『テトリスモンスター』配信記念インタビュー「間違いなく『テトリス』の遺伝子を受け継いでいる」

2013-08-22 18:45 投稿

▲『テトリスモンスター』の攻略まとめサイトできました!

話題作の裏側を独占インタビュー!

ゲーム好きな日本人であれば、誰でも一度はプレイした経験がある『テトリス』に、モンスターバトルRPG要素をミックスしたエレクトロニック・アーツ(以 下、EA)の最新作『テトリスモンスター(以下、テトモン)』。すでにアプリをダウンロードしたユーザーも多いとは思うけど、そんな話題作のリリースを記 念してキーマンのプロデューサーたちに突撃インタビューを敢行! 開発現場の裏話から今後の展望まで、気になるアレコレを直撃!

 

 

エレクトロニック・アーツ株式会社
エグゼクティブプロデューサー
マット・スミス氏
■PROFILE
プロジェクトの予算や進行管理を務める傍ら、アメリカのEA本社や各国スタジオと折衝をこなす敏腕プロデューサー。日本語にも堪能で、日本人以上に『テトリス』を愛して止まないナイスガイ。

 

エレクトロニック・アーツ株式会社
プロデューサー
山縣周一(やまがた・しゅういち)氏
■PROFILE
『テトリスモンスター』の企画立案に携わって来た生みの親。プロデューサー業務に加え、プロジェクトリーダーとしても開発スタッフを牽引し続ける。

 

チャレンジ精神に満ちたEA魂

――まず始めにEA JAPAN STUDIOとは、どういった制作スタジオなのかお聞かせください。

スミス モバイル専門のアプリ開発を手がけている制作スタジオです。グローバルな視点で見ても日本は大きなマーケットですが、これまで弊社としてあまり注力できていなかった。そこで日本市場へ対応するために、“国内で制作された国内向けアプリが必要”との観点から設立したスタジオとなります。

山縣 世界的に見ても日本市場は、スマートフォン向けアプリのマーケットとして非常に熱いです(笑)。そこでEAとしても、その市場に根付いた展開していきましょうと。現地スタッフの手で、その地域に合ったモノを作って展開しましょうといったことですね。

そういった経緯からJAPAN STUDIOが立ち上がり、『テトリスモンスター』にも日本人スタッフが携わっています。もちろん、EAはグローバルな企業なので、それこそホントいろいろな国にスタジオがあるんですけれど。そのなかで技術的な部分であるとか、お互いのいいところを得た上で、しっかりと最良のアプリを作って日本市場に挑んでいきましょうと。

――実質的には『テトモン』が、JAPAN STUDIOで制作された第1弾となるワケでしょうか?

スミス 弊社としては大きな機会がふたつあります。まずは山縣の話にあった通り日本は熱い市場ですから、“そこにはどういう技術があって、どうやって楽しいゲームをモバイルで作れるのか?”。それを日本以外の国に持っていきたいという考え。もうひとつとしてはグローバルに大きな会社ですから、“他の国でどうやって成功したのか?”といった部分をフィードバックしやすい。これはお互いにいい機会なのではないかと考えていました。

――そういった考えを受け、『テトモン』のプロジェクト立ち上げの経緯につながるワケですね?

山縣 GREEやmobageでの『FIFAワールドクラスサッカー』が成功を収めて、その後に続くモノをしっかり作って行かなきゃ行けない時期でした。当時は『FIFA』もスマートフォンだけではなく、フィーチャーフォンもいっしょに展開していたワケですけど……。スマートフォンのネイティブなアプリは、昨年ぐらいから非常に数が多くなって、市場としても盛り上がっている。そういったところを踏まえた上で、EAとしてもチャレンジしながら展開していこうと。

そこで何ができるかEAとして考えたとき、『バトルフィールド』であるとか『FIFA』であるとか、ハードコアなゲームをたくさん作っていると改めて実感しました。

――確かにそういったイメージはありますね。

山縣 でも実際はカジュアルなゲームとかも出していて、そのなかに『テトリス』が含まれていたんです。僕自身も最初は『テトリス』ってEAだったっけ?みたいな感じではありましたけど(笑)。『テトリス』を知らない日本国民はいないハズだから、“そこの強みをしっかり生かしたゲームを作ろうよ”といったところからプロジェクトが立ち上がっていった感じでしたね。

スミス EAはたくさんのIPを持っています。新しい市場に対してどのIPが合っているか考えていくことが大切です。ときには、新しい要素を入れる必要もあるでしょう。そういった手順を通じて、『テトモン』を山縣が考え出せたのは、EAだからこそだったと思います。

大反響を呼んだキャラデザイン

――これまでのEAといえば“リアルな3Dグラフィック”だったワケですけど、どうして本作では“かわいいキャラクター”なのでしょうか?

