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【インタビュー】韓国と日本、ふたつの国のノウハウが生んだ『ハローヒーロー』のヒット秘密

2013-11-08 17:00 投稿

海外製のRPGが日本でヒットした理由とは?

日本国内で累計100万ダウンロードを突破したゲームオンのiPhone、Android向け3DRPG『HELLO HERO(ハローヒーロー)』。韓国のスマートフォンゲームメーカーFinconが開発を行い、本国で大ヒット。ゲームオンは日本国内における独占配信ラインセンスを獲得し、国内の運営を行っている。100万ダウンロードを達成したのは、配信からわずか50日程度。日本のマーケットで海外のゲーム、とくにRPGというジャンルで成功するのは稀有なケース。しかも、本作は、日本向けにキャラクターやゲームシステムの調整をほとんど行っていないという。なぜこれほど早く、本作が日本市場で成功したのか。ゲームオンの運営プロデューサー池亀泰宣氏に話を聞いた。

 
▲ゲームオン 運営プロデューサー池亀泰宣氏。

超スピードで100万ダウンロードを達成

――まずは、100万ダウンロード達成おめでとうございます!!

池亀泰宣氏(以下、池亀) ありがとうございます。

――ゲームが8月28日にリリースされ、10月17日に100万ダウンロードを突破したとのことですが、このスピード感というのは予想されていましたか?

池亀 いや、予想していませんでした。発表会の時に、開発元であるFinconの社長から「早く100万ダウロードを」とプレッシャーをかけられていたのですが、「50万で許して下さい(笑)」と話していたくらいなので、予想よりは早いスピードで、100万ダウンロード突破できたのは、非常に嬉しいことです。

――1ヶ月半で100万ダウンロードを達成できたのは、どういった要因が考えられますか?

池亀 日本の市場で強いコンテンツ、ランキングの上位にくるようなタイトルというのは、『パズドラ』に代表されるような、国内のニーズに合わせたものです。その中で海外ディベロッパーのゲームが、どれだけ善戦できるのだろうかという不安はありました。ですので、正直、こんなに早く100万人の方にプレイしていただけるというのは予想外で、明確にこれがよかったというのはないのです。ただ、本作を日本で展開するにあたって、見た目のインパクトをプッシュしていくことは決めてしました。2Dのゲームから外れていたところと、こういったタイプのゲームは日本市場に多くなかったところが、違ったものをやってみようという嗜好の方に予想以上にハマったのではないかと思います。

――そういえば、発表会もキャラ推しでしたね。造形もそこまで海外っぽいデザインではないようですし。

池亀 そうですね。キャラの造形が、そこまでジャパナイズされておらず、かといって思いっきり北米系の洋ゲーに寄ったものではなく、意外に個性的だったというのも、日本で受け入れられた要因のひとつだったと思います。

――いまはAndroidもiPhoneも同じサーバでサービスしているそうですが、同じサーバでサービスを行うことが、ダウンロード数に影響することはあると思いますか?

池亀 あると思います。このタイトルをスタートするまであまり知らなかったのですが、他のゲームですとAndroid用のサーバと、iOS用のサーバが別々にある状態が多いようですね。他のゲームが、iPhoneとAndroidで同じところで遊べないことがないぶん、『HELLO HERO(ハローヒーロー)』は、OSやデバイスに関係なく仲間内でダウンロードして遊ぶという点においては、いい効果があったと思います。

――iPhone、Androidのユーザー間でも口コミでの拡散が狙えますもんね。iOSとAndroidでは、どちらのユーザーが多いのでしょうか?

池亀 これは同時ロンチだったからなのか、要因は分からないのですが、綺麗に半々です。弊社がサービスしている『クックと魔法のレシピ』が、iOSを出してから3ヵ月か4ヵ月後にAndroidを出しているのですが、それくらいのタイムラグがあると、7:3とか6:4とか、先に出したほうが多くなったのですが、半々というのはビックリしました。私はずっとAndroidユーザーで、おもしろそうなゲームが出ると必ず「iPhoneでしかできません」と書いてあったんでね(笑)。いままでに前例なかったわけではありませんが、Androidでも「できるんだ」と気づいて、遊んでくれるプレイヤーが多かったのではないですかね。

――新しい機種の対応は日本でやられているのでしょうか?

