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Supercellはゲーマーが愛すべきメーカーだった

2013-10-02 13:25 投稿

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東京ゲームショウ2013のタイミングで、Supercellの『クラッシュ・オブ・クラン』に関わったラッセさんとラウリさんが来日。開発スタッフのおふたりに、早速インタビューしてきた。その様子をリポートする。

誰もが楽しめる防衛とストラテジー要素が入ったゲーム

――7月に日本語版が配信されて、それ以来App Storeのトップセールスランキングで、つねに5位前後をキープされています。すごいですね!

ラッセ とても誇らしいですし、とてもハッピーです。開発スタッフの中には昔からの任天堂ファンも多いです。そんな長いゲームの歴史を持つ日本のゲームランキングに入れてウレシイですね。

——ラッセさんは『クラッシュ・オブ・クラン』にどのようにかかわっているんですか?

ラッセ 現在は新しいプロジェクトのプロダクト・リードをやっています。言ってみれば、プロデューサーのような仕事ですね。『クラッシュ・オブ・クラン』は最初から数ヵ月前まで、プロダクト・リードをやっていました。


▲ラッセ・ロウヘントさん。『クラッシュ・オブ・クラン』で以前プロダクト・リードという役割を担当。ゲームの立ち上げに携わった5人のチームの中心的人物。

――日本のクリエイターに『クラクラ』のことを聞くと、開発チームに絶対に天才プログラマーがいる! という方が多いんですが、実際いらっしゃるんですか?(笑)

ラッセ 名前が似ているのですが、ラッシィというリード・プログラマーがいます。彼はまさに天才プログラマーです。現在はボクに変わって『クラッシュ・オブ・クラン』のプロダクト・リードに就任しています。

――おお、やはりいらっしゃったのですね(笑)。最初は少人数で作られてたんですよね?

ラッセ 総勢5人のチームで開発をはじめました。僕ひとりではなく、全員で『クラッシュ・オブ・クラン』をどんなゲームにするかを考えたのです。私のおもな役割は ゲームのビジョンをチームで決めた方向性に正しく誘導することです。片手間にグラフィックとUI(ユーザーインターフェイス)の部分を担当しましたが、チームの誰もが互いの担当分野についてもクロスオーバーして考えていました。何かを決めるにも、5人のチーム全員で意見を出し合って決めてきました。誰かひとりが決めるということはありません。全員です。

――このゲームを作ることになったキッカケを教えてください。

ラッセ 新しいジャンルのゲームを作ろうとしたことです。それまでにリリースされていた他社のさまざまなゲームを遊んでみましたが、UIが悪くて遊びにくかったり、システムやルールが複雑すぎて楽しめなかったりと、ボクらが目指すものとは違っていました。そこで原点に立ち返って、老若男女を問わずに誰もが楽しめる、防衛とストラテジー要素が入ったゲームを作ろうと思ったのです。それが『クラッシュ・オブ・クラン』のスタートポイントです。

――ある意味ですね、App Storeという特性もあるんでしょうけど、『クラッシュ・オブ・クラン』は日本市場で大ヒットした稀有な海外タイトルだと思うんです。日本のスマホゲームでは、縦画面のものしかヒットしないと言われてきましたが、横画面での大ヒット。さらには、課金モデルと言えば体力回復やガチャによるものが圧倒的な市場の中で、『クラクラ』は時短(時間短縮)がメインと……これは相当新鮮でした。

ラッセ プレイヤーにとって、つねにフェアであることを第一に考えてきました。課金しないと手に入らないアイテムは作らない。『クラクラ』はとてもシンプルで、ジェムは時間と交換できます。それ以外はない。課金してもしなくても、ユーザーがいっしょに楽しめることを大切にしています。このことは、ゲームを作りはじめたときから変わっていません。


