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Windows Phone版『怒首領蜂』の制作秘話をクリエイターに直撃、オリジナル壁紙もプレゼント!

2012-06-19 17:45 投稿

●ケイブオールスターから『怒首領蜂』へ路線変更

ファミ通Xbox 360 6月号におけるWindows Phoneコーナーで『DODONPACHI MAXIMUM』の開発者インタビューを掲載したところ、これが非常に注目を浴びた。ケイブがWindows Phone専用で『怒首領蜂』シリーズの新作を配信したということで話題となった本作、ここでは誌面に掲載しきれなかったインタビュー完全版をお届けしよう。

さらに、記事の最後でファミ通Appオリジナルの『DODONPACHI MAXIMUM』特製壁紙をプレゼント! 最後までお見逃しなく!

 プロデューサー 木村浩之氏(中央)
プログラマー 小泉大輔氏(右)
デザイナー 野村秀樹氏(左)

――まず、Windows Phoneへの参入と1作目に『怒首領蜂』を選んだ経緯をお聞かせください。

野村 最初は『怒首領蜂』ではない”ケイブオールスター”のようなシューティングを作ろうとしていました。でも、並行して作っていたアーケードゲーム『怒首領蜂 最大往生』のリリース時期が同じになりそうで、であればタイトルも合わせたほうが盛り上がるのでは?ということで、『怒首領蜂』シリーズに仕切りなおしました。あと、海外で”人”を操作するシューティングゲームって、あまりウケがよろしくない、というのも理由のひとつです。

小泉 Windows Phoneのメインユーザーは海外なので、そちらに目を向けて考えたときに戦闘機を主体としたゲームにしようということになりました。

野村 うちのシューティングタイトルで、『鋳薔薇』や『むちむちポーク!』のように自機が人+αのものが多くて。戦闘機を操作するシューティングを選ぶと、『怒首領蜂』と『ケツイ』くらいしかないんですよ。

小泉 戦闘機をメインでやりたいとなったとき、戦闘機に合うステージを考えると『大復活』、『大往生』、『ケツイ』がマッチしているなと。あと、当初のコンセプトであるいろんなキャラが登場するケイブオールスターのようにしたいと考えた場合、『怒首領蜂』でないところからあえてひとつ選ぶとすると『ケツイ』だったんです。

木村 『ケツイ』を選んだ理由がもうひとつ。象徴的に見せるために戦闘機をすべて赤色にしたのですが、ケイブがアーケード向けに販売している『怒首領蜂』シリーズから赤色の機体を選んでいったら2種しかなく……(笑)。これでは少なすぎるということで『ケツイ』も足しました

――開発はいつごろスタートしたんですか?

木村 2011年7月からですね。開発が始まって1ヵ月後くらいに日本でもWindows PhoneのIS12Tが発売されたんです。なので、それまでは海外端末をお借りして作っていました。

野村 開発終了1ヵ月前まで、背景1枚絵しかなかったんです。で、ここから全ステージ作れって言われて……(苦笑)。

木村 3ヵ月で全部作ったんだよね。実働3ヶ月で、そのうちの最初の1ヶ月は実験なんですよ。残りの2ヵ月半くらいで全部作りました。ハードスケジュールでした……。

――iOSとかAndroid向けアプリを作っている部署との連携などはあったんでしょうか?

木村 完全に別行動ですね。なので、Windows Phoneへの参入経緯も単純で、iOSもAndroidもやってるんで、じゃあやってないやつやろうか、っていう(笑)。そんな単純な経緯です。僕らのチームはXbox 360向けのタイトルもやっていたんですが、技術的な話をすると、プログラマーの小泉がC#に強かったというのあります。iOSとAndroidってObjective-CとかJavaで開発するんですがWindows PhoneはC#なんですよね。

小泉 そんな理由から、過去作品のプログラムをそのまま流用できないということもあり、最初から新規に作る方向で話を進めていました。

木村 スマホでリリースされているうちのシューティングは秒間60フレームで動いているんですが、Windows Phoneは30フレームまでしかサポートされていないんです。アーケード版からの移植だと、元が60フレームなのに移植すると何で30フレームなんだ!と、ファンからお叱りを受けるので、完全新規タイトルとして、30フレームで動くシューティングにしました。

  プロデューサー 木村浩之氏(中央)

●スマートフォンで遊ぶことを前提としたシューティングゲーム

――今回のゲーム設定がシミュレーターですが、これはWindows Phoneでケイブらしい弾幕シューティングを実現するためですか?