池亀 やっています。Androidでいうと、各デバイスによってファームのアップデートが正確には掴めないので、そこまではリアルタイムでは無理ですが、次の秋モデルとか冬モデルの時期には機種変してテストするというのは、やるようにしています。

――よくAndroidは機種対応が本当に大変だと聞きますが、本作も例外ではない?

池亀 Androidのほうが、機種の数が圧倒的に多いんですからね。過去2年分のAndroidでリリースされた機種を調べたのですが、130機種もあって、2.3から4.0にアップデートできる機種も全部含めると、想定できるプレイヤーの環境数は300にもなります。Androidに関しては、プレイヤーから「動かない」という問い合わせがどんだけ来るのだろうかと本当にビクビクしていたのですが、おかげさまで、ゲームが完全に動かないというデバイスはほとんどありませんでした。どちらかというと日本は複雑な通信環境を使っているので、電波も3種類、4種類使っているキャリアさんもありますし、そういうところでプレイヤーにご迷惑をおかけしているところは本当に申し訳ないと思っています。いまは全力で改善に向けて動いていますので。

――では、Androidで動かないデバイスはほとんどない?

池亀 そうですね。2.3以上であれば、ほぼ動きます。

――それは、アプリの作り方が影響しているのでしょうか?

池亀 開発元の韓国の市場が9:1でAndroidなので、Android上での挙動のほうが、作り手として慣れているというのはあります。それはひとつのメリットですね。韓国は、ゲーム市場において、iPhoneは1割くらいしかいないらしいです。そういう意味で、Android上での挙動で大きいトラブルはありませんでした。

チャットと転生システムが人気を牽引

▲チャットと転生システムの導入は本当に悩んだという池亀氏。

――プレイヤー的には、男性と女性どちらが多いのですか?

池亀 ぱっと見た限りでは男性6、女性4くらいだと思います。正確にIDを取っているわけではないのでデータはないのですが、コミュニティーやレビューを見ていると、それぐらいなのではないかと思います。RPGというと20~30代半ばの男性というイメージを持っていたのですが、思ったよりも幅広い層の方に遊んで頂いています。もちろん、かなりコアに遊んでくださっている方はその層が多いと思うのですが、少しワールドボスやアリーナをプレイして、チャットで話して帰っていく主婦の方とか、夕方の4、5時になってくると「明日試験なんだけど」という学生っぽい会話が流れたりですとか、意外に万遍なく幅広い層の方がいる印象を受けますね。 チャットは、合間の時間に結構見ているんですよ(笑)。

――確かに、チャットでゲームとぜんぜん関係ない話で盛り上がっている人もいますね。チャットがゲームの継続率に影響するようなところもあるのでしょうか?

池亀 全員がチャットを利用しているわけではないので、それが全体の継続率に直結というわけではないと思うのですが、間接的な要因になっているのは間違いないと思います。オープンなチャットなので、じつは導入にあたっては、かなり悩んだ部分もあります。もう少し機能的に制限をしたほうがいいのかとか、実際知らない人とオープンで話すのはどうなんだろうとか、もしも誰も話してくれなかったらどうしようとか、すごく悩みました。ですが、予想に反して使っていただいているので、いまは非常に肯定的に捉えています。

――転生の仕組みも非常にユニークですよね。日本のゲームでキャラクターの強化というと、進化して強くなっているのが主流です。しかし、本作の場合、レアリティが1ランク上がって、全く系統が違ったキャラクターが誕生する仕組みになっています。この育成方法が日本で受け入れられるか不安はなかったのですか?

池亀  サービスにあたっては、転生の導入についても悩んだ部分です。例えば、同じ系統でノーマル、レア、レアプラス、スーパーレアという形になってしまうと、最初のキャラクターが出ないといつまでも何もできません。我々としては、キャラクターが大きな魅力だと思っていますので、いろいろなキャラクターを見てもらいたい。どれも決してムダにならないように見せる意味では、プレイヤーに馴染みはないですが、転生の仕組みがこのゲームの魅力をより引き出してくれると考えました。ただ、世間一般では系統で進化していくことが多く分かりづらいコンテンツなので、サポートを含めて転生の方法は色々と告知しています。

――転生やチャットの仕組みは韓国版のものをそのまま使用していると思うのですが、日本向けにカスタマイズした部分はあるのでしょうか?

