そんなことよりゲームをするしかない! Aiming 椎葉忠志氏が語る”ネットに繋がるゲーム時代のゲーム企画”【OGC 2012】

2012-03-17 01:24 投稿

●「ゲームはいつか飽きるが、友だち付き合いは飽きない」(椎葉氏)

2012年3月16日に行われた、OGC(Open“Game” Contents)2012。その中で、”ネットに繋がるゲーム時代のゲーム企画”と題したセッションが行われ、Aiming代表取締役社長の椎葉忠志氏が登壇。現在、そして今後のソーシャルゲームやスマートフォンのゲームの共通キーワードである”インターネットに常時接続する”点をポイントに置いたゲーム時代とゲーム企画について語られた。

ネットに繋がるゲームを企画するうえで、最初のテーマとして挙げられたのが、”ゲームのコンセプトや方向性を決めるうえで考えること”。その考えることと言うのが、ターゲットユーザーだ。ライト向けなのか? それともヘビー向けなのか?
ケータイのソーシャルゲームはライトのイメージが強いが、椎葉氏は言う。

「ライトとかコアとかヘビーって、それは操作面のことなのか、プレイ時間のことなのか、それともプレイ障壁(難易度)のことなのか?」。

一般的に、据え置きゲームはヘビーで、携帯ソーシャルゲームはライトというイメージがありそうだが、携帯ソーシャルゲームでもヘビーなものは存在する。従って、ライト、ヘビーの定義は曖昧な部分があるとのこと。

では、その定義をゲームのモチベーションという点から考えてみよう。高い壁を越えたときの達成感を味わいたい人もいれば、複雑な操作を覚え、自在に操ることにこだわりを持つ人もいる。つまり、「モチベーションによって求められるゲームが違う」(椎葉氏)ため、ユーザーがゲームに何を求めているのかを考える必要があるというわけだ。

椎葉氏は「据え置き機や携帯ゲーム機、フィーチャーフォン、スマートフォンといったデバイスによって、作るゲームを明確に変えないといけない時代」、「ゲームに望む遊びの深さの違いを理解し、明確にして作らなければいけない」と、ゲームのコンセプトや方向性を決める上での考えかたを示した。

続いてのテーマは”おもしろいゲームを実現するために考えること”。ネットに繋がるゲーム、言わばオンラインゲームの強みを、「数年間継続して遊んでもらえること、リアルタイム性が高いこと、チャット、良いバランスの匿名性」と挙げた椎葉氏。加えて、モチベーションコントロールでゲームを進めさせることも必要と語り、達成感や進捗感が重要とした。また、パーティーを組んで協力プレイするという、非永続的なコミュニティーや、いっしょに遊ぶ仲間から「おめでとう」、「ありがとう」という何気ない言葉がモチベーションにもなるという。椎葉氏いわく、「みんなでやっていると、キャラクターを強くしようというモチベーションから、みんなの力になりたいと思うモチベーションのための手段になる。みんなの役に立ちたいからキャラクターを成長させるようになる」。この交流による友だち付き合いこそ、大きなモチベーションとなり、ネットに繋がるゲームの強み、おもしろさということなのだろう。「ゲームはいつか飽きが来るが、友だちは飽きない」という椎葉氏の言葉はとても印象的だった。

そのほかにも、椎葉氏からいろいろなことが語られたが、最終的なまとめとして、「どうすればネットに繋がるゲーム時代のおもしろいゲーム企画を生み出すにはどうすればいいのか?」という疑問について、「そんなことよりゲームをするしかない」と椎葉氏。おもしろいと言われているゲームにはいろいろなポイントがあり、それを実現している。そういうゲームを遊んでみて、理解するのがいちばんだと言うわけだ。

「携帯ソーシャルゲームをやらない開発者は、ちゃんとやりましょう。研究のために、MMORPGや家庭用ゲームをやりましょう。私は最近、スタッフから”ゲームをやらないクズ野郎”くらいのことを言われていますけど……反省しています(笑)」(椎葉氏)

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