野村 そうです。Windows Phoneのスペックに合わせると背景に凝ることができないので、ラインで作って容量を軽くしました。最初は背景も一枚絵で作ったのですが、テストしたところ処理落ちが激しくなってしまい、弾数が減ってしまったんです。

小泉 IS12Tはよいのですが、これってWindows Phone 7.5に対応した第1弾の端末で、それより前の端末ってスペックが低いんです。開発時は前世代の低スペック端末がターゲットでしたので、表示量を抑えつついかにクールに見せるかという点にも苦労しました。

――敵がドット風になっているのも、その流れのひとつですか?

野村 あれは開発期間の関係です。ドットだと早くできるので。でも、ドット絵と言いつつもハイレゾドット絵なので普通のドットの4倍くらいの大きさなんです。最初は全部ドットでいこう!とブロックを組み合わせたようなステージ構成だったのですが、背景がなくなり、どんどん削ぎ落としていくうちに「これショボくね?」ということで、自機はドット絵風ではなくリアルにしました。結局、絵に関しては全部作り直したんです。社内でも、「いい流用の仕方してるね」と言われるんですが、全部書き直してます。Xbox 360より解像度が高い弾も作りましたし(笑)。

木村 ケイブ史上最高解像度の弾です(笑)。いちばんツルツルっていう(笑)。1メートルくらい離しても弾が見えるよう野村にオーダーしました。

野村 あえて、グラデーションは廃止したんです。2~3色で見えるように。

木村 小泉には、弾を2000発出してくれと、野村には100メートル先から見える弾を作ってくれとオーダーしました。そしたらふたりともいやな顔ひとつせずやってくれましたから(笑)。

野村 なので、今回、100メートルはオーバーですが腕を伸ばした状態で見ても結構弾が見えると思うんですよ。あと、背景が黒くなったことで弾がクッキリ見えます。すごく「弾だ!」とわかるかと(笑)。

――完全にWindows Phone専用ゲームとして作られたということで、システム自体もスマホで遊ぶことを前提とした作りになっている印象を受けました。

小泉 ステージのイメージはアーケード版からそれぞれをモチーフにしていますが、敵の配置を流用するという考えはなかったですね。当初からWindows Phoneに合ったゲーム性を作ろうというのを強く考えていました。ゲームシステムもシンプルなんですよ。自分でいくつかスマホ用のアプリを触ってみて、バーチャルパッドだとパッドが指で隠れてしまったり、やっているうちに押せてないというのを強く感じてしまい、どうやったら弾幕を避ける楽しさに集中できるかと考え、ボタンはやめようという結果に達したんです。

木村 ボタンをなくした経緯がもうひとつあります。最初は両手の指1本ずつで遊ぶことを想定していて、ボタンもあったんです。具体的には、片方の指で移動、もう片方の指で自機キャラクターチェンジという設定だったのですが、それをテストで作ってうちの池田(『怒首領蜂』シリーズの生みの親。通称IKD)に前情報なしでやってみてもらったところ、片手の指2本でプレイしはじめて(笑)。すごくやりづらそうに「これはできないよ……」っていう(笑)。「でも、縦持ちはすごくいい! だから指1本でやりたい」という意見を受けて、指1本で遊べる操作に変えたんです。