池亀 明らかに韓国と日本が違うというものはないようにしています。

――それは細かなパラメータ部分も含めてでしょうか?

池亀 若干ですが、内部的な数値は調整しています。韓国のプレイヤー、日本のプレイヤーで消化するスピード、消化するコンテンツが変わってくるので、プレイヤーの成長レベルや新しく追加するコンテンツを見て、カスタマイズすることを前提にしています。

――なるほど。そういう細やかな調整というのは、10年以上PCオンラインゲームの運営を行ってきたノウハウが活きているんですか?

池亀 それは活きていますね。我々がリリースするにあたって一番注力したのは、元々本国(韓国)でかなりヒットしたタイトルなので、それを絶対に損なわないように日本の市場に提供することと、限りなくゲーム上のトラブルをゼロに近づけることです。どんなに優れた機能を入れたとしても、プレイヤーが遊ぶ環境によって100%使えないというところが、手軽なデバイスでサービスするゲームでは障害になってくるので、そこは注意してやらせていただきました。

――開発と運営で国が異なりますが、日本のユーザーからの意見や実際に運営する中で生じた問題のフィードバックなどは、スムーズに行えるのでしょうか?

池亀 そこが唯一、国内で作って国内でサービスするときとは違った障壁の高さがあります。App StoreやGoogle Playで配信するコンテンツは、開発する側にすると、日本だけでサービスするということは想定していません。あくまでグローバルなサービス展開が基本です。韓国の会社であれば、日本で出して、上手くいくようであれば北米に出して、ヨーロッパに出して、中国に出してというように、ワールドワイドなプレイヤーの設定を考えています。ですので、日本のプレイヤーに受け入れられる形にしてもらうように開発を説得するというハードルは高いですね。

――その調整が一番苦労したところですか?

池亀 そうですね。設定という話でも、日本だけがこうだからこうしてくださいとかって世界だと、どうしても話が暗礁に乗り上げちゃったりします。

――文化が違いますもんね……。

池亀 あまり独自仕様は好まない開発の方が多いんです。その辺りの調整をふた悶着からひと悶着に抑えるスキルは、PCオンラインゲームでの経験が役に立っています(笑)。

――(笑)。運営しているうえで、一番重要視しているところはどこですか?

池亀 プレイヤーにいかに継続して遊んでいただくか、という点です。このゲームを運営して改めて思ったことは、自分たちがおもしろいと思った設定でサービスをしたとしても、それは絶対的に正しくないということです。自分達がどんなにパーフェクトだと思っていても、実際にサービスを開始したあとには、必ず一度調整する必要があります。その調整部分を一番気にしています。あとは、チャットを含めたコミュニティー部分です。なるだけ手軽に本名じゃない名前で話しやすい環境を作ること。ゲームの中でオープンにしゃべることをあまり放置してしまうと不快に思う方もいらっしゃると思いますし、とくにサービス直後は、へばりついて見ていました。

――1000チャンネルもあるので、大変な作業ですね。

池亀 そうですね。ただ、オープンチャットを好まない方も当然いらっしゃいますので、どちらかというと若いチャンネルを重点的に見ています。チャンネルが埋まってくるごとにゲームにログインすると選択できるチャンネルが動くので、どちらかというと、後ろのほうのチャンネルは、極度に干渉しません。1~3チャンネルはプレイヤーがいちばん入ってくるので、突然政治論争が始まるとブルーになるじゃないですか(笑)。そういう部分については、何台かモニターを用意してチェックしています。

――1プレイヤーとしてチャットを見ていると、意外とおもしろいですよね。前に、「ヌーブラ」について話しているチャンネルに遭遇しました(笑)。

池亀 (笑)。もっと制限してくださいという声もあるのですが、あまり極度に制限する気はないです。宗教とか政治になってしまうと話は別ですが、「そういえば今日、ゴッドフェスだったんだ」みたいなものも、ある種許容範囲というか(笑)。あとはチャットの追い出しとか、「あなたは来ないでください」みたいな私物化するようなものはダメですが、それ以外の部分というのは、極度には干渉しないようにしています。その塩梅も、日によって時間によって気を使う部分です。

▲★5か★6のヒーローを引くとチャットに表示される。会社で働いているときに知り合いやフレンドの隊長名で「○○が★6を引きました」が流れてしまい、「あいつ仕事してねぇなあ」という事件も(笑)。