▲ラウリ・ラーティカイナンさん。今年から『クラッシュ・オブ・クラン』のチームにゲーム・プログラマーとして加わる。現在は新しいプロジェクトでリード・ディベロッパーという立場で、おもにプログラムを担当する。今回はオブザーバーとして参加。

――実際僕も大工をひとり課金で雇ったくらいしかしてないので申し訳ないのですが(笑)、課金した人と課金していない人が、同じレベルとまでは言いませんが、作戦によっては対等に対戦、協力できるのは神レベルのバランスだと思いました。

ラッセ たとえ課金したとしても、それだけではランキングの上位をキープすることは不可能になっています。トロフィーシステムと呼んでいますが、自分の村はつねに他のプレイヤーから攻撃を受ける危険にさらされています。なるべく多くの時間をゲームに費やしてないと、すぐにランキングが下がってしまうようにできているのです。世界ランキングで100位内に入っているプレイヤーたちは、かなりのアクティブユーザーです。


――村を攻撃されても、エリクサーとゴールドを失うだけで、すぐに復活できるという仕様も発明ですよね~。

ラッセ ゲームプレイの過程で、それまで積み上げてきたものをすべて失ってしまうのは、ダメージが大き過ぎます。その時点で、ゲームを続ける意欲を失ってしまうでしょう。そこで『クラッシュ・オブ・クラン』では、復活が用意なシステムを考えました。

どれだけ開発が進んでいようと基準に達しなければ中止

――まわりの『クラクラ』ユーザーを見渡しても感じるんですが、ゲームの継続率はとてもいいですよね?

ラッセ 具体的な数字はお教えできませんが、いいと思います。ゲームを楽しんでくれて、長いあいだ遊んでもらえることをつねに目指しています。昨年は6本ほどゲームを開発し、一般のユーザーに参加してもらってのβテストを行いました。でも、実際のリリースまでこぎ着けたタイトルは2本しかありませんでした。ユーザーがどれほどゲームを楽しんでくれたかについて、社内で一定の基準があるのですが、それに到達できなかったゲームは、たとえどれだけゲームの開発が進んでいようと、やめてしまいます。

――継続率というのは、毎日どれだけ長い時間プレイすることなのか、毎日ログインすることなのか、どちらをより重視されていますか?

ラッセ 社内では3つのカテゴリーに分けて判断しています。まずは新規ユーザー、ビギナーですね。こちらは初回のログインえどれだけ上手にプレイを進められたか、どれくらいのところまでプレイしてくれたかを重視します。つぎにミドルユーザー。ゲームについて一通り理解していているグループです。彼らがそれ以上のステップに進んでくれるのかや、一日にどれくらいの頻度で遊んでくれるのかを見ています。そしてアドバンスユーザー。ゲームに登場するキャラはすべてアンロックしているような、より深いユーザーたちです。アップデートをするときなど、つねにこの3つのカテゴリーのユーザーを意識して、継続率を上げる方法を考えています

――継続率が勝負ですか……。

ラッセ たとえ課金がうまくいっていても、ユーザーの継続率が納得いくものでなければ開発を止めてしまいます。本当におもしろいゲームであることがもっとも重要ですし、継続率が上がらないということは、ゲーム自体の完成度が低いという結果になります。ゲームの完成度を、あとから引き上げることは至難の業です。Supercellでは、そんなゲームは、たとえある程度収益が上がっていたとしても、ゲームの開発を辞めてしまいます。

――それはすごい! 日本では継続率を上げる手段としてイベントを多用するゲームが多いです。『クラクラ』のイベントといったら一周年イベントのみ(今年の8月2日にスタート。内容はエメラルド1個で資源の生産量を1週間、倍増できるというもの。通常はエメラルド1個で6時間の倍増なので、なんと28倍もお得だった)。そうしたイベントに関連した施策はいかがですか?