小泉 ある意味、画面上どこでもボタンなので好きな持ち方で好きな指で自分のプレイスタイルに合わせてプレイして頂ければいいと思います。

木村 縦持ちで指1本スライドしている際、”対面からの見た目”というのも本作のこだわりのひとつです。会議中や電車の中でメールを打っているように見えて、じつはシューティングで遊んでいるっていう(笑)。横持ちや両手操作だと「あいつゲーム遊んでるよ」って思われちゃうじゃないですか。「違う違う、これはメール打ってるの!」と言えるように縦持ちの指1本でスライドです。会議中にメモをとっているフリして、じつは弾幕を避けているっていうことが可能になるように作ったんですよ(笑)。やっぱり、気軽に遊べるっていうのは仕事中に遊べないとだめだと思うんです。1時間仕事したら、5分シューティングするみたいな、コーヒーブレイクのような位置づけです(笑)

 プログラマー 小泉大輔氏(右)

●BGMがモノラルになったワケ

――一面ずつ遊ばせるっていうのもちょっと変わっていますね。

小泉 電車の中で5分とか、つぎの駅ですぐに止められるよう配慮しました。

木村 尺が少しずつ伸びていくんだよね。ひと駅ぶんだったら1面遊んで。そういうコンセプトで作ってるんです。電車の1駅分で1ステージ終わる。「2面からどうする?」となったとき、セーブしたいじゃないですか。でも、途中で止められないのがシューティングなんで、1面クリアーしたら「よし、降りるか!」と下車できるような尺で作ったんです。

野村 スマホで電車の中や休憩時間に遊んでもらう場合を考えると、ステージごとにプレイできたほうが親切ですよね。

――ステージごとに遊ばせるというコンセプトにそって、実績解除もそれに合わせて作っているような感じがしますね。

木村 それはこのチームでXbox 360版『赤い刀 真』とか作っていたので。

小泉 そうですね。あそこで実績のつけ方を勉強しましたね(笑)。

木村 『赤い刀 真』で「3億点はとれない!」とプレイヤーさんにお叱りを受けた過去がありますので。社内じゃバンバン出ていたんで余裕だと思っていたら、全国的にとれる人が数少ないっていう……(苦笑)。そんなこともあり、今回の実績設定は全部小泉に頼みました(笑)。

小泉 あの実績のスコアは開発の終盤、自分で頑張ってとったスコアをベースにいれているので皆さんがとれないことはないはずなんです。

――BGMは過去作品のそのステージ曲となっていますが、アレンジバージョンですよね。このアレンジをWASi303さんが担当していますが、これはどういった経緯で?

木村 うちが出しているゲームのサントラを何枚か聞いて、「これ、このイメージ!」と思ったのがWASi303さんがアレンジを担当した『レヴィ=センス』という曲だったんです。

――ゲーム中の音楽はモノラルで収録されていますね。

木村 容量の都合です。ステレオだと高音質すぎて容量制限に引っかかってしまうんです。

小泉 ステレオにしていると容量の関係で動かない端末もあったので、泣く泣くモノラルにしました。

木村 もちろんWASi303さんはステレオ前提で曲の調整をしてもらっていたんです。開発サイドでモノラル変換したら、聞こえない音が出てきてしまって、結局WASi303さん自身にモノラル用に再調整してもらいました。

 デザイナー 野村秀樹氏(左)


●配信後の反響、そして本作のコツについて

――配信以降、プレイヤーからの反響はいかがですか?

小泉 マーケットプレースでレビューを書いてくれてる方たちの反応を見ていると、素直にうれしいですね。

――レビューの評価、非常に高いですね。

木村 上々である反面、難しすぎると言う人も続出しています。体験版を遊んで「こんなのできるかよ」っていう方も多いみたいですね。僕ら的には、簡単にすることはいくらでもできるんですが、弾幕シューティングゲームって世界一難しいイライラ棒を遊んでるようなものじゃないですか(笑)。狭い隙間を見つけて縫っていくという究極のイライラ棒なんですよ。でかいフィールドで広々避けられる中、イライラ棒をやっててもつまんないじゃないですか。なので、これが面白いんです、間違いなく! 難しすぎるといいますが、コツをつかむとスルッといっちゃいますから(笑)。