スミス 日本国内だとEAは、FPSであるとか、ちょっと乱暴なコンテンツのイメージが強いと思いますけど……。弊社としては『モノポリー』とか、誰でも遊べるような広くアピールできるブランドをたくさん持っています。ちょっと残念なことに日本の市場では、あまり知られていない現状というのはありますけど。

山縣 『テトモン』がこのキャラクターになるまでは、大分苦労しましたよ。

スミス ゲーム自体をしっかりと作り込んだコンテンツ。なかでも3Dキャラクター+カジュアルなゲーム性は、これまで弊社のできていなかった部分で、『テトモン』が初になると思います。

――確かに全体的なテイストと言うか、これまでのブランドイメージとは違いますね(笑)。

スミス 間違いないですね。ボクらが言いたいのは、弊社にもカジュアルゲームを作る能力があることです。それをこのゲームを通じて、“こういったゲームをEAが作れるのか!”っていう驚きを、日本の皆さんに感じでいただきたいと考えています。

――あのかわいらしいキャラクターは、企画当初から考えられていた部分なのでしょうか?

山縣 企画当初はもっとリアリスティックなキャラクター案もありました。でも、『テトリス』を遊んでいただけるお客さんをリサーチすると、男女比がほとんどいっしょなんですよね。もうホントに年齢層の幅も広くって、ご年配の方でも『テトリス』を実際にプレイした経験がある。

そういったリサーチ結果を見ると、『テトリス』って楽しいゲームですし、いろいろな世代や性別を越えて親しまれているゲームなんだなと。そこを考えてみれば、多くのユーザーが触ってみたときに、カワイイなと好感を持てるあのデザインしかないと。

――それはゲームにおけるマスコット的なキャラクターといった意味も含めてでしょうか?

山縣 そうですね。もちろん単純にカワイイだけじゃなく、造形的な格好よさであるとか、3Dモデルならではの演出的な見せかたであるとか、そういった部分をうまく出せて行けたら最高にいいと思いますね。そこのところを両立させるために現在のデザインになっていますし、バリエーションもいろいろなタイプを用意してありますよ。

スミス 市場を見ると、誰でも遊べるカジュアル系のゲームってニーズが高い。そういった要望に対して、誰にでも受けるゲームをきちんと作ってあげる必要があると思っています。それはキャラクターデザインも同じで、“みんなが楽しめる”というのはすごく重要なこと。現状のコンテンツを見る限りでは、かわいらしさが前面に出ていますけど、ちゃんとカッコイイところも押さえてあって、丁度いいバランスになっているのではないかと思います。

山縣 キャラクターの頭身とかもリアル指向ではなく、3頭身ぐらいで展開していったほうがいいと思っていますね。実際にゲーム中のバトルシーンを集中してみると、カワイイらしいだけでなく、よく動いていると格好よさもあるかなと。

――正直プレイ中に見ている余裕ないですけど、確かにキャラクターがよく動いていますよね。

山縣 ホントにいろいろなパターンを用意してありますので、がんばって見ていただければなと。

――ユーザーの反響もねらい通りですか?

山縣 そうですね。ティザーサイトをオープンしたときも、最初に“『テトリス』ってEAなんだ?”って驚いてもらって……キャラクターデザインを見て、もう一度驚いてもらいたいな、と。ネット上で“EAがおかしくなった!”とか書き込まれたりしていますけど(笑)、僕らにとっては、ある意味でほめ言葉として受け取っていますね。

そこはホントに日本の開発スタッフで制作していて、今回はキャラクターデザインをイラストレーターの戸部淑(とべ・すなほ)さんにお願いしました。キャラクターの魅力も日本市場に合わせて、スマートフォンのゲームとは思えないぐらい3Dでも動きますし、ホント細部まで作り込んでありますよ。

スミス 確かにアレは……おかしくなったと思われても仕方がないかも知れません(笑)。

山縣 ちょっと言葉は悪かったかも知れませんけど……そこは最初にお話させていただいたローカル選択の部分ですよね。日本国内の要望に向けての提供というのが大きいですし、3Dモデルでちゃんと再現できて、動かせるっていうデザインでもあったりします。ですから実際に3Dモデルが動いているのを見てもらえれば、もう少し違った印象になるのではと楽しみにしていますよ。

――ちなみにイヌっぽい雰囲気(?)の、プレイヤーの相棒キャラクターはなんですか?