――そうなんですね。仕様の点でお聞きしたいことがあるのですが、ヘルモードの★4のヒーローは本当にドロップするんですか(笑)。

池亀 あれは超レアですね。じつは、私もサービス開始以来1回だけです(笑)。

――やっぱり! ドロップ率アップみたいなイベントをぜひやってほしいです。

池亀 それは、今後は積極的にやれるように調整しているので、今後に期待してください。

新たなワールドボス、変身システム、アリーナの追加仕様など、年末は要素てんこ盛り

――特殊の3つ目にある「謎のシステム」はいつ解禁する予定ですか?

池亀 11月に公開しようと思っています。

――それはどういう機能でしょうか?

池亀 どちらかというと上級者用のコンテンツです。いまヒーローのランクは最大★6までありますが、ゲームの仕様上、同じヒーローを編成できないので、最上級ランクの同じヒーローが2体いても、片方は使えません。その救済措置として、1体をマスターまで育てて、その次に同じヒーローを引いた場合は、★6に限りですが、同ランクの別のヒーローに変身させることができます。なるべく多くの方に、いろいろなヒーローを見てもらうようにしたいので、そういう機能を用意しました。本当はもう少し早く実装したかったのですけど(笑)。

――アリーナについてはいかがでしょうか?

池亀 アリーナは、本当にプレイヤーからの要望が多いです。とくに強い者同士の対戦を観戦できるモードはないのかというご意見を多数いただいています。そういった要望には応えていきたいと思います。あとは、例えば★4以下だけのリーグ戦であったり、★3以下だけのリーグ戦であったり、上位だけではなくて、もっと幅広いプレイヤーに、パーティ編成を楽しんでもらえるようなものを考えています。ほかにも、ワールドボスの追加など、年末に向けてコンテンツは動いていくので、お楽しみいただければと思います。

――楽しみにしています! ちなみに、控えている新ヒーローは、何体くらいいるのでしょうか?

池亀 50~60体はほぼ決まっています。ゲームのオープニングには出てくるのですが、実際にはまだ出てこないヒーローがいて、「本当に実装されるのですか?」、「釣りじゃないんですか?」というお問い合わせが本当に多いです(笑)。オープニングにいるキャラクターは基本全部実装されます!

――それはいつ頃?

池亀 50体全部というわけではありませんが、目算としては年内に向けて徐々に入れる予定です。日本のプレイヤーに向けた造形のヒーローを10体ほど用意しています。オープニングに登場するセーラー服を着たサムライっぽい子や忍者っぽい子は、日本でのサービスが決定してから、開発元がすぐにデザインしたキャラなんです。

 
▲よく見るとサムライ以外にも、見たことがないヒーローがチラホラと。

――なるほど。発表会でコラボしやすい造形というお話があったと思うのですが、実際100万ダウンロードを達成してそういったお話も来ていたりするのではないですか?

池亀 お話はいただいているのですが、作るからにはいろいろな国の方たちに提供したいという意思があるので、コラボするIPはいろいろ思案しているところです。

――では、今後、コラボキャラクターが登場する可能性も?

池亀 十分にあると思います。ヒーローだけではなくて、フィールドマップでもいいですし、ゲーム同士のミクスチャーはやりたいので、記事を読んだ方はぜひ(笑)。「これはダメだ」というのはあまりなくて、ディフォルメさえ許していただければ、どんなものでもイケるんじゃないかと思っています。

――決まったら第一報をください! ありがとうございました。

本邦初公開の新ヒーロー!

インタビュー中にも出てきた日本をイメージして作れられた、サムライと忍者をモチーフにした2体の新ヒーローを初公開! タイプは!? スキルは!? 気になることだらけだが、見た目はかなり強そう。いつごろ実装されるかは不明だが、はやくパーティーに編成して活躍させたい! 配信をお楽しみに!

HELLO HERO(ハローヒーロー)

ジャンル
RPG
メーカー
ゲームオン
配信日
配信中
価格
無料(アプリ内課金あり)
対応機種
iOS:iPhone、iPod touch および iPad互換、iPhone 5 用に最適化済み iOS 5.0以降が必要 Android: Android 2.3(Gingerbread)以上

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