野村 敵が出現する前に靄(もや)が出ますが、その靄で敵が出る位置を知らせていますし。

木村 プレイヤーにとって相当わかりやすくしてあるんですよ。敵に点数まで書いてあるんですから(笑)。僕ら3人が手がけた『赤い刀 真』はシステムが複雑過ぎて、気持ちよくプレイできる域にまで達せるプレイヤーが限られてしまった……という反省があります。やっぱりシステムを覚えてもらうまでのハードルが高かったんでしょうね。その反省を踏まえて、今回は極限までシンプルにしましたので、あきらめずに頑張ってほしいですね。

――ちなみにコツは……?

木村 日々努力!! これは、人生を語る上でもそうですが、あきらめたらそこで終わりなんですよ。だから、自分の中で負けを認めず、毎日のように遊んでステージをクリアーしたときの喜びを味わう。そうするとつぎのステージに行ってみようかなという気持ちになると思うので……。これ、コツです。

小泉 ボムを使うのをためらうんじゃなくて、ボムをどこで使うかを楽しみのひとつにしてもらうのもいいかもしれません。その楽しみのためにボムのストック制をやめたんですよ。

木村 ストックの場合、使い切っちゃうとあきらめが入るじゃないですか。本作もそうですが、もうちょっとためれば使えるかもしれない……ていうあの感じがいいんです。1回使っちゃったけど、ここを抜けたらボムが使える!みたいな。ゲージがここまでたまってるから、もうちょっと敵を倒せばゲージがたまってボムが使える。それがいいんです。

野村 なので、ボムを惜しみなく使ってください。

木村 僕が遊んでみた感じ、敵の位置を覚えて早めに撃破するのもコツのような気がします。遊びかた自体は『ケツイ』に近くて、どんどん前に行ってどんどんやっつけたほうが敵の弾数が減るんですよ。だから、敵の位置を覚えられる人は覚えて、覚えられない人は日々努力です! ちなみに、僕ら3人の中で]-[|/34<#!(真ボス)を倒した人間はいないです。僕らの調整のモットーなんですが、僕らができる=100万人くらいできるので、自分たちじゃクリアーできないっていうものを。ちゃんと弾幕の隙間をいっぱい作っておきましたので、必ずクリアーできるはずです。

小泉 最初、本作の真ボスを池田に見せたときは「本当にこれで出すの?」って言われてましたが、実際には配信されたその週のうちにユーザーさんはクリアーしてましたからね。

――今後、Windows Phoneでやってみたいことはありますか? 次回作などいかがでしょうか?

木村 開発チームとしてはまだチャレンジしたいんですが、リアルな話、数字としては結構厳しいんですよね……。チャンスがあるなら、つぎは本作のキャッチフレーズにある”指1本でも”を、”指1本で遊べる本格シューティング”で作ってみたいですね。今回は誤作動防止を優先して、ボム投下の操作を2点タッチにしたのですが、次回はダブルタップ(素早く2回タップ)を盛り込みたいです。デバック期間中に試しましたがすごく快適なんですよ、ダブルタップ。

――では最後に、読者へメッセージをお願いします。

小泉 ここまでシンプルに本格的な弾幕シューティングを遊べるゲームは、ほかにはそうないと思っていますので、ぜひ手にとって体験してもらいたいと思います。

野村 電車の中でも遊びやすく作りました。ぜひプレイしてみてください。

木村 ゲーム的にはちょっと難しいかもしれませんが、弾幕をかいくぐったときの達成感はハンパないので、仕事中でも電車内でもいつでもどこでも練習して、挫折せず長く遊んでほしいですね。いつでもどこでも練習できますし(笑)。

 
 

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ファミ通Appの読者に『DODONPACHI MAXIMUM』のオリジナル壁紙を2枚(!)プレゼント。こちらは、ケイブさんがファミ通Appのための用意してくれた、ほかでは入手することのできないもの! 希望者は以下の壁紙をクリックして拡大し、画像を保存のこと。

 

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