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バンダイナムコゲームスの独自マーケット“バナドロイド”が目指す未来とは?

2012-03-24 21:23 投稿

●モバイルコンテンツ市場に求められるパラダイムシフト

2012年3月24日、東京大学でAndroid Bazaar and Conference 2012 Springが開催された。日本Androidの会が主催するこのイベントは、Android関連の技術情報を交流・蓄積し、Android開発者の養成 と教育支援を行って、Android関連ビジネスの活性化を目指すというもの。オープンプラットフォームであるAndroid OSの現状とこれからを、ゲーム、ミドルウェア、ビジネス、メディア、ユーザーなど、多角的な視点から各分野の専門家が講演を行った。

ここでは、“バンダイナムコゲームスのスマートフォンコンテンツ最大化戦略”として、バンダイナムコゲームスの小暮聡氏から、キャリア公式以外の多様なコンテンツ配信プラットフォームを抱えることとなった現在のモバイルコンテンツ市場において、独自アプローチで展開するバナドロイドの紹介。ならびに、スマートフォンにおけるコンテンツビジネスの課題と展望についてが語られた。

キャリア中心にモバイルコンテンツ市場が展開されるフィーチャーフォンからコンテンツを提供してきたバンダイナムコゲームス。スマートフォンの登場によりコンテンツの提供はどのように変化したのか。壇上に登場した小暮氏は、「フィーチャーフォンでは、着メロや壁紙などといったコンテンツ提供の場をキャリアが作り、そこに我々がコンテンツを配信するという形式で市場が拡大していったのに対し、スマートフォン、とくにマーケットの多様化により、その必勝形式が続けづらい状況が起きています。コンテンツプロバイターとしてはどこにフォーカスを置いて商売をしていったらいいのか正直、迷走している」と説明し、モバイルコンテンツ市場ではパラダイムシフトが求められていることを説明した。多様化するマーケットに拍車をかけたひとつがソーシャルサービスの登場。この急激に成長を遂げたソーシャル市場において、小暮氏は「我々も独自の市場を開拓するべく、バンダイナムコゲームス公式のAndroid向けマーケット“バナドロイド”を立ち上げました」と述べた。

▲2012年2月16日に正式サービスが開始されたバナドロイド。現在20タイトルのゲーム、約13000人の会員数を誇っているとのこと。

●独自マーケットとしての課題

続いて小暮氏は、バナドロイドの運用方法を説明し、独自でマーケットを運用するうえでの課題を述べた。バナドロイドでは“バンダイナムコID”を設けており、Andorid端末に依存するものとは別にユーザー管理システムを設けているのが特徴。これは、バンダイナムコグループが展開するさまざまな商品やサービスを利用できる、いわゆるバンダイナムコゲームスのファンをひとつに管理するシステムなのだが、この独自のユーサー管理システムにおいて、コンテンツを購入するまでにハードルを生み出してしまっているようだ。通常、Google Playでアプリを購入すると、ダウンロードからインストールまでがシームレスで行われるのに対し、バナドロイドでアプリを購入する場合、Androidが“提供元不明のアプリ”として認識してしまうため、ダウンロードからインストールまでがシームレスに行われないということだ。さらに、小暮氏は「提供元不明のアプリと認識されてしまい、個人情報データが攻撃を受ける可能性がありますといった警告が出ても購入してもらうというのは非常にハードルが高い」と付け加え、その弊害がダウンロード率として数字に表れていることを述べた。

 

●Androidらしさを活かす

いっぽうで、バナドロイドではAndroidらしさを活かしたサービスに取り組んでいるという。小暮氏は「バナドロイドではなく、Google Playで購入できる『トレジャートルジャー』では、バナドロイドにアクセスすることで通常よりもコインがたくさん手に入るという仕掛けを設けていたり、同じくGoogle Playで入手できる『バンダイナムコQRコードリーダー』は、スマートフォンでQRコードリーダーがあまり実装されてないという状況に目を付け制作しました」と語った。バナドロイドは、Google Playと共存しつつ、独自の顧客を集めていくサービス展開をしているようだ。

小暮氏は、多方面でユーザーのコンテンツへのアクセス経路を開拓するにあたり、「Androidらしさのひとつは自由であること。それ故に、しばし秩序を乱してしまうのことが見受けられるが、我々は自由であることをポジティブに捉えている。ユーザーも多様化しているため、できるだけユーザーに接触する機会を増やすことが必要であり、こういった取り組みがAndroidではしかるべきだと考えている」と述べた。

 

 

●ほかマーケットとの差別化について

多数のマーケットが存在する市場のなかで、バナドロイドが示す方向性とは何か? 小暮氏は「まだ規模が小さいバナドロイドが存在感を示すには、相当とんがってないといけない」と述べ、同社が抱えるゲームやキャラクターを中心に展開することを説明。続けて、「バナドロイドではゲームだけでなく、音楽、ビデオ、コミックなどの全方位展開をするマーケットと差別化するために、よりブランドショップ化をしていくべきかと考えています」とコメント。豊富なIPを持つ、バンダイナムコゲームスの強みを最大限に活かしたマーケット作りを行っていくようだ。

 

では、実際にどんな商品を並べるか。「我々はゲーム屋さんなので、ゲームを並べるのは前提。しかし、ゲームだけでもさらに差別化を計るため、新しいカテゴリーを展開することが、コンテンツの形だと思っています。多チャンネル展開をしていかなければ商売が成り立たないと考えています」と小暮氏。ゲーム以外の展開例として、Twitterを独自の装飾で楽しむことができる『PAC’N Twit』、AR機能を使った『ARカードダス』などを紹介した。

また、コンシューマー機で多くのゲームを排出している同社にとって、本来なら移植という形でスマホにコンテンツを供給できる環境にあるが、スマホ独自の操作性によりゲーム性に影響が出てしますことを示唆。スマホ用オリジナルタイトルとなる『花火の達人』と、『PAC’N-JUMP』の成功実績をみて、スマホにはスマホ用のゲームを作るという展開についても注力していくことを加えて説明した。

最後にバナドロイドの今後の戦略としてふたつのアプローチが紹介された。「ひとつはバンダイナムコIDを導入して、独自の顧客管理、適正な利益と顧客の最大化を計ること。ふたつ目は独自の流通を開拓して、そこでできる新しいコンテンツ、カテゴリーを生み出し、付加価値として最大化をすることです」(小暮)。続けて、「まず、マーケットにはお客様に来ていただかないとならない、来てもらうためには商品が並んでいないといけない。どこにでもある雑多なアプリはおかず、テーマ性があり、ブランドショップとして育てていきたい。もちろん、色づけするだけでなく、Androidで懸念されるいろいろなリスクを排除した、安全で安心して楽しめるマーケットにしたいと考えている」とまとめた。

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