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【ヒットの秘訣完全版】本当はもっと低価格になるはずだった!?『ファイナルファンタジーIII』

2011-12-31 12:00 投稿

●2011年最高クラスのRPG

発売中の書籍『ファミ通App iPhone&Android NO.001』の“2011年ベストゲーム109タイトル”のなかに、各ジャンルのヒットアプリの秘密を探る“ヒットの秘訣”というコーナーがある。じつはこれ、インタビュー内容のごく一部なのだ。掲載した部分以外にもいいところが多すぎて、これが日の目を見ないのはあまりにももったいない! というわけで、年末年始の特別企画として、担当編集がとくに印象に残ったインタビューをピックアップして、カット部分を含めた完全版を掲載しちゃいます。

――グラフィックの強化といい、タッチパネルでの遊びやすさといい、数ある移植タイトルのなかでも最高クラスのデキだと思います。なにをもっとも重視しましたか?

藤本 ふたつテーマがありました。ひとつが見たときの驚き、そしてもうひとつが遊びやすさです。これは僕自身が『ケイオスリングス』を見たときに驚いたことがその理由となっています。それまではiPhoneアプリであそこまでのグラフィックが出せると思っていなかったので、コンシューマータイトルを移植することが難しいのかなと感じていました。そこであれを見せられて、これだったら『FF III』もいけるかもと思うようになったんです。もうひとつ遊びやすさの部分に関しても『ケイオス』の操作方法に感銘を受けまして、これをうまく情報共有してもらって『FF III』でも受け継ぎました。安藤からも「とにかく操作が快適じゃないとダメなんです」と言われましたし、自分でもたくさんいろんなゲームを遊んでみて、見た目がよくても操作にストレスがあると長くプレイできないというのは理解できていました。

――開発チームは『ケイオス』とは違いますよね?

藤本 はい、違います。移植もとの『FF III』を開発したマトリックスさんがiPhone版も制作しています。じつは最初は、そのまんま移植してみたこともあるんです。ニンテンドーDSのグラフィックのままですね。それでプレイしてみたときに思ったのが、「悪くはない。でもすげー!って思わないよな」っていうことだったんです。たぶんユーザーも同じような反応になってしまうと考えまして、じゃあグラフィックは描きなおそうかとなりました。DS版が256×192の解像度でしたけど、開発当時の3GSで480×320なので単純に等倍にもできませんでしたし。それでそうこうしているうちにiPhone4はRetinaディスプレイになってさらに高解像度になりました。そうしたら当然これも対応せにゃいかんだろうと(笑)。

――なるほど。では数ある『FF』タイトルから『III』を選んだ理由はなんでしょう?

藤本 単純な理由としては『I』と『II』が出ていたので、つぎは『III』だろというようなこともありますけど、じつは『III』がこれまで携帯電話に移植されていないタイトルだということもあります。これまでの携帯電話ではあのDS版の『III』を再現できなかったんですけど、さきほども話しましたが『ケイオス』を見たこともあって、「じゃあ『III』かな」といった感じですね。

――内容はDS版とまったく同じですか。

藤本 基本的には同じなんですが、DS版でWi-Fiコネクションを使っていた部分は少し変わってます。iPhoneも通信機器なので、それができないわけではなかったんですが、今回はひとりでじっくり楽しんでもらいたいと思って、その機能は外してゲーム内のイベントだけでアイテムを入手できるようにしました。それと、これは追加要素とは少し違うんですけど、iPhone版では中国語にも対応しました。

――正直会心のデキの1本だったと思いますが、実際配信されてみて反応はどうでした。

藤本 App Storeのレビューはやっぱり気になってチェックしたんですけど、概ね好評だなと感じましたね。DS版を知っている人にとっては「絵も描きなおして、これでこの値段なら安い!」と言ってもらえましたし、もともとのオリジナルの『FF III』をやっていた人からも「懐かしい。携帯ゲームでこんなものが遊べることに驚いた」と本当に全体的に褒めていただけましたね。

――不満点はほとんどありませんでした?

