』という言葉

タイトルロゴの”CROSS”にも描かれているように、クルスとはポルトガル語で十字架の意味だ。

そしてこれはゾンビもの好きな小ネタだが、現在連載中の花沢健吾氏のゾンビサバイバルマンガ『アイアムアヒーロー』にもクルスと呼ばれる人物がいる。

こちらは十字架という意味ではないが、同じワードが同ジャンルで出てくるとワクワクしちゃうのがファン心理。このマンガ、すっげー面白いからぜひ読んで！

現実じゃたまったもんじゃない世界だけど、架空なんだから全力で楽しんじゃったほうが得。ゾンビ好きはもちろん、ホラー映画が苦手なひとでも怖がらず、安心して遊べちゃう。

本作『デッドマンズ・クルス』はどんな展開を見せるのか。

・群がるゾンビを蹴散らしてボートで脱出
↓
・ロックなエンドロール
↓
・逃げたさきの島でゾンビに襲われる

そんなベタな要素もあるのか期待しつつ、今回はこのへんで！

P.N.深津庵