山縣 それはちょっとストーリーに関わる話なんですけど……いちおう鳥っぽい認識で見ていただければなと(笑)。今後、ストーリーが展開していくことによって、あの世界にプレイヤーが召喚された理由とかも少しずつ語られて行きますよ。

 

▲ゲーム本編のナビゲーターとして、プレイヤーの手助けをしてくれる変な生き物“みぃの”。その正体や世界観などは、今後追加で配信される予定のストーリーの中で解明されていく……らしい?

 

こだわりの詰まったプレイ感覚

――『テトリス』を題材としたことにより、実際の開発作業で苦労した点などはありますか?

山縣 そうですね。そこまで苦労はしなかったですけど……。ゲーム性を洗練するために、細部の調整はリサーチといっしょにかなりやりましたね。

スミス じつは弊社が出したスマートフォン向けの『テトリス』は、この『テトモン』で3作目になります。この『テトリス』っていうゲーム性は、すごくコントローラーにつながっているイメージがあると思います。そういったなかでいちばん大きなチャレンジは、“どうやってタッチパネルに落とし込むか?”といった部分です。確かにちょっと難しかったですけど……個人的にもいい操作感に仕上がったのではないかと自負しています。

――リリースを聞いたときは正直不安も感じましたけど、ちゃんと『テトリス』していますよね。

スミス 実際にボクらが苦労したワケじゃないですけど……以前のタイトルですごく研究して、その成果を『テトモン』に持って来ています(笑)。

山縣 そこから我々のほうでもリサーチを出していき、この2013年に『テトモン』仕様のロジックができたのは、すごくよかったと思いますね。

スミス 日本のユーザーがいちばんビックリするのは、タッチパネルで『テトリス』のテイストが残っている部分だと思います。ゲーム性は新しい形ですけど、間違いなく『テトリス』の遺伝子を受け継いでいると感じてもらえるハズです。

――たくさんの制作スタジオを抱えているEAだったからこそ、実現可能だった制作手法ですね。

山縣 元のプログラムがカナダのモントリオールで、それを日本とソルトレイクのあいだでやり取りをして……。200人近い数のスタッフが制作に関わっていて、技術的なサポートであるとか、グローバルに支援していただいた方々まで含めてみたら、ちょっとトンでもない人数になってしまいましたね(笑)。

スミス 今後も展開によっては、もっと増えるかもしれないです。

山縣 これからもEA全体として、サポート体制を継続していきます。EAは歴史が長くて、グローバルにリリースしていた手前もあり、ほかの国からべつの国のスタジオを支援したり、ライブラリを共有したりと、かなり作業面が最適化されていますね。

――ちなみに操作性以外の部分で、個人的におふたかたが気に入っているゲームのポイントなどは?

山縣 先日、日本でファミコン版『テトリス』を開発された方とお話をする機会がありまして……やっぱり『テトリス』であることはとっても重要なのかなと。コレはBPSの方にもお墨付きをいただけて、“ちゃんと『テトリス』しています”と(笑)。

『テトリス』という歴史あるゲームに負けない、“ラインスタック”のシステムとか、かわいらしい3Dキャラクターとかの部分ですね。伝統的なだけでなく、新しい要素もしっかりと融合した『テトモン』をぜひ体験してほしいです。

スミス ボクはちょっと細かいですけど。いちばん好きなポイントは、やっぱりスタックシステムです。詰み損ねて残ったラインが、段階的に上へと押し上げられて何気にリカバーしやすい。もともと計画されていない部分だとも思うんですけど、その部分が個人的にプレイしてすごく楽しい(笑)。

――確かに“ゴーストミノ”の操作性も合わせて、プレイがうまくなった気分を味わえますね。

スミス プレイ画面が従来よりも狭くなったところにスタックシステムを加えたことで、ゲームのペースが短縮され、『テトリス』特有のハラハラした感じをちゃんと踏襲できているとでもいいますか……その上で新しいゲーム性もうまく融合できている。そこの部分はプライドを持って楽しんでいただけると思っていますので、ぜひ皆さんにも楽しんでいただけたらと思います。

山縣 言葉だけだと、どうしても伝わりづらい部分なんですけどね。ぜひギリギリまでスタックをためて遊んでみてください(笑)。

 

▲完成させたラインが画面下にスライドし、攻撃トリガーとしてスタックされる“スタック”システム。タッチパネルに最適化された“ゴーストミノ”操作と合わせ、本作独自のおもしろさがある。

 

ライブ感を重視した運営体制

――リリースされたばかりで気が早い話かもしれませんが、今後の予定などどうなっていますか?