藤本 ゲーム内容に関してのネガティブな意見はほとんどないですね。いわゆる環境面で動作が不安定だというレビューはありましたけど、そうなると僕らのほうでは対応のしようがない、というところはありましたね。本当は端末の状況とかを詳しく聞いて対処法を教えてあげたいろころなんですけどね……。なので、そういった場合はレビューに書き込むのではなく、サポートのほうに連絡していただけるとありがたいです(笑)。

――ゲーム内容とは関係ないところでの意見が多いわけですね。

藤本 あとは値段に関しては少しビビッてました。かなり迷ってつけた値段ではありましたけど、配信初日は「高い」っていうレビューが並ぶんじゃないかってドキドキしてましたよ。でも実際は、「おもしろい」「なつかしい」「躊躇したけど買ってみたらおもしろかった」っていう意見が多くてほっとしましたよ。

――値段に関しては『ケイオスリングス』で安藤さんが切り開いた部分もありましたからね。根付け自体ははじめから1800円でいこうと思ってました?

藤本 いや、最初はもっと……、もっと安くいこうと思ってました。

――え! それは驚きです。

藤本 完全にイメージですね。もっと安くしなくちゃいけないのかなっていう。『ファイナルファンタジー』と『ファイナルファンタジーII』がちょうど1000円で配信されていて、それよりは高くしなくちゃ、とは思っていたんですよ。ただ、自分で作ったものをしっかり見たときに、1200円とか1500円では出せないなと思い直しました。ゲームとしての価値を落としたくないなと。App Storeのマーケットで相対的には高く感じられても、ゲームの価値としては安い値段だと思ってあの値段に決めました。あと、海外の中古ソフト市場なんかも参考にしました(笑)。

――それはかなり研究しましたね(笑)。その甲斐あって『FF III』は非常に売れたイメージです。実際ダウンロード数はどれくらいまでいきましたか?

藤本 いまでだいたい40万ダウンロード弱くらいです。ただ、『FF III』っていまも伸びているんです。

――ですよね。上位ではないですけど、少しスクロールすると顔を出す。これはすごいことですよ。

藤本 セールをやるとダウンロード数は当然伸びます。ものによっては20倍くらい増えるものもあります。でも、『III』はまだセールを一度もやっていません。(※1)アップルの価格改定のときに一瞬だけセールみたいなことにはなりましたけど、それを除けば本当に最初の価格だけで勝負して数字を伸ばし続けています。

――セール、やらないんですか?(笑)

藤本 いやー、慎重にやらないと、とは思っています(笑)。「セールやるよ」っていうパターンができちゃったらいけないなと思ってはいます。もちろんいつかはやると思いますのでそのときをお楽しみに。
(※1)2011/12/20~2012/1/5の期間『FFⅢ』初のセールを行っています。1400円[税込]→1000円[税込]

――Android版の予定はどうでしょう。

藤本 『ファイナルファンタジー』(※2)『ファイナルファンタジーII』が出る予定に入っていますので、『III』も可能性は当然あります。端末ごとの調整がなかなか難しいところではありますが、Android端末の人にも楽しんでもらいたいですね。
(※2)『ファイナルファンタジー』は配信中。

――ほかに移植してみたいタイトルはありますか?

藤本 今回『III』が好評だったので、当然考えています。プラットフォームがiPhoneやiPod touchになって初めて遊んだという人もいて、『FF』ってこんなに楽しいんだという感想をもってもらえました。しかもそれが日本だけじゃなくて、これまでコンシューマー版が発売されていなかった地域の人にもリーチして「日本から発売された『FF』ってゲームはおもしろいぞ」と感じてもらえたんですよ。ですから個人的には『III』以降もやりたいという気持ちは持っています。

――最後にまだプレイしていない人に向けてひと言お願いします。

藤本 携帯電話だからという理由で敬遠している人、やりにくいんじゃないかとかよくわからないとか、いろいろ理由はあると思うんですけど、実際この『FF III』をプレイしてもらえれば、単なる暇つぶし以上の素晴らしい体験ができると思います。ぜひよろしくお願いします。

【ファイナルファンタジーIII】
メーカー:スクウェア・エニックス
配信日:配信中
価格:1400円[税込]
対応機種:iPhone/iPod touch、iPad互換 iOS 4.2以降が必要

(C)1990, 2011 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. ILLUSTRATION:2006 YOSHITAKA AMANO ILLUSTRATION:AKIHIKO YOSHIDA

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