ラッセ 一周年イベントが成功したという実感はあります。既存のユーザーにも楽しんで頂けましたし、新規ユーザーもゲームを始めてくれました。今後も定期的にイベントを実施できればと思っています。

――新規ユーザーを獲得するいちばん効果的な方法はなんだと思います?

ラッセ マーケティングやメディアで取り上げられることも大切ですが、ベストな方法は口コミです。ゲームをプレイした誰かが、その楽しさやプレイの仕方を友だちに伝える。それをまたべつの友だちに広めるといった形で広がっていくのがベストです。たとえば学校で噂になれば、クラスの全員が『クラッシュ・オブ・クラン』のことを話しだします。ユーザーが 自分のクランに入れるために、友だちに『クラッシュ・オブ・クラン』を薦めてくれることを感謝しています。

――口コミが生まれということは、ゲームのクオリティーが高いということですね。無課金で遊べるということも大切ですね。口コミが生まれるためにはほかに何が必要ですか?


ラッセ 開発スタッフ全員が、とにかく『クラッシュ・オブ・クラン』のことを愛していますし、自分たちが楽しみながら開発を進めています。その情熱が、自然とユーザーにも伝わり、それが口コミを生み出す原動力になっていると思います。『クラッシュ・オブ・クラン』は開発のスタートから2ヵ月でマルチプレイが遊べるところまで作り上げ、その後の4ヵ月間は、Supercellの全スタッフ、開発関係者だけでない、それこそ経理や総務のスタッフまで総出で、ゲームをプレイしました。そして意見を出し合い、ゲームのバランスを取ったり細部を調整したりということを実践しました。とくにゲームのバランスを取ることは、ユーザーに対してフェアなゲームを作り上げることにつながりますから、全スタッフの意見を聞きながら調整しました。スタッフのゲームへのモチベーションを上げるために、賞品を出したりもしました。いちばん長く遊んでくれた人や、いちばん多くバグを見つけてくれた人などを表彰しました。ソーシャルゲームなので、友だちと遊んだほうが楽しいですよね!

――楽しみながら作ってるというのはヒットタイトルの開発チームの共通点のような気がします。

ラッセ 『クラッシュ・オブ・クラン』は、まだ始まったばかりです。つねに先を見ています。新しいキャラを出すときには、既存のキャラとのバランスに立ち返って見直します。もちろんプログラム上でのバランス取りもできますが、最終的にはスタッフ全員で遊び直して、バランスが間違っていないかなどを頻繁に検証しています。同時に、ユーザーからの意見もフィードバックしています。

――やはりユーザーと寄り添うことが重要ですね。ゲームプレイして思ったんですが、エリクサーポンプを触ると飛沫が上がったり、アーミーキャンプを触ると兵士が腕を上げたりと、ディティールのこだわりが尋常じゃない(笑)。ゲームに対する愛情が感じられます。もともとはコンシューマーゲームの開発をされていたのですか?

ラッセ ボクは21年間、さまざまなゲームの開発に携わってきました。チームのほかのスタッフも、10~15年程度のゲーム開発の経験があると思います。ゲームに対するこだわりなどは、それぞれが持っています。

――やはり! いま続々とコンシューマーのクリエイターがスマホに進出しています。スマートフォンのゲーム作りにおいて、意識を変えないといけない部分はありますか?

ラッセ コンシューマーゲームでは、ポリゴンやフレームレートなどのパフォーマンスの優劣に意識が行きがちです。スマートフォンのゲームでは、プレイ体験が大切です。見た目ではない、プレイしたときの感覚。UIをよくすることなども含めて、プレイ体験をよくすることが大切になります。ファミコンで発売された任天堂の一連のタイトルなど、そのお手本だと思います。ハードの制約もあってグラフィックに凝れない分、ゲーム性を徹底的に追及している。いまプレイしてもおもしろいゲームが沢山ありました。

――なるほど。『クラッシュ・オブ・クラン』を作るにあたり、インスピレーションを受けたゲームなどありますか?