山縣 リリース直後でお話できることが少ないんですけど……もちろんキャラクターはドンドン増やしていきますよ。クエストもドンドン提供していきますし、プレイヤーどうしが協力して戦うイベントなども、システムの開発を現在進めています。

スミス 追加フィーチャーも計画されていますが、基本的なパフォーマンスも改善していきます。

山縣 そうですね。リリースしただけで満足せずに、その先へ向かってドンドン進んでいきたいですね。やっぱり『テトリス』ってずっと続けられるゲームですから、僕らとしてもずっと続けられる形にしていこうと。スマートフォンならではのスピード感とでもいいますか、うまくユーザーの声も反映するための体制も整えていきますよ。

――ユーザーの声を反映するとのことですが、なにか具体的な準備をされているのでしょうか?

山縣 ゲームはもちろんなんですけど、公式サイトの運営にも力を入れていきます。具体的にはユーザーの声を聞ける場として、オープンなコミュニティーサイトをリリースと同時に立ち上げ、そちらのほうでユーザー間の交流はもちろん、運営スタッフとコミュニケーションを取れるプラットフォームを公式に提供して行けたらなと。スマートフォンのアプリとしては、新たなアプローチになりますけど……そういった部分でもEAが持つこれまでのノウハウを生かして、精力的にチャレンジしていこうと思っているところですね。

スミス ライブなサービスであるからこそ、ユーザーが喜んでいるところも見えます。それを受けて改善するというか、フィーチャーを追加してリッチなコンテンツを作ることもできるし、そういう風な展開を考えています。ボクらとしてもユーザーの声を広く聞きたい。その声を受けて、社内で議論してよりよいモノをめざしたいです。

山縣 プロジェクトとしてもフットワークを軽く、積極的に取り組んでやっていきたいですね。

スミス モバイル専用のソーシャルアプリとしては、そういった部分こそが大事だとも思っています。お客さんの声をちゃんと聞いて、よく動いているのか、動いていないのかを確認して、その情報による舵取りは大事なことですね。

山縣 『テトモン』に関してはゲーム性の部分でもフットワークを軽く、ユーザーの声を反映できたらおもしろいんじゃないかなと。それこそがスマートフォンらしさじゃないですが、ユーザーに求められているスピード感なんじゃないかなと。そういったところを実現してみたいといった野望はありますよね。

スミス すでにアプリはリリースされていますけど、なにか足りないと思った要素があれば、その意見を聞かせてください。言ってさえいただければ、前向きに検討する用意がありますので(笑)。

山縣 題材のベースとなる『テトリス』以外の部分は、JAPAN STUDIOが作り上げた新しいモノです。ライセンスの縛りを受けずに作れるのは、大きなポイントだとも思っていますからね。

――まさにEA全体として、万全な体制で日本市場へ向けたチャレンジとなるワケですね。

スミス 『テトリス』は日本で愛されているゲームですから、一部のコアユーザーだけに向けたような作品にしたくなかった。ボクや開発スタッフも含めて、たくさんの『テトリス』ファンに向けたモノをきちんと作りたかったんです。

山縣 いままではゲーム機じゃないと遊べなかったワケですけど、スマートフォンなら誰でも気軽に楽しんでもらえるんじゃないかと思いますよ。

――それではインタビューの締めとして、ファミ通App読者へ向けたメッセージをお願いします。

山縣 じつは今年って、ファミコン版『テトリス』の発売からちょうど25年経ったんです。アレから25年が経って、新たに“スタック”システムを導入した新しい『テトリス』を世に出せましたので、実際にアプリを触っていただいて、新しさとともに懐かしさを感じていただけたらなと。ぜひこの機会にプレイをしてみてください。

スミス え~ボクの日本語だと、メッセージがちゃんと伝わるか心配なんですけどガンバリます(笑)。これはEAとして、スマートフォンのネイティブアプリとして日本で開発され、日本市場に提供されるタイトルとなります。この商品に弊社の力をすべて注ぎ込めたと思いますので、ぜひプレイしてみていただきたいと思っています。

 

 

テトリスモンスター

メーカー
エレクトロニック・アーツ
配信日
配信中
価格
無料(アプリ内課金あり)
対応機種
iPhone 4, iPhone 4S, iPhone 5, iPad 2, iPad 3, iPad mini, iPod touch 第4世代、iPod touch 第5世代

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