ラッセ Facebookのアプリなのですが、『バックヤードモンスター』というのがあります。またアーケードゲームの『ガントレット』からも、キャラクターの構成などを参考にしました。


――個人的に気になっているフマートフォンのゲームはありますか?


ラッセ iOSでゲームを開発すると決めたとき、多くのゲームをプレイしました。またタブレット用に開発されたゲームもプレイして、参考にしています。多くのゲームを遊んでいないと、ゲームのアイデアも湧いてこないと思います。

劇的でクールなアップデートに期待していてください

――『クラッシュ・オブ・クラン』の開発をはじめたときは5人のスタッフだとお聞きしましたが、現状はどの程度のスタッフが開発に携わっているのですか?

ラッセ いまは12人ですね。最大でも13人です。全員で協議してひとつのことを決定するにも、そのくらいのコンパクトなチームがベストです。スタッフ間の意思疎通も取りやすいですし、全員の意見を汲み上げることもできます。

――いまでも13人ですか!(笑) 日本支社が出来たとのことですが、今後は日本市場にも力を入れていくのですか?

ラッセ もちろん、日本は重要なマーケットだと思っています。日本支社を作ったのも、その決意の表れだと思ってください。日本支社を置くことで、これから長期にわたって日本のユーザーへの支援やサポートを続けていくつもりです。

――今後の予定を聞いてもいいですか? まずはAndroid版を制作してるかどうかとか……!

ラッセ 配信時期などは一切決まっていませんが、『クラッシュ・オブ・クラン』のAndroid版のβ版を、限定された国でリリースしました 。より多くのユーザーに楽しんでもらいたいです。もう少ししたら『Hay Day』というタイトルの日本語版をリリースする予定です。iOS版の『クラッシュ・オブ・クラン』についても、もしも新しいゲームのアイデアが浮かび、それが魅力的なものであれば、ゲームの内容が180°変わるようなアップデートをする可能性もあります。それは自分たちにとってのチャレンジですし、他社であれば絶対にしないようなことも、Supercellではやっていこうと思っています。それくらい自由で柔軟な発想でいきたいですね。私たちは『クラッシュ・オブ・クラン』で、過激な変更を行うことを恐れていません。将来、劇的で凄くクールなアップデートがあるかもしれません。期待しててください。

――ゲームの内容を180°変更するのも厭わないってすごいですね……! それに比べたら小さくて申し訳ないのですが、複数の大工をひとつの建物の建築に着手させて、完成までの時間を短縮させてもらいたいんですが……こちらご検討していただけますか?(笑)

ラッセ ユーザーさんからそのような意見は多くきています(笑)。ゲームバランスを考えながら検討していきたいと(笑)。

――ちなみにラッセさんは現在『クラッシュ・オブ・クラン』以外のタイトルを作っていたりするのですか?

ラッセ 何チームかは、新しいプロジェクトを開始しているとしか言えません。リリース予定も一切決まっていません。通常の会社であれば、リリース予定日が最初に設定されると思いますが、Supercellでは、自分たちが納得するまで開発を続けますので、リリース予定というのは、はじめから存在しないのです。前にもお答えしたように、ゲームのクオリティーをアップさせることに最大のプライオリティーを置いているからです。自分たちが本当に納得するまでリリースしません。ふつうの会社から見たら、計画性がないと言われてしまうかもしれませんね(笑)。

――『クラクラ』のアップデートと、新規タイトルも超楽しみにしています! 今日はありがとうございました!

 

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クラッシュ・オブ・クラン

メーカー
Supercell
配信日
配信中
価格
無料(アプリ内課金あり)
対応機種
iPhone 3GS、iPhone 4、iPhone 4S、iPhone 5、iPod touch(第3世代)、iPod touch (第4世代)、iPod touch (第5世代)、およびiPad に対応。 iOS 4.3 以降が必要 iPhone 5 用に最適化済み

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